受験生と伴走⑧ 早いうちに模試を受けよう!
受験生と伴走⑧ 早いうちに模試を受けよう!

受験生と伴走第八弾です。早いですね。3月も2週目です。センター試験から2ヶ月が経ちました。随分と昔の話のような気がしますか?

世間では国公立の前期試験の合格発表が行われ、中期試験も実施された頃ですね。残すは国公立の後期試験です。あとは、定員に達していない私立大学の日程がちらほら残すところです。

受験を終えた人たちは、これから新生活に向けて準備をする段階です。高校2年生の人は、新3年生に向けて、準備を進めている状態でしょう。

今回は、そんな高校生のために、「模試」についてお話ししたいと思います。
大学入試模擬試験
通称「模試」と呼ばれているものは、「大学入試模擬試験」です。色々な試験を真似したものを「模試」と呼びます。高校生が受けるのは、大学入試のための模擬試験です。
模試は必ずしも受ける必要はありません。別に受けずに大学入試を受験しても問題ありません。必要な学力よりもかなり高めの学力を身につけていれば、模試を受けずとも合格することは可能でしょう。
しかし、大学入試は高校入試までと違って、全国の人がライバルです。学校内の偏差値は当てになりません。学校によってある程度の母体偏差値はありますが、学年ごとによっても異なりますので、当てになりません。模試を受けないということは、自分の実力を知らずに受験することになります。どのあたりが適正校なのか分からずに受験することになるのです。
模試というのは、自分の現在の位置を知るための試験です。学校内だけでなく、全国でどのあたりにいるのかが分かります。その指標の一つが偏差値です。
偏差値
模試を受けると「偏差値」という数字が出ます。これは中央からどれくらい自分が離れた位置にいるかが分かります。「偏差値50」が中心となります。これが平均中の平均ということです。
その時に模試を受けた人の中央値にいるということになります。よく大学のランキングで偏差値ランキングになっているものが、学校に張り出されていると思います。その場合の値は、この偏差値となります。
ただし、この偏差値は模試によって基準が変わります。模試を実施している大手だと、河合塾の「全統模試」、駿台予備校の「駿台模試」、ベネッセの「総合学力模試」があります。それぞれ受けている層が異なるので、偏差値の誤差が出ます。そのため、大学のランキング表を見るときは、どこのランキング表かをしっかりと確認した方がいいでしょう。
模試の種類
模試には色々な種類の模試がありますが、ここでは大学入試のための模試の中での種類の話をします。
まずはマーク模試です。これは1、2年生ではあまり受けたことがないかもしれません。2年生の最後の方にあるのですが、よほど関心の高い人でないと受けていないでしょう。3年生になると、定期的に実施されます。基本的にはセンター試験で受験する科目を受けます。私大専願の人も、マーク式の問題が多いので受けておくと良いでしょう。
続いて記述模試です。これは1,2年生でも受けた模試のように、記述式の模試です。もちろん、記号問題も含まれますが、記述式がメインとなります。1、2年生の時は、学力がどこまで到達しているかを判断することが目的でしたが、高校3年生になると、どれくらいの実力があるのかという基準になります。記述模試の平均点は非常に低く設定されています。よって、高校3年生の記述模試を受けて、あまりの点数の低さにショックを受ける高校生が多くいます。
最後に特化模試です。この呼び名は私がいつも呼ぶ名前なので、正式名称ではないですが、各大学に特化した模試があります。「東大」や「京大」といったネーミングつきます。河合塾や駿台予備校などが、「オープン模試」「実戦模試」で実施しています。地域に根ざした予備校が、地域に特有の大学の模試を実施している場合がありますので、情報を仕入れられるかが勝負の鍵となります。
模試の日程
模試の日程は各予備校によって少しずつずれています。学校実施の外部模試でない限り、模試の日程は重ならないようになっています。(2019年度は駿台と河合の記述模試が9/1で重なっていました。)
4月 記述模試(ベネッセ)
5月 マーク模試(河合塾)・記述模試(河合塾・駿台)
6月 マーク模試(ベネッセ)・記述模試(駿台ハイレベル)
7月 マーク模試(駿台)・記述模試(ベネッセ)
8月 マーク模試(河合塾)
9月 マーク模試(ベネッセ・駿台)・記述模試(河合塾・駿台・駿台ハイレベル)
10月 マーク模試(河合)・記述模試(ベネッセ・河合・駿台)
11月 マーク模試(ベネッセ・河合・駿台)
12月 マーク模試(駿台)・記述模試(駿台ハイレベル)
(※河合塾・駿台予備校は2019年分を参照。ベネッセに関しては2018年度分)
