受験生と伴走⑱ 基礎力がついてくれば、そろそろ変化が出てくる時期




受験生と伴走⑱ 基礎力がついてくれば、そろそろ変化が出てくる時期

 

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マジマナ

5月最終の土曜日になりました。センター試験から4ヶ月。3年生になってから2ヶ月が経過しています。この調子であっという間に受験本番がやってきます。週に一度、勉強のペースを確認しておきましょう。

 

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マジマナ

さて、暗記系が1周し、2周目に入っているか、順調にいっているならば3周目あたりになっていることでしょう。そうなると、これまでと違って、ポツポツとできるようになってくるものが表れてくるでしょう。

 

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マジマナ

ここで高慢にならず、謙虚に勉強を続けていく必要があります。しかし、状況によっては取り組む内容を変えていかないといけない時期なので、そのことをお話ししましょう。

 

問題が解けるようになってくる

基礎的な知識が身についてくると、問題が解けるようになってくる場面が出てきます。古文も英語も、単語の知識がある程度身に付くと、何となく読み取れてしまう場面が出てきます。

 

これは悪いことではありません。力がついてきた証拠です。しっかりと勉強してきたご褒美なので、喜んでおきましょう。

 

しかし、ここで油断してはいけません。勉強の成果が出てきたので、できるようになったと思って勉強の手を抜いてしまう人がいます。今は未完成のできる状態です。ここから完成形に仕上げていかないといけないのです。

 

一方、基礎的な知識が身についたにもかかわらず、点数が変わらない、できるようになっていないという状態の人は、少し気をつけた方が良いでしょう。二通りの状況が考えられます。

 

一つは、覚え方が甘いという状態です。単語の覚え方であれば、単語と意味がセットになっているのではなく、意味を出てくる順番で覚えてしまっていて、単語と関連付いていない状態という場合があります。必ずセットにして覚えるようにしましょう。また、意味を見たときに単語が思いつかない状況も考えられます。必ずしなければならないわけではありませんが、身についてくると、意味を見て単語を思い出せるようになってくることが多いので、今の自分の覚えられている状況がどの状態か確認しましょう。

 

他にも、思い出すのに時間がかかっている状況も覚え方が甘いといえます。ぱっと出てこないと意味がありません。単語の暗記で5分50個テストを推奨していますが、これは一つの目標であり、慣れてきたら3分以内でクリアできるようになってほしいところです。思い出すピードが遅いと文章の中で思い出すのは困難になりますので、ぱっと出てくるようにしましょう。

 

点数につながらないもう一つの理由は、「演習量が足りていない」ということがあげられます。多くの人は、基礎的な知識が頭に入っていない状況で学校の授業を受けているので、演習はある程度しているけれど、知識がないので解くことができないという状況になっているのです。そのため、基礎的な知識を頭に入れるとできるようになることが多くなります。

 

ところが、例えば学校の宿題で問題を解くものがあったときに、面倒だからと答えを写して提出していたり、解いてマルバツだけつけて提出していたりするとできないでしょう。自分で解いて、答え合わせをして、解説をしっかりと読んで理解するという一連の行為をしっかりと積み重ねておかないといけません。

 

他にも学校のレベルによっては、教科書以外に問題集がない場合もあるでしょう。そのような状況にある場合は絶対的な演習量が足りないので、成績が伴ってこないのです。

 



 

知識系は復習モードで問題演習を増やしていく

知識系がある程度身についてくれば、少し負荷をあげて復習モードにしていきましょう。覚える時間よりもテストする時間だけで済むので、比較的短時間になるでしょう。そうなってきたら、問題演習に時間を割くようにしましょう。

 

覚える系の定着度合いによりますが、一通りの場合は、簡単な問題から取り組みましょう。市販されている入門レベルの問題でいいでしょう。いきなり過去問やハイレベルな問題に取り組まないようにしましょう。もしどうしてもやりたい場合は、実力チェック程度にしておきましょう。

 

問題のレベルは覚えたことを使うことができるレベルであり、なおかつ、知らないことや新しい情報がいくつかあるものがいいでしょう。6~7割程度できるものを選びます。あまりにも出来なさすぎると続かなくなりますし、完璧に出来てしまうと得られるものが少なくなってしまいますので、ある程度出来るくらいがちょうどいいのです。

 

問題を解いた後は必ず答え合わせをして、解説を読むようにしましょう。そして、知らなかった知識はストックしておいて、覚えられるようにしておきます。ストックのノートを作っておくといいでしょう。間違った問題をストックして出来るようにしていくマイノートは、勉強が出来る人が持っている必須アイテムです。

 



 

基礎力は学校の授業にも変化をもたらす

基礎力が身についてくると学校の授業に変化が起こります。これまでわかりにくく難しいと思っていた授業が何となくわかるようになってきます。逆に、分かりやすくて良い授業だと思っていたものが、簡単に感じてしまうことがあります。

 

これは授業の質が変わったのではなく、あなた自身が変わってきたからです。分かりやすいと思っていたのは、そのときの自分のレベルと合っていたからそう感じていたのです。一方わかりにくいと思っていたのは、それまでの自分の知識やレベルでは理解できなかっただけで、基礎力が身についてくるとその授業が楽になってくるのです。

 

学校の先生の授業のレベルの設定は、基本的には平均的な生徒のレベルに合わせるか、それまでの学校の水準を維持して授業を行うことが多いです。中には、レベルの調節が出来ずに、先生自身の授業スタイルが変わらず、べらぼうに難しい場合もあります。よって、絶対にこれということは出来ませんが、学校の授業レベルは、概ねその学校の平均的な水準に合わせられていると考えると良いでしょう。

 

ということで、基礎力が身についてくると、あなた自身のレベルが上がるので、授業が簡単だと感じられるようになっていれば、学校の平均レベルに達したことになるのです。もちろん、教科によってばらつきが出てきますので、一つの目安にしておきましょう。

 



さいごに

勉強に対して取り組み方が身についている人は、基礎力が自然と身についているので、元から授業が簡単に感じているかもしれません。その場合は、変化があまり感じられないと思いますが、勉強は着実に身について変わってきているものです。

 

ところが、そういう高校生は少ないように思われます。普段の学校の授業を自分なりの方法で過ごしてしまい、受験期になって焦るというのが典型的な高校生です。そうなってくると基礎力が身についていない状態になるので、受験勉強の基礎段階できちんと勉強しておくと、大きな変化をもたらしてくれるのです。

 

基礎学力が形成されることで、偏差値50は堅くなるでしょう。55くらいまではいけるのではないかと思います。もう少し努力して、基礎プラスアルファをこなすことができれば、60くらいまであっという間にいきます。

 

偏差値60までは努力の世界と言われています。何をすれば良いのか、受験は明確です。個人個人でどこから取り組むかは異なりますが、必要な知識は同じです。その知識を的確に習得すれば偏差値60くらいまではすっと上がります。

 

自己啓発の本にも書いてありますが、日本人は勉強熱心で、社会人になってからも自己啓発本を読んで、生活を良くしようとします。そして、こういうことをすればいいのだという知識を得るのです。しかし、それを実行する人はごくわずかです。そして、それを継続する人はもっとわずかなのです。

 

これは受験勉強においても同じことがいえるでしょう。何をすれば良いのかわかっていても、それに蓋をしてしまったり、見て見ぬふりをしてしまったりしてやらないのです。

 

だから、偏差値60まではやった者勝ちなのです。

 

それ以上を目指すのであれば、もっと負荷をかけてやっていく必要があります。それはその段階に達したときにお話ししましょう。

 

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