受験生と伴走 ㊷ いよいよセンター試験過去問に本格突入!
受験生と伴走 ㊷ いよいよセンター試験過去問に本格突入!

今月は過去問から傾向と対策を考えてきましたが、今回はセンター試験の過去問に本格的に取り組む時期になってきましたので、センター試験に絞ったお話をしていきたいと思います。
センター試験は広く浅く点を取る
国公立大学合格に必要なセンター試験の得点率は非常に高いです。8割前後に多くの大学が集まっているので、8割というのが一つの目標ラインとなるでしょう。
では、実際に8割を取ることを考えてみましょう。すべての教科で8割を取ることは、計算せずとも分かると思います。(ここでは社会も理科も2つ受けることで表現しています)
国語 160
数学1A 80
数学2B 80
英語 200
社会1 80
社会2 80
理科1 80
理科2 80
840/1050点
となります。これでも大変です。8割というのは大いなる努力が必要となります。
しかし、得意不得意があったとしましょう。仮に国語と英語が苦手で6割しか取れなかった場合を考えてみます。
国語 120
数学1A 80
数学2B 80
英語 150
社会1 80
社会2 80
理科1 80
理科2 80
750/1050
以上のようになります。90点分不足します。71.4%となってしまい、受験校をかなり下げることになってしまう水準です。残りの教科で90点分を取り返そうと思うと、90点~100点を取らなければなりません。社会や理科は配点が100点ですが、一つ一つの量が多いので、満点を狙いに行くのはかなりの労力が必要となります。
以上のことから、センター試験は全体的に点数を取りに行かなければならないのです。よくあるのが、苦手教科の分は他の教科でカバーしようと考える人がいますが、8割前後点数が必要な場合、それは非常に危険です。苦手が7割超えであれば、カバーできるかもしれませんが、6割程度になってしまうのであれば、苦手ではなく危機的な状況と捉えるべきでしょう。
力の掛け方の問題
すべての教科をまんべんなく出来るようにする必要がありますが、均等に力をかけていては、点数が伸びません。
まず、誰しも得意な教科と苦手な教科があります。(偶然そういうものがない場合はラッキーです)好きと嫌いが影響している人もいるそうですが、ここでは、すぐに理解して頭に入るものを得意、そうでないものを苦手と考えてください。
得意なものは、割と短時間で受験レベルまで上げることが出来ます。武器を作った方が良いので、受験勉強の基礎の時に高めておくと、心の安定に良い効果が期待できます。一方、苦手な教科というのは、時間が掛かります。理解するのにも時間が掛かり、頭の中に入ってくるのにも時間が掛かります。そのくせ頭から抜けていくのが早いのです。
苦手な教科ほど時間をかけなければなりませんので、まんべんなく点数を取るということは、苦手な教科の時間配分を多くして、得意な教科の配分を短くすることになります。このことに気づかず、まんべんなくやり続けると失敗することになるので気をつけましょう。
過去問は5年分を目安に
過去問はどれくらい解けば良いのかよく聞かれます。現役生の場合、5年分解くことが最低ラインだと思います。
過去問は傾向と対策に使うことも出来ますが、目的が他にもあります。一つは時間を計ることです。制限時間内に終わるかどうか、各設問にどれくらいの時間をかけることが出来るのかなど、時間を計ることが必要になります。
二つ目は出題形式に慣れることです。数学の誘導形式の問題は非常に特徴的です。普段自分が解いていた方法が通用しないかもしれません。いくつか解き方がある場合、どちらでも解けるようにしておく必要があります。社会の問題も文章を読んで問に答えていく形式です。また図表が入ってきますので、そのような形式にも慣れておく必要があるでしょう。
三つ目は過去問演習量を積んでおくことです。出題形式に慣れておくと、少しずつですが時間の節約が出来ます。聞き方は安定していますので、設問の聞き方に慣れておくだけで時間短縮ができます。5年分解くことで慣れておくことが出来ます。
過去問を5年分としたのは、以上のような目的とそれらを掴むための回数を考慮してのことです。また、過去問を解いた後、復習をすることを考えれば、5年分ぐらいが妥当です。もちろん、時間に余裕がある場合は、もっと多くの過去問をやっても構いません。ただし、年数が古くなればなるほど、傾向が変わるかもしれませんので、そのことは念頭に置いておきましょう。
さいごに
センター試験はまんべんなく点数を取ることが必要です。そして、まんべんなく点数を取るためには、勉強時間を均等にするのではなく、得意不得意に応じて時間配分を変えてください。過去問をやる目安としては5年分です。その中で時間配分と傾向を掴んでいきましょう。
今回はこのようなことをお話ししました。センター試験過去問を前に悩んでいる人は参考にしてみてください。