受験生と伴走⑦ 定期考査も受験勉強に役立つ?
受験生と伴走⑦ 定期考査も受験勉強に役立つ?

早いもので、もう三月になりましたね。これまでは1年が長く感じたかもしれませんが、受験生になると、1年がものすごく短く感じます。しかし、短いと実感するのは終盤にさしかかったとき。その頃にもっとやっておけばよかったと後悔しても遅いのです。

この時期には卒業式が行われたところも多いのではないでしょうか?先輩の卒業する姿を見て、いよいよ自分たちの番だと気が引き締まる思いがする時期です。その気持ちを忘れずに取り組んでいきましょう!

今回は受験勉強とも関わりが深い定期考査についてお話ししましょう!
目次
受験に必要な知識は定期テストに集約されている?
受験に必要な知識というのはどれくらいの量だと思いますか?とてつもなくたくさんの量を思い浮かべるかもしれません。確かに、一日二日で覚えられる量ではありません。そういう意味では、かなりの量です。
しかし、出題される範囲は高校の学習範囲を逸脱することはありません。基本的な知識は教科書に載っていて、難しいとされる問題でも基礎力を身につけていれば、正解にたどり着ける問題となっています。
そのため、基礎的な知識が身についていないと、出来るものも出来なくなってしまいます。知識偏重の教育が否定される世の中ですが、現実問題として、知識が無いと解けない問題が出題されています。また、最近流行の授業方法でも、実は知識の無い人はついていけず、格差が開くという現象が起きています。
最低限必要な知識というものが必ずあると言うことです。なので、暗記する力は少なからず必要となるわけです。
さて、その必要な基礎的な知識は教科書だと言いました。よって、教科書から出題される定期テストは、受験の基礎知識になるわけです。ただし、定期テストで出た内容だけが入試で必要な知識になるわけではありません。定期テスト範囲に「指定された範囲」が出題範囲だと考えておいてください。
例えば、「A、B、C、D、E」という知識を習ったとしましょう。定期テストではこの内容から「B、C、D」が出題されたとします。定期テストは、このパターンを何回か繰り返します。しかし、入試では必要なのは、「A、B、C、D、E」の全ての範囲です。定期テストで出題された内容が全てではなく、定期テスト範囲で指定されたものが、受験で必要な範囲となります。
ここから、考えて欲しいのは、定期テスト範囲を完全に習得していくと受験で必要な知識を積み重ねていくことが出来るというわけです。そして、次の考え方を持っておくといいでしょう。定期テストの点数で落とした点数分、あとで勉強し直さないといけないということです。100点でその範囲の知識がカバーできたと考えるのならば、「落とした点数+出題されなかったところ」が受験勉強でやり直さないといけない範囲です。
定期テストで出題される範囲の出来を高める!
定期テスト範囲が受験の範囲と重なることを確認しました。だったら、定期テストだけを受けていれば大丈夫と思われがちですが、そんなことはありません。
これは、現実なので隠しませんが、皆さんの通っている高校のレベルによって、定期テストの難しさが変わるので、定期テストだけで良いかと言われるとかなり厳しいのです。
例えば、超進学校で、東大、京大当たり前、旧帝大くらいなら馬鹿にされるというレベルなら、定期テストのレベルもそれなりに高いので、かなり良い線行くかもしれません。しかし、大学進学する人もいるけれど、就職や専門学校に行く人もそれなりにいるとなると、定期テストのレベルはさほど高くありません。教科書内容を確認する程度でしょう。
ということは、定期テストレベルだけをクリアしたところで、受験に対しては不足している場合があるのです。先ほどの例はあくまでも「知識に関して」だったので、実力がそこに伴うかは別問題となるのです。
そのため、受験に必要な実力まで上げなければなりません。勉強では、「基礎」「基本」「応用」と三段階に分けられることが多いです。この基準は人によっても異なりますし、学校によっても設定されるレベルが変わるでしょう。ということで、学校に関係なく、受験という世界で見たときの設定を確認しておきましょう。
「基礎」・・・・・・教科書レベル
「基本」・・・・・・センター試験レベル・中堅私大レベル
「応用」・・・・・・難関私大・国公立2次レベル
さて、ここで「教科書」と「センター」は分かりやすいでしょう。センター試験でも基本レベルです。「中堅私大」「難関私大」は予備校によっても分け方が変わりますよね。私もどれがどうと明確な区別をつけるのは難しいと思っています。学部によってもレベルが上下しますからね。また国公立2次といっても、国公立大もピンからキリまでありますので、これも正確ではありません。そこで、次のように考えてみると、判断しやすいかと思います。
