受験生と伴走㉙ 学校の夏休みの宿題が手つかず・・・・・・なんてことがないように!
受験生と伴走㉙ 学校の夏休みの宿題が手つかず・・・・・・なんてことがないように!

今年は台風が三つも同時発生し、10号に関しては、四国・中国地方を縦断しましたね。中心が大きいので、中心が近いうちはマシでしたが、通り過ぎた後や東側はたくさん雨が降って大変でしたね。

お盆休みと重なってしまったので、田舎への帰省の日程を一日早めたり、一日延ばしたりと予定したスケジュールと違うことになった人も多いことでしょう。

夏休みも残りが少なくなってきました。夏休みが短くなってきているので、あと1週間程度で再開されるところもあることでしょう。そのような状況下で、宿題がまだ手つかずだということになっていませんか?今回は宿題について考えておきましょう。
夏休みの宿題
夏休みの宿題について考えておきましょう。
小学校の夏休みの宿題は「伝統的」なものが多いように感じられます。読書感想文や自由研究、図画工作など、多くの人が経験しているのではないでしょうか。これらの宿題が狙う伸ばす能力を考えることは可能です。
「読書感想文」・・・読書に親しみ、自己の考えや感想を表現する力を伸ばす。
「自由研究」・・・身の回りのモノに興味を持ち、調べる力を伸ばし、伝え方を工夫する力も伸ばす。
「図画工作」・・・文字や絵だけの表現ではなく、モノを作ることで自身の内面にあるものを表現する力を伸ばす。
教科の勉強は知識の習得が主な目的となっているでしょう。上記の宿題は勉強の知識だけでなく、生きる上で必要になるかもしれない能力を育むためにあるのです。
同様に、中学校や高校でもそのような課題があるところもあると思いますが、基本的には教科の知識習得に重きを置かれるようになっています。
つまり、夏休みの課題は「知識の習得」という側面と、「生きる上で必要になるかもしれない力の育成」の二つの側面があります。後者は、今後の学習指導要領に組み込まれているものなので、今後一層大切な力になってくるでしょう。
宿題代行問題
少し前に社会問題として取り上げられた「宿題代行」があります。最近ではニュースであまり見かけなくなりましたが、無くなったわけではありません。今も検索をすればたくさん出てきます。それぞれ価格設定が異なります。平均価格をまとめているサイトを参考にしてみましたが、小中高と年齢が上がれば上がるほど単価が上がっていく傾向にあります。
知識習得型が中心となっていく中高の宿題は本人がしている場合が多いのではないかと推察しています。そのため、読書感想文等の知識習得型でないものを利用する人がいるかもしれません。
しかし、最も多く利用しているのは、「中学受験を考えている小学生」ではないかと思います。彼らは知識の習得が第一義です。各種能力の進展は必要なことですが、普通の小学生レベルの発達では追いつかないのです。そのため、レベルの高い中学校に入って、その中で能力を磨きたいと保護者は思い、お金を出していることでしょう。
実際に有名私立の中高一貫校に行くと、授業が全て英語で行われたり、東大生が学校に来て講演会や学習指導をしてくれたりと魅力的な取り組みが多くあります。他にもよく見かけるのは「弁論大会」です。日本語の所もありますが、最近では英語のところが多いです。将来国際的な場での発表をするであろうことを見越しての練習です。
これらのことを考えると、小学校の宿題で出される課題に時間を割くくらいなら、宿題代行でやってもらって、塾での勉強時間に当てさせようと考えるわけです。
賛否両論がありますが、気持ちとしては理解出来ます。しかし、読書感想文や自由研究を自身ですることができない子どもは、結局どこかで頭打ちにあうことでしょう。宿題代行に頼ったからではなく、そういうクリエイティブな頭の働きが出来ないまま過ごしてしまったことが原因です。これらは家庭教育の問題といえるでしょう。
よって、私は宿題代行サービスにお金を払うくらいなら、そのお金を本人の興味関心を刺激することにお金を使った方が何倍も価値があると考えます。
宿題が終わっていない場合
