家で勉強できない人の原因と対策方法

家で勉強できない人の原因と対策方法

 

majime
マジマナ

高校の教員時代、たびたび生徒からも保護者からも相談されることがありました。

 

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マジマナ

家で勉強できない(しない)んです。

 

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マジマナ

家で勉強できない人の原因と対策について確認してみましょう。

 

 

原因その1 誘惑が多い状態の部屋

 

家で勉強するとき、どこで勉強していますか?

 

自分の部屋に机があって勉強する場所となっている人

リビングで勉強するようになっている人

 

家の場合は、この2例が多いと思います。最近ではリビング学習が良いという話も市民権を得てきたので、リビング学習を取り入れている家庭も多いでしょう。

 

この「自分の部屋」と「リビング」ですが、場所としては問題ありません。机があって、椅子があって、筆記用具がある状態であれば、勉強することができます。しかし、そこで勉強ができない、集中できない状態であるならば、「空間」として問題を抱えている可能性があります

 

次のような状態になっている場合は、問題を抱えていると考えて間違いないでしょう。

 

部屋が快適な空間になりすぎている。

 

通常の家の部屋として考えるときは、「快適さ」は非常に重要な要素だと思います。多くの人は部屋が快適であることを望み、そのような環境を作ると思います。

 

しかし、この状態になってしまうと、勉強よりも快適さを求めてしまい、なかなか集中することができなくなってしまいます

 

この状態の部屋は別の言い方をすると「誘惑の多い部屋」ということになってしまいます。

 

誘惑するものとして

 

テレビ、パソコン、スマホ、漫画、推しのポスター、ゲーム、音楽・・・など

 

が挙げられます。これらが目についてしまうと、どうしても集中力が切れやすくなってしまいます。なるべく集中力を切らさないためには、誘惑物は排除してしまうことが大切です。

 

ただ捨てるのはもったいないので、売れる物は売って換金してしまいましょう!



原因その2 意思決定の回数が多い部屋

 

脳科学の研究から、人間は意思決定の回数が増えるほど、脳が疲れてしまうことがわかっています。そのため、勉強のために脳の体力を残すために、できる限り意思決定の回数を減らしたいところです。

 

意思決定の例を挙げると

 

どの服を着ようか

何時に家を出発しようか

どの靴をはこうか

何時の電車に乗ろうか

 

というような日常の意思決定があります。いつも同じ服装をしている有名な経営者の方は、この意思決定を減らすために服を固定しているという話があるくらい、脳の体力を使うようです。

 

他にも

 

漫画を読むか勉強をするか

パソコンをするか勉強をするか

お菓子を食べるか勉強をするか

スマホを見るか勉強をするか・・・など

 

先ほど挙げた誘惑物です。これが視界に入るたびに、誘惑をとるか勉強をとるかという意思決定が行われてしまいます。

 

また、部屋だと全教科の勉強道具がそろっている状態になるので、この時間は何の勉強をしようかなと考えることが意思決定を生み出してしまいます。

 

勉強する以前に脳が疲弊してしまっては勉強の効率がひどく落ち込んでしまうので、なるべく意思決定の回数は減らしておきたいところです。

 



原因その3 広すぎる部屋

 

自宅の部屋が広すぎることも勉強できなくなる原因となります。その1とその2にも関わってきますが、部屋が広いとさまざまな物が収納される傾向にあります。子どもに個人の部屋を用意しているのであれば、そこにはその子の持ち物が全て置かれていることが通常だからです。

 

こうなると、誘惑物が増えるので、勉強できなくなってしまいます。

 

広すぎるというのはどれくらいかと思われるかもしれません。勉強に関して考えると6畳の部屋は広すぎます。3~4畳くらいが適切な広さと考えてください。

 

6畳というのはオーソドックスな部屋の広さなので、当てはまる人が多いと思います。もし、6畳あるのであれば、半分に仕切ってみて3畳を2部屋用意すると良いでしょう。

 

 

