古文の現代語訳はもはや翻訳!?
古文の現代語訳はもはや翻訳!?

高校生なら、だれでも一度は古文の翻訳サイトがあればなぁと思ったことがあると思います。

実は翻訳サイトは実在します。今回は翻訳サイトについて紹介していきましょう。
※本記事は内容が古くなっていたので、リライトをしました。(2022.8.26)
①ねこいりねこ 古文を現代文にする
「古文 翻訳」と検索すると、トップに上がってきたのが、「ねこいりねこ 古文を現代文にする」(https://catincat.jp/javascript/gendaigo.html)というサイトでした。
Javaスクリプトで作成されたサイトなので、ブラウザで調べられます。
Google翻訳に近い形で利用できるのが良いですね。
今回は教科書の最初の方に載っている『宇治拾遺物語』「児のそら寝」で実験したいと思います。
本文(古文)
今は昔、比叡の山に児ありけり。僧たち、宵のつれづれに、「いざ、かいもちひせむ。」と言ひけるを、この児、心よせに聞きけり。さりとて、し出ださむを待ちて寝ざらむも、わろかりなむと思ひて、片方に寄りて、寝たるよしにて、出で来るを待ちけるに、すでにし出だしたるさまにて、ひしめき合ひたり。
この児、さだめておどろかさむずらむと、待ちゐたるに、僧の、「もの申しさぶらはむ。おどろかせたまへ。」と言ふを、うれしとは思へども、ただ一度にいらへむも、待ちけるかともぞ思ふとて、いま一声呼ばれていらへむと、念じて寝たるほどに、「や、な起こしたてまつりそ。をさなき人は、寝入りたまひにけり。」と言ふ声のしければ、あな、わびしと思ひて、いま一度起こせかしと、思ひ寝に聞けば、ひしひしと、ただ食ひに食ふ音のしければ、ずちなくて、無期ののちに、「えい。」といらへたりければ、僧たち笑ふこと限りなし。
では、結果発表です。
翻訳結果
今は昔、比叡の山に児あった。僧たち、宵の退屈に、「いざ、かいもちいさせよう。」と言ったことを、この児、心よせに聞いた。それでも、し出そうことを待って寝なかろうのも、よくなくてしまおうと思って、片方に寄って、寝ている手段で、出てくることを待ったところに、すでに出しているようすで、ひしめき合っている。
この児、きっと起こそうとしているのだろうと、待っているところに、僧が、「なんとなく申し仕えよう。目を覚まさせなされ。」と言うことを、うれしいとは思うけれども、ただ一度に答えようのも、待ったかとも思うことといって、いま一声呼ばれて答えようぞと、我慢して寝ているうちに、「や、起こしさしあげるな。幼い人は、寝入りなさってしまった。」と言う声がしたので、ああ、がっかりすると思って、いま一度起こせよと、思い寝に聞くので、ひしひしと、ただ食ってしまい食う音がしたので、どうしようもなくて、無期ののちに、「えい。」と答えていたので、僧たち笑うことが果てしない。
すごいです!ところどころ変な表現がありますが、かなり精度が高いように思われます。
サイトには「天気予報ぐらいの正答率です」とありますが、これは天気予報よりかなりすごいです。
でも、ちょっとだけからくりがありそうです。いくつかの例文が登録されているようで、近いものから推測しているようですね。
そうでないものは結構ボロボロのもありました。
とはいえ、有名どころは登録されている可能性があるので、教科書レベルなら使えそうですね。
②古文自動翻訳研究センター
さて、次はいかにもという名前のサイトです。
古文自動翻訳研究センター(https://honnyaku.okunohosomichi.net/)
こちらのサイトでは、「古文翻訳装置」というソフトをダウンロードする必要があるので、PC向きになっています。
現在は2019年に公開されたVer3.1が最新になっています。
それでは、先ほどと同じ本文を入れてみたいと思います。
翻訳結果
子供のタヌキ寝入り 宇治拾遺物語
今となっては昔のことだが、比叡の山に子供は存在した。僧達、宵が手持ち無沙汰であって、「さあ、ぼたもちを作ろう。」と言ったのを、この子供が、期待に聞いた。だからといって、し出すようなのを待って寝ないようなのも、よくなかっただろうと思って、片方に寄って、寝ている理由で、現れるのを待ったところ、すでにし出している様子で、ひしめき合っている。
この子供が、かならず目を覚まさせるだろうと、待って座っていると、僧が、「お話申し上げるのでございましょう。目を覚まさせろお与えになれ。」と言うのを、うれしいとは思うけれども、たった一度に答えるようなのも、待ったとも思うからといって、いま一声呼はれ手が答えようかと、我慢して寝ているくらいに、「おい、どうか起こして差し上げないでくれ。おさない人は、寝入りなさった。」と言う声が一面に広がっているので、まあ、苦しいと思って、もう一回起こせよと、思い寝と聞くと、むしゃむしゃと、まっすぐ食べに食べる音が一面に広がっているので、どうしようもなくて、長期ののちに、「はい。」ときらへたりたので、僧達を笑うことが限りない。
むむむ・・・何とか話の筋は取れそうですが、現代語訳としては辛いものがあります。
ストーリーが全く分からない時に、あらすじをつかむために使用するのならありかもしれません。完全な現代語訳を手に入れるために使うのは難しそうです。
翻訳サイトではないけれど・・・
翻訳サイトでは満足のいく現代語訳を手に入れるのは難しそうです。
大方の意味をつかむ分には使えるでしょう。
ただし、古文の現代語訳は、検索すると出てくることが多いです。手間を惜しまず検索をすれば、望む結果は手に入るでしょう。
しかし、それが面倒なんですよね。
ということで、少しだけ宣伝します。
本サイトでは「古文の倉庫」を作成しています。教科書に載っている古文を優先的に揃えていっています。
https://school-s.com/kobun-warehouse/
基本的には「本文」と「現代語訳」ですが、いくつかは定期テスト対策の問題を作成しています。
ということで、教科書レベルの文章をお探しであれば、本サイトの「古文の倉庫」もご利用ください!
まとめ
さて、いかがだったでしょうか?翻訳が全くできないわけではないので、なかなかの精度だと思う人もいたかもしれません。
現代語訳がない過去問などであれば、大意をつかめれば進めることができるので、利用する価値がありますね。
まとめ
完璧な訳を手に入れることはできないが、大意をつかむためには利用できる!