残り時間が短くなってきた場合は、宿題を効率良くこなす必要があります。学校によって異なると思いますが、受験生の場合、夏休みの宿題は量が少ない傾向にあります。自分で必要なものを探して勉強しなさいというメッセージでしょう。
これまで宿題を見てきましたが、夏休み前の7月に出題され、夏休みが始まった7月中に宿題を終えることが出来ることが多いように感じます。もちろん、能力によって異なると思いますが、詰め込めば1週間から長くて2週間で終わらせられます。
よって、無計画でも今から詰め込んでやれば終わらせることが出来るでしょう。
残っている宿題がワーク式のものであれば、集中すれば短時間で終わります。答えがない場合は、解いていけば良いだけです。分からない問題を何十分も考えてとまってしまうと時間が足りなくなります。「5分考えて分からなければ次に行く」。この法則で進めれば、それなりの時間で終わります。分からなかった問題には印を付けておいて、友達に聞くか、学校に行って先生に聞けば良いのです。夏休みにもかかわらず質問に行けば、先生の印象もよくなることでしょう。(全く出来ない、ほとんど出来ないという状況であれば、自力では不可能です。先生に聞くか、学習補助型の塾に通って、学力補充が必要です。)
読書感想文が残っている場合は、本を読まなければなりません。指定されている場合は、その本を手に入れる必要がありますが、最近ではほとんど自由だと思います。高校生の場合は「新書」が指定されていることも多いでしょう。
「新書」程度であれば、2時間から3時間くらいで読み終わりたいところです。それ以上に時間が掛かる人は読むのが遅いか、知識不足で読み進められない状況だと思われます。その人は読書不足もさることながら、日常生活にある知識に目を向けられていない証拠です。定期テストで点数は取れるけれど、実力テストでは点数が取れない人はこのタイプであることが多いです。
「新書」が指定されている場合に利用できるテクニックですが、最近は「新書」が崩れてきています。昔のような学者が一般人を啓蒙するための本と言えないものが多くなっています。ほとんど漫画のようなものもありますし、名言集もあります。それらは比較的早く読めます。さらに、感想文は自分の感想を書けば良いだけなので、心に響いたことを書けば良いということになります。ぜひ利用してみてください。
宿題が終わってないことを利用して計画力を付ける
もし宿題が終わっていない場合は、その状況を利用して計画力をつけてしまいましょう。
やり方は簡単です。残りの時間を時間軸で用意して、どれをいつくらいまでに終わらせるかを計画します。その後、具体的にどういう手順で行うかを考えるのです。ゴールを見据えて、そこから逆算するやり方です。
普段計画を立てていなければ、どれくらいのペースで終わらせられるのかが分かりません。だからまずは計画を立てて、1日でどれくらい進めたかを確認して、スケジュールを微調整しながらやっていくのです。
計画的に行うというのはいきなり出来るものでなく、トライアンドエラーでやっていくしかないのです。受験生にとって大切な力ですので、もし、宿題が終わっていないのであれば、これを機に挑戦してみてください。
さいごに
今回は夏休みの宿題について考えてみました。私は伝統的な宿題に関しては、出し方によって賛成をしています。何故なら、出題した先生がその宿題の目的を分かっていなければ、ただ出題したかどうかのチェックで終わってしまうからです。
私は伝統的な夏休みの宿題の目的を全て明確にしてから出題するかどうかを考えました。例えば、読書感想文の宿題は廃止しました。なぜなら、インターネットが普及した今、本のあらすじが簡単に出てきてしまうからです。他にも読書感想文の例が載っているサイトもあります。そうなると、ただ写して終わりとなってしまいます。本来の目的を果たすのが難しいからです。
選択制を取り入れることが多くなりました。「読書感想文」「レポート」「自習ノート」など、最も取り組みやすいものを選んで提出するという形です。それぞれに目標の量を設定しておくとどこまでやればいいのか分かるので取り組みやすくなりますよね。
そういう風に考えて出しているかをよく見てみるといいでしょう。ただ、出題するだけの課題であれば、宿題代行に頼まれても仕方ないと思います。