勉強に集中できる部屋づくり

 

ここからは、勉強に集中できる部屋づくりについて考えていきます。

 



勉強に集中できる部屋づくり①

 

集中できる勉強空間には、「勉強するスペースが十分にある机」と「座っていても疲れにくい椅子」と「適度な雑音」がある状態にします。

 

この3点であれば、現在の部屋でも条件を満たしていると、思う方も多いと思いますが、実はこの条件にはある制約があります。

 

勉強空間には上記の物以外を設置しないという制約を設ける

 

勉強空間にはよけいなものをおいてはいけないという制約です。例えば、テレビやスマホなども基本的に持ち込んではいけません。本棚に漫画がある場合もダメです。お菓子、ジュースも勉強中はなしです。パソコンも別の場所にあるほうが良いでしょう。

 

と、このように勉強空間には勉強するのに必要なものだけを持ち込み、それ以外のものはできるだけ排除する必要があります

 

 

勉強に集中できる部屋づくり②

 

意思決定の少ない状況を作ります。意思決定を減らすためには誘惑物は全て排除しましょう。部屋から追い出すことが出来ないのであれば、視界に入らないようにします。

 

本棚やカラーボックスにはのれんなどで覆ってしまったり、個人用のパーテーションで周りがみえないようにするなどの対策方法があります。

 

上記のような安価で適度な視界を遮ってくれるアイテムがあります。高さを調整できるパネルがあり、前方の視界はかなり遮ってくれます。

 

もし6畳くらいの部屋であるのならば、部屋を3畳ずつぐらいに区切ってしまうのも一つです。片方は誘惑物を固めて、リラックスできる空間にし、残りを勉強に集中できる空間にしてみるとよいでしょう。

 

意思決定の回数を減らせるようにできる限り調整することが大切です。

 

 

勉強に集中できる部屋づくり③

集中できる空間は適度な狭さが必要です。広いと気が散りやすく、目の前に集中するためには狭い方が効果的です。

 

まず、狭い空間には机といす以外の設置物が少なくなります。そのため、視界によけいなものが映りにくく、集中しやすくなります。

 

次に視線の問題です。狭い部屋だと窓も1つか2つくらいになるでしょう。その窓の面に机を設置してください。近くの物に集中し続けると目が悪くなりますので、視線を上げたときに遠くが見える窓が欲しいところです。目の負担軽減に役立ちます。

 

かの有名な鴨長明は四畳半の部屋に住んでいたといわれています。狭い空間で集中して生活するというのは昔から実践されていたということです。

 



勉強に集中するためにできること

 

部屋作り以外にも勉強の仕方で工夫できることがあります。以下にその方法をご紹介します。

 

その1 必要なものだけを用意する

 

勉強をするとき、机の上や視界に入るところに、その日にやろうとしている教材が全て出てしまっていませんか?

 

国語も英語も数学も・・・とたくさんの参考書や問題集を出していると目移りします。また、1つ目が終わった後に、次はどれにしようかなと意思決定を行う必要が出てきてしまいます。

 

そのときにやる教科、そして必要な物に絞って机の上に出しておくようにしましょう。

 

例えば

シャーペン・消しゴム・赤ペン・青ペン

問題集と解答集(書き込まないのであれば、ノート)

単語帳or辞書

 

という風に絞ってください。意思決定の回数が減らせるので、脳の消費が抑えられます。

 

 

その2 予定は先にまとめて立てておく

 

その日にやる勉強の計画は、前もって準備するようにしてください。

 

長期的な計画→中期的な計画→短期的な計画

 

この順番で計画を立てておき、短期的な計画は1日単位の細かい計画を立てておきましょう。その計画に沿って勉強をすれば、無駄な意思決定がなくなります。

 

とはいえ、慣れていないうちは計画に変更が生じると思います。その日の夜に見直すか、できれば1週間単位で見直すことができると、脳の消耗を防ぐことができます。

 



その3 紙辞書か電子辞書で調べる

 

勉強をする中でわからない言葉があった場合、あなたはどうやって調べますか?

