私のアクティブ・ラーニングのやり方③

④の方法

ここから学年が一つ下がります。この学年は前年度より偏差値が5くらい低い状態です。42,3と思ってください。最初は同じ方法でやってみました。

 

流れ

①解く(20分)

②ペアと相談し、正解率を高める(5分、青ペン)

③ペアの状態で答え合わせ。解説を読んで分からないところはペアで聞く。それでも無理な場合は他のペアに頼る。それでも無理なら先生に質問する。(10分)

④理解できたら、解答を覚える。(10分)

⑤振り返りテスト(今回と全く同じ問題+前回の要約。前回分に関しては本文の提示なし)(10分)

⑥答え合わせ(5分)

⑦今回を振り返って感想(5分)

 

ところが、振り返りテストが全然出来ないのです。みんな満点を目指そうどころか、満点を取れる人が一人もいませんでした。このままでは授業が成立しませんので、調節をしました。

 

流れ

①解く(20分)

②ペアと相談し、正解率を高める(5分、青ペン)

③ペアの状態で答え合わせ。解説を読んで分からないところはペアで聞く。それでも無理な場合は他のペアに頼る。それでも無理なら先生に質問する。(10分)

④理解できたら、解答を覚える。(15分

⑤振り返りテスト(今回と全く同じ問題+前回の要約。前回分に関しては本文の提示なし)(10分)

⑥答え合わせ(5分)

⑦今回を振り返って感想(5分)

 

②の時間をなくし、④の時間を増やしました。そして、振り返りテストの内容も軽量化し、授業時にやったことにのみ特化するようにしました。

 

こうすることで、満点を取れる人が半数くらいになりました。何度かこなしている内に、最終的には全ての生徒が満点を取れるようになったため、調整としてはうまくいったように思えます。

 

しかし、定期テストは昨年と同じものを実施したのですが、点数が下がってしまいました。平均点が70点を超えていたのに対し、50点台に落ち込んでしまいました。ただし、この授業を受けていた人は、1年次に単位を落としている人が多く、定期テストで10,20点台をたたき出していた人が数名いました。その彼らが50点台を取れていたので、担任の先生たちは驚いていました。

 

一年目ほどの効果はありませんでしたが、それなりに効果を感じてもらえるようでした。偏差値は42,3から47くらいには回復しました。

 

⑤の方法

この授業は、④と違って、ほとんど全ての生徒が授業を受けます。④の時のメンバーとは異なりますので、スタートは偏差値が5ほど低い状態からです。こちらも最初は前年度の三年生と同じ方法でやってみました。

 

流れ

①解く(20分)

②ペアと相談し、正解率を高める(5分、青ペン)

③ペアの状態で答え合わせ。無理な場合は他のペアに頼る。それでも無理なら先生に質問する。(10分)

④理解できたら、解答を覚える。(13分)

⑤振り返りテスト(今回と全く同じ問題)(7分)

⑥答え合わせ(5分)

⑦今回を振り返って感想(5分)

 

まず問題が発生しました。最初の解くの段階で一問も解けない生徒が続出したのです。本文が読めないというよりも、記述の練習をほとんどしてこなかったため、書くのが怖いという生徒が多かったのです。

 

また話し合いをするにも、理解できていないために何を話せばよいのか分からない生徒や授業を受ける姿勢ができていないために、関係のない話で盛り上がってしまう生徒がいました。

 

アクティブ・ラーニングの形式が成り立ちませんでした。

 

そこで次のような変更をしました。

 

流れ

①解きながら、分からないところだけ、映像授業で説明を見る(20分)

②ペアと相談し、正解率を高める(5分、青ペン)

③ペアの状態で答え合わせ。無理な場合は他のペアに頼る。それでも無理なら先生に質問する。(10分)

④理解できたら、解答を覚える。(15分

⑤振り返りテスト(今回と全く同じ問題)(10分

⑥答え合わせ(5分)

⑦今回を振り返って感想(5分)

 

 

知識がないために解けない人のために、映像授業を作っておき、YouTubeに限定公開で解説をアップしておきました。本文解説を主に見る人が多く、それを見てから問題に取りかかっていました。スマホで見ることが出来ない生徒もいるため、DVDプレイヤーを持って行き、DVDでも閲覧可能にしておきました。

 

こうすることで、分かっているものが増えたので、関係のない話をしてしまう生徒にも、彼らなりの言葉で伝えて、話に参加できるようにしてくれました。最後の振り返りテストが徐々に出来るようになってくると、志気が高まり前向きになっていったように感じます。

 

また不思議と、この学年は慣れてくると模範解答と同じ解答を書ける生徒が何人も現れ、非常に吸収力が高く伸びしろのある学年でした。座学形式の授業に向いていなかっただけで、この方法がはまったのだと思いました。

 

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