技能審査って知っていますか?
技能審査って知っていますか?
高校に入学すると、はじめに色々な説明があります。多すぎてどれがどれだかわからなくなると思います。
特に進級や卒業にかかわる単位の話は重要です。しかし、仕組みが分かりづらい場合が多いですね。
単位を落とすと留年したり、卒業できなかったりします。単位を落としたら、必ずもう一年いかないといけないと思われがちですが、そうではない方法があるかもしれません。
単位について
技能審査の話の前に、単位について確認しておきましょう。
高校の授業は科目ごとに単位が設定されています。「国語総合」や「数学Ⅰ」の項目のところに、2単位や4単位と書かれています。シラバスがある学校はシラバスで確認できます。また通知表に印字されていることも多いため確認できるでしょう。
卒業必要単位が決められていて、3年間でそれらをすべて単位習得できると卒業できます。学校によっては、必要最低単位数よりも多めに設定していて、少しだけ単位を落としても大丈夫なところもあれば、ギリギリの設定で一つでも落とすと駄目な場合があります。
単位については学校からの書類で確認できます。わからない場合は学校の先生に聞いてみましょう。
単位を落とすと、原級留置(留年)したり、卒業できなくなったりするわけです。
しかし、学校によっては「技能審査」というものを設けており、単位を回復することができる場合があります。
技能審査(ぎのうしんさ)
技能審査という名前は聞き慣れないかもしれません。高校生が理解するのは難しいかもしれないので、保護者の方が理解しておいた方が良いでしょう。
これは簡単に言うと、「学校以外の活動でも単位として認めましょう」という制度です。
学校によって違いますが、例えば「漢検○級で1単位」や「英検○級で2単位」など設定されています。漢検、英検、数検あたりはよく見かけます。他にもITパスポートなどの情報系の検定も認められることが多いです。
工科高校や商業科であれば、独特の技能審査を行っている場合があります。
他にも高大連携の一環で、大学の授業を取ることで認められたり、ボランティア活動を認めたりする場合があります。
学校ごとに決められているはずですので、分からない人は先生に「うちの学校の技能審査はどんなのがありますか?」と聞いてみるとよいでしょう。
技能審査も上限がある
技能審査で単位を得られるのであれば、学校の授業を受けずに技能審査で卒業できるのではないかと思う人がいるかもしれませんが、それはできません。
なぜなら、上限が設けられているからです。「技能審査は10単位まで」というような上限があるのです。これも学校によって異なるので、ご自身の通っている学校に確かめてみてください。
単位を落としていなかったら必要ない?
技能審査を単位回復のために使うということが、現場ではよく行われています。しかし、本来の目的は、学校の学習以外に技能を身に付けることを目的としているのです。
そのため、単位を落としたから取りに行くのではなく、検定に挑戦して、その結果単位が認められる状態が本来です。学校が設定している卒業単位数よりも多く取得して卒業する。そうすることで、学業を本当に頑張っていたと言えるのではないでしょうか?
他にも、技能審査で取得しておくと、履歴書にも書ける資格になることが多いです。漢検や英検は技能審査で認められる級を取ることでアドバンテージにもなるのです。
決して単位回復のためにだけ存在するものではありません。一部のピンチの人が担任の先生から勧められたから取るものにならないことが大切です。
さいごに
技能審査について尋ねると、単位を落としていないから君には必要ないと言われるかもしれません。審査会が行われることになるので、先生の仕事が増えるため、最低限に抑えたいという思考が働く場合があります。
しかし、これは生徒の権利です。指導要録に修得単位の記録は残ります。どこで使うかは分かりませんが、取っておいて損することは一つもありません。向学心の高い人はぜひ取得しておくことをおすすめします。