 

現代ではインターネットが発展していますので、英単語も古文単語もスマホで調べればすぐに出てきます。

 

これは非常に便利なのですが、スマホが誘惑物に当たるため、あまりお薦めできません。もし、そのときに気になる通知が来ていたら、あっという間に勉強から離れてしまいます。

 

ということで、勉強の時は定番の「辞書」を使うようにしましょう。

 

大人の世代であれば、紙辞書が当たり前だったと思います。紙面で調べる方が、他の言葉が無意識に目に入ったり、あいうえお順、アルファベット順を繰り返し使うので速く引けるようになったりします。

 

しかし、現代の高校生が勉強する科目は数も増え、分量も増えています。そのため、各科目の辞書を持ち歩くと考えると現実的ではありません。

 

最近では「電子辞書」の利用を勧めています。現在では電子辞書の革新的な進歩もゆるやかになり、価格も2万円前後で落ち着いています。(高校生モデルにおいて。高機能はもっと高いのもあります)

 

現状であれば、カシオかシャープあたりが無難だと言えるでしょう。2万円前後の機種をあげておきましょう。(2023年9月15日時点)

 

カシオ


シャープ


2万円は高いと思うかもしれませんが、「国語辞典」「古語辞典」「漢和辞典」「英和辞典」「和英辞典」など、言語系だけでも紙辞書でそろえると2万くらいかかります。電子辞書によっては、社会や理科の用語辞典も入っているので、2万円以上の価値を得られます。

 

勉強に集中するためにも、スマホは封印して物理的な辞書で慣れていくようにしましょう。

 

 

 

家で勉強に集中できないのは意志の弱さではない

 

家が快適であるほど、自分の部屋が広くてくつろげるほど、勉強空間としては適していません。その中で集中して勉強を続けられる人はごく稀です。ほとんどの人は誘惑に勝てず、集中するのが難しくなります。

 

これまで自宅での勉強が難しかった人は、それだけ家の居心地がよかったということです。(小さい弟や妹がいてそれどころではない場合もありますが・・・)

 

塾の自習室に行ったり、図書館に行ったりすると、勉強がはかどるのは勉強以外の誘惑を減らすことが出来るからです。学校の教室もゲームや漫画は基本的にありません。黒板と机と椅子があるだけです。

 

人間は誘惑に弱い生き物です。楽な方へ流れてしまいますが、その影響力が強いからこそ、快適な世界を作り出してきたといえます。意志が弱いと落ち込む前に、環境を整えてみてください。そこで出来るようになるのであれば、意思が弱いのではなく、誘惑に純粋なだけです。

 

 

 

さいごに

私も家で勉強しようと思っても、なかなか行動に移せなかったり、他のものに目移りしたりしていました。高校生の頃は家を借りたりすることもできないので、何とか意識を高めて取り組んでいました。でも、学校や塾の自習室のほうが断然はかどるんですよね。

 

大人になった今も家で勉強しようとする機会はありますが、何だかはかどりません。以前から、なぜはかどらないんだろうと思っていたので、勉強がはかどる空間を探していました

 

最近気になっていた、コワーキングスペースに行ってみたところ、ものすごくはかどりました。フリーランスで仕事をしている人、大学受験の勉強をしている人、資格試験の勉強をしている人、さまざまに何かに熱心に取り組んでいました。

 

個人の作業に没頭できるちょうどよい空間でした。

 

誰の目もなければサボってしまうけれど、適度に誰かの目があれば取り組める。

 

そのような空間でした。時間利用できるので、日を決めて勉強するようにしています。みなさんも生活圏内で集中できる場所を見つけられるといいですね、

 

まとめ

最適な勉強空間の条件

①誘惑のない空間(机・椅子・勉強する道具だけの空間であること。)

②調べるときは紙辞書か電子辞書(スマホは誘惑になってしまう。)

③適度な狭さ(鴨長明だと四畳半)

 

 

 

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