まとめてみると、このような感じです。毎月何かしらの模試が実施されています。10月11月には各大学の特化模試が実施されるので、毎週模試がある感じになります。
とはいえ、全ての模試を受けるわけではないですよ。基本軸を絞って受ければ良いので、毎月模試にしなくてもよいでしょう。ただし、ドッキング判定といって、マーク模試と記述模試のドッキング判定をしてくれるところがほとんどですので、ドッキング対象の模試は両方とも受けるようにしておきましょう。片方だと損することになります。
模試は早いうちに受けておこう!
高校3年生になったら、模試を早いうちに受けておきましょう。今の自分の居場所をしっておいて、そこからどんどん登っていかないといけません。逆に今いる位置で良いという状態であっても、勉強しないとどんどん下がっていきます。周りが勉強すると自分の順位は必ず下がりますからね。最終的な学力の位置で勝負することになるので、早めに達したからといって安泰ではありません。
また、模試ごとに目標を決めて受験勉強をするとメリハリがついていいでしょう。2ヶ月に1度くらいで受ける人が多いので、その間隔で勉強する人が多いです。しかし、欲を言えば1ヶ月に1度受けて、自分の居場所をはかりながら勉強できると、より効率的になります。
模試を受けずに大学受験をすることは可能ですが、自分の実力が分からない状態で受験を迎えると、下から上まで数打たないと分からなくなってしまいます。受験校を決めるときに、志望校は受けるとしても、それ以外に「安全校」「適正校」「チャレンジ校」を考えていきます。こうすると、大体3校くらいに絞られます。
なぜ、このように絞るかというと、大学受験の受験料が高いからです。私大は1回3万5千円が基準です。同一大学に複数申し込むと割引がありますが、レベルを考えて、3大学に出すと、それだけで10万5千円です。志望校を複数回受けることを考えると、私大だけで15万ほど必要になります。
国公立大学は、センター試験と国公立前期を併せて3万5千円くらいです。しかし、滑り止めの私立大学を受験すれば、3万5千円かかります。センター利用であればもう少し抑えることができますが、それなりの費用は掛かります。
つまり、現役合格を目指して大学受験をする場合、受験費用だけで10万円程度はかかることになります。これは「模試を受けていれば」の話です。もし、模試を受けていないとなると、上下が分かりませんので、ある程度受験できる大学を受けることになります。
センター試験と国公立大学と私立大学を受けるとして、センター試験と国公立で、3万5千円。私立大学は、1月下旬に実施される大学群で3校をそれぞれ3学部分申し込んだとしましょう。それで、3万5千×3校×3学部=31万5千円。同じく2月上旬で実施される大学群で申し込んだとして、31万5千円。合計、66万5千円になります。実力が分からないと、数打ちゃ当たる方式で受けないといけないので、このような金額になるのです。
模試は1回あたり6千円程度です。それを年に10回受けても6万円程度です。そのおかげで、66万が15万程度まで抑えられるので、その効果は非常に大きいと言えるでしょう。
ちなみに、現役にこだわらず浪人してもいいと思って、模試を受けないという選択肢もありますが、あまりおすすめしません。浪人自体を否定するつもりはありませんし、得られる経験はありますが、金銭的な面で負担が大きいからです。自宅浪人はかなり厳しく、多くは予備校に入ることになります。予備校にもよりますが、1年間で120万ほどかかります。私立大学1年分くらいの学費がかかりますので、非常に大きな負担となります。(中には特待生制度を実施していて、破格の値段で入ることができるところもありますが、そういう人は現役時代に好成績を残した人に限られます)
さいごに
さて、今回は模試について書きました。模試を受験したがらない高校生がいます。自分の実力がはっきりするから嫌だと言います。しかし、自分の実力が分からないと勉強のしようがありません。むやみやたらに勉強しても、結果が伴いませんからね。
学校の成績表は一回の試験である程度決まってしまいます。同じ範囲の定期テストは受けられないのです。しかし、模試は今回の結果がよくなくとも、次の模試で挽回することが出来るのです。問題は変わりますが、難易度は大きく異ならないようにできているので、自分の実力がついたかどうかがはっきりするわけです。
ということで、しっかりと模試を受けて自分の実力をチェックしながら勉強していけるようにしましょうね。
今回のまとめ
・高校生が受ける模試は大学入試模擬試験
・模試の種類は三種類。「マーク模試」「記述模試」「特化模試」
・模試は毎月のように実施されている
・模試を受験しないと大学入試の際に高額な費用が掛かる