塾の間違った高校入試の国語指導2
目次
④部分点を狙うためにキーワードだけを入れろ!
記述問題では、部分点を与えるためにキーワードを中心に採点することが多いです。これは通常の問題集でも同じことが言えます。
この意味では正しいのですが、中にはキーワードを盛り込んで、へんてこな内容の記述を書いている場合があります。内容が読み取れない、もしくは間違っている場合は、キーワードがあっても点数がほとんどありません。
また、キーワードが含まれていれば良いと指導されているようで、不必要な言葉が入っている場合があります。解答に影響を与えないものは良いですが、読解問題は書いてある文章を正しく読み取って書かないといけません。そのため、解答の範囲から外れた場所の言葉が入るのはおかしいのです。
以上のような理由から、キーワードが含まれていたとしても、内容が分からないものは、わずかな部分点になり、不必要なキーワードが含まれている場合は、その分減点が入ることになります。キーワードだけを書けば良いものではありません。
⑤作文はとにかく書けば点数がもらえる
基本的に採点は複数人で行います。採点項目や内容を決めて点数を付けていき、採点者の平均点を得点とするところもあります。よって、主観で点数が付くものではありません。
この部分を勘違いしている塾は、内容で点数が付けられないので、とにかく文字を埋めることが大切だと指導するようです。
しかし、これは大きな間違いです。
内容が読み取れないものはアウトになります。なるべく汲み取ろうとしますが、採点者全員が読み取れない、もしくは、多くの言葉を補わないと意味が通らないものは通じません。
書けば良いという発想は間違いです。
⑥作文は自分の思いを書け!
これは作文のお題によって異なります。あなたの思いを書きなさいという内容であれば正解ですが、「あなたの考えを書きなさい」の場合、「思い」ではなく「考え」を書かないといけません。
「思い」はどう思っても自由です。論理的に矛盾していたとしても、本人の解釈で十分なのです。
しかし、「考え」を書く場合は、どういう根拠があって、どのように考えていくことによって導き出したのかを書く必要があります。
特にひどいのは、思い込みの上に立って書かれた思いです。例えば「世の中の中学生には読書が好きな人がいないので」というような書き方です。根拠もなく言い切るのはやめましょう。
⑦作文に入学後のアピールを書け!
この指導している塾がそこそこあるように思われます。お題にそくした文章が終わった後、最後の段落を使って書くように指導されています。
作文や小論文は問題であって、志望理由書やアピール文ではありません。表記や内容と関係がないので、加点されることはほとんどないでしょう。
その上、最後の締めくくりでこれらを書いてしまいますと、作文全体の話が問題の趣旨と関係なくなってしまいます。あまりにもかけ離れてしまっていると、本文全体が意味をなさなくなってしまい、大きく減点される可能性が高いです。
これはやめておいた方が得策です。