受験生と伴走② 勉強の方向性とやることの決定




受験生と伴走② 勉強の方向性とやることの決定

 

majime
マジマナ

前回は目標を設定することを念頭にお話ししました。明確な目標がない場合でも、今現在で考えられる最大限の目標を考えておきましょう。後に変わったていいのです。しかし、何も目標を持たないのは、モチベーションを維持するのに辛いものがあります。

 

majime
マジマナ

さて、今回は前回の内容を踏まえて、その先を考えていきたいと思います。目標を決めて、志望校を選定でき、過去問もHPなどから1年分をやってみたところまで来たとして、その続きをお話ししましょう。

 

過去問から必要な力と今の実力の「差」を知る

過去問をやってみていかがでしたか?今の段階で合格最低点取れるのであれば、そこは志望校としてはふさわしくないかもしれません。どうしてもという強い思いがあるのなら別ですが、今の自分のレベルだったらこれくらいだろうと思って選んだ人は再考の余地ありです。

 

いいですか?今の自分から未来の自分は確実にレベルアップします!受験勉強というのは目標を立てて努力すればレベルアップできるチャンスなのです。逆に今の実力で行けるから何もしなくていいと考えていると、将来の自分はレベルダウンしていて、合格できないでしょう。

 

受験というのは不思議なもので、1年間の努力が適切であれば、ものすごく化けます。偏差値50ない人が60に到達なんてざらにあります。偏差値60までは努力の世界と言われていて、それなりに本気を出せば到達できるのです。

 

だから、過去問をやって、レベル差があまりない場合は、志望校を選びなおしたほうがいいでしょう。それなりに差がある場合は、そこを志望校として努力をしていく価値があります。

 

さて、過去問をやってどういうところが出来ませんでしたか?もうほとんど全滅というのであれば、一から積み上げていく必要があります。でも、出来たところもあるのではないでしょうか?

 

過去問をやって、チンプンカンプンだったところを拾ってください。「これやったけど、なんだったっけなー」と思えるところは後回し。全く記憶になく、知識が微塵もないところから取り組むのです。その次が、なんだったか思い出せないところ。そして最終はできたところを深めるという順です。

 

受験勉強はできるところを何度もやると時間のロスが広がります。記憶が定着していて、復習せずとも思い出せるところは、直前にさっと見直せばいいのです。問題は頭に入っていないところです。そこは時間がかかるので先に始めましょうということになります

 

また、何もせずに教科書の隅から隅までやろうとすると時間が膨大にかかります。まずは、手をつける順番を決める必要があります。それが過去問に載っていたところからやるということになります。実力「差」と言いましたが、本当は手をつける順番を知るためなんです。実力は後からついてきます。

 



手をつける順番 = 勉強の方向性

勉強の方向性とは何かというと、「手をつける順番」です。高校生で習う範囲は非常に広いです。どこも重要ではあるのですが、全部を均等にやったのでは、成績は伸びません。一度で理解して覚えてしまったところ、何度やっても覚えられないところと知識の濃淡が必ずあります。その濃淡の薄い部分を先にやっていかなければなりません。それも受験に出やすいところから順にやっていくことが受験の鉄則になります。

 

資格試験でも同じことが言えますが、全範囲となると広すぎるので、まずはよく出るところから頭に入れていくのです。それができたら細かい分野まで範囲を広げていけばいいのです。

 

勉強の方向性は、「知識の核」となる部分を先に作り上げていきましょうということです。

 

では、具体的な方向性の決め方を見ていきましょう。ここでは「日本史」を例に挙げてみましょう。日本史の教科書や参考書に目次のページがあります。そこを活用します。古代から近現代にいたるまで範囲が多いですよね。もちろん、全ての知識を頭に入れられるのなら、それに越したことはありませんが、なかなか難しいです。

 

そこで、過去問で出てきた時代に着目します。全ての時代から出題されることは少ないでしょう。今回は仮に「縄文時代」「平安時代」「江戸時代」「明治時代」が出題されたとします。その時代のところが勉強する優先順位です。ただし、時代で区切ってしまうと、数年分の過去問をやればある程度の時代をカバーしてしまうことでしょう。

 

次にやるのは、どの分野から出たかです。例えば「縄文時代」の問題が遺跡に関することであったならば、縄文時代の遺跡に関わることに絞って勉強します。そうすると、遺跡の名前はもちろんのこと、出土した物や弥生時代の遺跡との違いなど「遺跡」を中心に勉強できます。「平安時代」の問題が「薬子の変」だった場合、そこにいたるまでの経緯や人物関係を押さえておくおいいでしょう。

 

こうして、時代ごとの出来事とその周辺を押さえていくのです。できれば間違った問題から優先的に行っていきましょう。知識の核を作って、そこから広げていく役割を持たせますので、いきなり100%できる必要はありません。

 

英語の文法であれば、どの単元の問題なのかを絞り出し、そこを中心に単元を見直すといいでしょう。数学も同じく単元ごとにみましょう。理科と社会に関しては、日本史と同じようにできるでしょう。

 

国語と英語の長文になると、文章読解ですので、少し対策が立てにくいですね。ここでやっておくといいのは、「単語や語句がわからなくて文章が読み取れない」のか、「単語や語句はわかるけれど、意味内容が取れないので間違えている」のかをはっきりさせるようにしましょう。そのためには、単語や語句の説明をみて、知らなかったら、そこが勉強するポイントになります。「単語や語句はわかったけれど」という場合は、本文の解説を読んで自分の読み取ったことと同じか確認しましょう。違っていれば読解方法に問題があります。内容も一致しているのに間違えるのであれば、選択肢の読み取り方を間違っているかもしれません。段階を踏んで確認してみましょう。

 



やることを決定

さて、以上のことをすれば、勉強する内容を洗い出すことができます。この作業は今後、模試を受けた後にも出来ますので、ある程度洗い出せたらそれでOKです。普段の学校の勉強にプラスアルファして復習していくことになりますので、あまりたくさんあっても困るのです。

 

ここで重要なのは、他のできないところを意識しないことです。出来ないところがたくさんあるのは仕方ありません。勉強をし始めたばかりですからね。まずは核を作るためなので、学校の勉強にプラスアルファしながらやって、3月末くらいまでに終えられるようにしておけば問題ありません。たくさん出しすぎないようにするのがポイントですよ。

 

 

さいごに

さて、今回は過去問を使って、勉強の方向性とやることを洗い出す作業について話をしました。この段階から個人個人によって、何をすべきかは変わってきます。洗い出し作業を誰かに任せることはできません。誰かに依頼するということは、他の誰かが、入試に出そうなものをピックアップして、それをこなしていくことになります。それは、あなたにとってピッタリとは言えないのです。

 

予備校では受験によく出る問題をピックアップして効率的に学べます。しかし、これは受験に特化しているので、本当に理解しているとか、問題を少しひねるとかされると一気にこける怖さがあるのです。

 

過去問はあくまで傾向です。いきなり変えられることなど、受験ではよくあることです。そこでつまずいてしまわないように、地に足をつけた勉強が必要なのです。そのためには、自分のできないところをできるようにしていくことが大切です。

 

過去問を使った洗い出し作業をしっかりとしていきましょうね。

 

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