受験生と伴走⑬ 模試の自己採点と復習方法
受験生と伴走⑬ 模試の自己採点と復習方法

受験勉強は順調に進んでいますか?今年も受験生に授業をしていますが、なかなかスイッチの入っていない人が多いような気がします。

昨年度の入試から、私大の合格者の数が正常化されました。厳しくなったと現場では聞かれますが、今までが多く取っていただけなので、正常化されたというべきでしょう。

私大の合格者の絶対数が減ったことで、苦戦する高校生が多くなりました。受験に対して、今まで以上に計画的に勉強しないといけません。

今回は模試の自己採点と復習方法についてお話ししましょう。
模試は受け終わった後に価値がある!
模試を受けると1日が潰れてしまうので、疲れてしまいますよね。受験結果が届くまでは1ヶ月半くらいかかります。やれやれという気持ちになると思いますが、そこで終わってしまってはもったいないのです。
模試を受けた時は、必ず問題用紙に自分の解答を写しておきましょう。模試の終わりに解答の冊子が配られると思います。解答と解説が詳しく載った冊子です。そこに採点基準や問題の解説が書かれていますので、必ず受け取って帰りましょう。
家に帰ったら、疲れていると思いますが、すぐに自己採点をしましょう。最悪翌日でも良いですが、自己採点は終わってすぐ行った方が良いでしょう。記述式の模試の場合は、自分の解答がどういう意図で書いたか覚えているという利点がありますが、記述式・マーク式問わず、どういう問題だったかを覚えている状態で答え合わせが出来るという最大のメリットがあります。
また、問題を解いている最中に分からなかった箇所を覚えている状態で解説を読んでおくことが大切です。これが後日になると、「どこか分からないと思ったけど、どこだったかな?」という状態になって、解説を読み流してしまうことが多くなります。効果的なタイミングでの答え合わせ、解説を読むことが必要なのです。
これらのことから、模試の終わった当日、遅くても翌日までには自己採点を済ませておきたいということです。
自己採点は厳しく行う
マーク式の場合は、正解不正解ははっきりしているので分かりやすいですが、記述式の場合は、全く一致することは少なく、採点基準を中心に答え合わせをする必要があります。その時、自分の思っていることと解答を見比べて正解と判断してしまわないように気をつけましょう。
あくまでも、記述式の問題の場合は、「書いてあること」が採点対象となります。受験者がどう思っていたかは点数になりません。そのため、自分の書いたものが、模範解答とどう一致していて、どう一致していないかをみないといけません。自分の考えを適切に表現できる人はいいですが、多くの受験生は、なかなかその域まで到達していません。受験勉強も終盤に近づいてくれば、一致しているかもしれませんが、初期の段階では厳しいでしょう。
また、採点基準に解答要素が書かれていることが多いです。キーワードがある場合、その言葉を適切に使えていないとダメです。他の言葉だけど、意味が近いから良いだろうと思って答え合わせをすると、甘めの採点になってしまう恐れがあります。本文に関わる言葉の場合は、他の言葉に置き換えられないときがあるので注意が必要です。
自己採点の時に押さえておくポイント
自己採点は○×だけをつけて終わってしまっては意味がありません。必ず解説を読んで理解することが大切です。しかし、全ての解説を熟読するには、かなりの時間が掛かります。もちろん、時間に余裕があればしておきたところですが、受験生にはそういう余裕はあまりないでしょう。
そこで、間違えた問題の解説に付箋を貼ったり、ページに折り目を付けたり、蛍光ペンで強調したりといったことをしておいてください。これは答え合わせと同時にできると思います。そのチェックを入れた解説の冊子を次の日以降に読んでいくようにしてください。
解説はきちんと読んで理解を深めておく必要がありますが、自己採点の際には、「ここが分からなかった」というピンポイントで読み込んでおきます。そして、それ以外の部分で間違えたところは、チェックを入れておいて、いつでも読み返せるようにしておきましょう。
腰を据えて、じっくり読む時間を取れる場合は、その方法で取り組むと良いでしょう。しかし、まだこの時期、部活動も終わっていない人も多いと思いますので、できるだけ隙間時間で終えられるようにしておきましょう。休み時間、昼休み、部活動が始まるまでの時間、そういう時間に読んで理解を深めておくのです。
復習ノートの作り方
模試を上手く活用している人を見たり、調べたりして見ると、復習ノートを作っています。こういうノートを作るとなると、たくさんの量になってしまい、あまり意味が無いという人がいます。それは「間違った問題を全て」を対象としている場合でしょう。
これは勉強を始めた頃だとほとんどが対象となってしまうでしょう。しかし、間違えた問題の中で全く分からなかったものや極端に出来の悪かった分野に絞ってやっておくといいでしょう。そのノートには問題と類似の問題を問題集で見つけてストックしておくといいでしょう。次の模試までに時間の余裕があれば、追加でやっていけばいいのです。
問題込みの復習ノートを作るのが大変な場合は、復習する項目だけのノートを作っておくといいでしょう。いわゆるTo Doリストです。
勉強を始めた頃、教科書や問題集の始めから順にやっていこうとする人が多いですが、どこかで挫折することが多いです。確かに、体系的に配置されているので意味が無いとはいいませんが、取っ掛かりとしては不適当でしょう。そのため、出来ないところからやるという方法で攻めていって、出来るところを増やしていった方が、勉強のし始めにはやりやすい方法となります。
さいごに
さて、今回は模試の話をしました。受けた後が大切です。自己採点の時の注意ポイントと復習するためのポイントです。復習する内容は個人個人で異なりますので、復習する方法を押さえておいて取り組んでいくことがいいでしょう。