「基礎」・・・・・・教科書レベル
「基本」・・・・・・センター試験レベル・私大(偏差値64まで)・国公立(偏差値60まで)
「応用」・・・・・・私大(偏差値65以上)・国公立(偏差値61以上)
あくまでも目安です。国公立の偏差値の方が低いのは、教科数の差があるからです。よく偏差値表を見て、私立大学の偏差値の方が高いから国公立よりも難しいと安易に判断する人がいますが、教科数が違います。教科数が減れば、その分掛けられる時間が増えますので、偏差値が自然と上がります。
また、国公立ではセンター試験の偏差値と二次試験の偏差値がまるで違う場合があります。やる量が多い分、偏差値が低く見えても難しいことが要求されている場合が多いという判断です。
さて、定期テストでどこまで極めるかという話に戻しますと、教科書レベルの問題だけだと、基礎になってしまいます。出来れば「基本」レベルまではしっかりとやっておきたいところです。ここまでしっかりやっておけば、ある程度の大学までは対応できますし、勉強時間もそれなりで済むので、現実的でしょう。
目指すところがかなり上位であれば、応用問題までしっかりとやっておいた方が良いでしょう。定期テストを利用して受験レベルまで高めると言うことは、自分が必要とするレベルを認識してトレーニングすることが大切なのです。
母校のレベルは定期テストの出題の仕方で判断せよ
自分の通っている高校のレベルがよく分からないという場合の判断方法をお話ししておきましょう。
高校入試の時に偏差値というのがあったと思いますが、大学受験になるとあの時の偏差値はあまり当てになりません。高校入試の時は、98%くらいの中学生が偏差値の勝負にランクインしているので、ある意味全体の偏差値でした。ところが、大学受験となると、そもそも大学受験をしないという人が一定数いますので、その人達が消えます。偏差値45未満はいなくなると考えてもらったらいいでしょう。(全員とは言いませんが・・・・・・)
となると、偏差値50だった高校は、すでに下位層になるのです。そして、上には中高一貫校が入ってきますので、高校受験の時にはいなかった層が参加してくることになります。
以上のことから、偏差値50以上の高校に行ったから、今も50以上と考えるのは危険です。全国模試を受けて実際の値を確認するしかありません。しかし、模試を受けて結果が出るまで分からないという状況では、定期テストをいくつかすり抜けてしまいますので、受験勉強としては大きなロスとなってしまいます。
ということで、定期テストの出題状況を見て判断する方法を使ってみましょう。進学校の多くは、高校2年生までに受験に必要な範囲の学習を終えていることが多いです。高校2年生の最後の試験は、もう復習状態になっているでしょう。そのため、すでに復習状態で演習問題だった場合は、定期テストが「基礎」「基本」で形成されている可能性が高いです。これは、高校から学習を始めた場合のスピードです。一方中高進学校であれば、もっと早く切り替わっているはずです。
高校2年生のうちは、そんなことなかった場合でも、高校3年生の授業が問題演習中心に変わる場合は、進学校である可能性が高いです。センター試験や大学の過去問を解くのが中心になっている場合です。実際の過去問を使うと、「基本」「応用」になるので、受験勉強と定期テストがリンクしている状態になります。
残念ながら高校3年生になっても、教科書の内容が残っていて、そこを学習している場合は、受験に対応しているとは言いがたいです。テスト範囲も「基礎」が中心となっているでしょう。その場合は、定期テストをクリアできても、勉強不足になっている可能性が高いです。受験勉強はもっとレベルを上げて取り組む必要が出てくるので要注意です。
さいごに
定期テストの内容が受験を全てカバーしているわけではなく、定期テスト範囲が受験をカバーしていることを説明しました。そして、定期テストのレベルも学校によって異なるので、自分の学校がどのレベルなのかを分かっておかないと定期テストと受験勉強のバランスが上手くいきません。
定期テストと言っても、学校によって大きく異なるので注意が必要です。高校レベルになってくると、定期テストが過去の使い回しではなくて、担当の先生オリジナルになることがあります。同じ学校でも年度によって大きく異なるので、「うちの学校はこのレベルだから・・・・・・」と思わない方がいいでしょう。学習状況に応じて考えるといいでしょう。
今回は次のことを押さえておいてください。
・定期テストの内容が受験で必要な知識全てではない
・定期テスト範囲が受験で必要な知識をカバーしている
・定期テストのレベルを把握する
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