平成31年1月のセンター試験 国語① センターについてと評論文解説




平成31年1月のセンター試験 国語① センターについてと評論文解説

 

majime
マジマナ

国語がメインのオンライン塾ですので、今年のセンター試験の国語について書いておきたいと思います。

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マジマナ

センター試験国語は昨年度少し傾向が変わりました。今年もそのまま来るのかなと思いましたが、むしろ去年よりも簡単になっていました。各予備校も国語に関しては、平均点が上がるとしています。おそらくそうなるでしょう。

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マジマナ

センターリサーチがそろそろ返ってきている時期でしょう。センターリサーチとは、センターの自己採点を予備校などの調査機関に送って、全国のデータから合否判定の予測をしてもらえるサービスです。受験校の選定によく利用されます。これもマーク式のセンター試験の場合なので、今後センター試験が新共通テストに変わった場合、どうなるかわかりません。現行のシステムでの参考にしてください。

 

センター試験国語について

センター試験について触れるのは初めてなので、センター試験国語について触れておきたいと思います。

 

基本的なことですが、国語は「現代文・評論」「現代文・小説」「古典・古文」「古典・漢文」の大問4つで構成されています。50点配点で、全体で200点満点です。他の教科と違うところは、問題数が少ないので、一問のあたりの配点が高いことです。漢字や語句に関しては2点~5点の間ですが、文章内容に関わるものは8点前後ありますので、1問が命取りになります。

 

評論文の問題は、漢字が5つ出てきます。本文中で使われているのと同じ漢字を選ぶタイプです。各2点ですので、10点分です。残りの40点が内容に関する問題となります。

 

小説の問題は、語句の意味を問う問題が3問あります。多くは慣用的な表現ですので、辞書的な意味と本文の意味を照らし合わせて考えます。3点配点ですので、9点分です。内容に関しては41点分です。

 

古文の問題は、古語や慣用表現に関する問題が3問出ます。こちらは小説と違って、5点配点となっていますので、15点分あります。これに文法問題が1問出ます。5点配点です。よって知識問題は20点分あり、内容に関する問題が30点分となります。知識問題の割合が高いので注意が必要です。

 

漢文の問題では、語句に関する問題が2問です。4点配点ですので、8点分です。42点分が内容に関する問題となります。必ず出題されるわけではありませんが、読み下しと意味を問う問題があり、句形に関する問題と言えます。7点配点が多いので、15点分が知識問題となる時もあります。(平成31年度はそうでした)

 

というような構成になっています。

 

現代文は知識問題が少なく、内容把握に配点の中心が置かれています。とはいえ、漢字や語句問題はよく知られているものが多く、あまり難問がありませんので、得点したいところです。

 

一方古典では、知識問題のウェイトが大きくなります。そのため、覚えることをきちんと覚えていないと大きく失点することになりますので、知識問題は必ず得点したいところです。特に古文の単語問題は、市販されている単語帳に載っているものが出ています。これが出来ないとなると、勉強不足が明らかになってくるでしょう。

 



第一問 評論文

予備校などのサイトで評論文の講評がなされているので、もうすでにご存じのことでしょう。ここでは、視点を変えてお伝えしたいと思います。

 

今回の文章は「翻訳をする」ことに対しての姿勢について書かれていました。「楽天的」と「悲観的」に分けて書かれています。厳密な逐語訳と日本語として自然な表現として意訳が対比されて述べられているので、本文そのものは読み取りやすいでしょう。

 

問一 漢字

漢字の問題は、例年と同じくらいか、少し簡単になったかと思われます。

 

ア「丹」念  イ「漠」然  ウ「響」く  エ「頻」出  オ圧「倒」

 

と、「」を付けた部分が問題の答えでした。これは一問も落としたくないところです。

 

問二

傍線部の内容を問う問題です。「どういうことか」とあるので、傍線部の内容を説明する問題です。今回は「楽天家」という意味を読み解けば良いでしょう。翻訳家が楽天的なのは、本文から

 

「日本語でおおよそのところは読み取れる」(7行目)

 

という部分がありますので、これと同意なのを選びましょう。4番の「読者に何とか理解される」が適切でしょう。

 

問三

傍線部の理由を答える問題です。傍線部の「これ」を捉える必要があります。「これ」とは本文の前の部分より、「言い換え」(傍線の前の行)です。つまり、ここでは

 

言い換えは翻訳を回避する技術

 

となります。これがなぜかということです。詳しく言うと、「なぜ、翻訳では無く言い換えるのか」ということの理由です。

 

まず、翻訳とは何かを押さえておくと、外国語を「直接対応するような表現」にすることです。ところが、その表現が「日本語ではまだ定着していない」のです。そのような状況になると、「翻訳家はつらい」のです。(ここでの引用は、9段落より)

 

その状況で、言い換えを「世間は「こなれている」として高く評価する」(47行目)のです。ということは、翻訳として直接対応する表現を考えるよりも、世間的に通じる「言い換え」をすることで翻訳をしたことにしてしまうということです。

 

厳密な翻訳(直接対応した表現)を考えずに、言い換え(日本語として意味が通じるもの)にする

 

ということですね。これと対応しているのは2番の選択肢です。前半部分「近似的に言い換える」と、後半部分「よりふさわしい訳文を探し求めることの困難に向き合わずに済ませる」が対応しています。

 

問四

筆者の考え方を問う問題です。この問題は傍線部で処理するよりも、本文全体を通して、筆者の「翻訳」に対する姿勢を読み取る問題です。

 

筆者の翻訳に対する姿勢は、冒頭部分に出てくるように「楽天的」と「悲観的」に分かれます。そして、それぞれは「おおよそのところは読み取れる」(7行目)と「同じ体験」(10行目)に対応します。「同じ体験」とは、原文で書かれたものと同じように体験する、つまり一字一句対応するように翻訳することになります。

 

その後、「近似的な言い換え」(38行目)と「直接対応するような表現」(44行目)となります。10段落から12段落は具体例を用いた「言い換え」です。

 

13段落から傍線部にかかる内容では、実体験を元に、「近似的な言い換え」を「ぞっこん」という例を用いています。それをゼミ生が「こなれている」と評価するわけです。それを受けて、「近似的な言い換え」と「直接対応するような表現」の両方を考え出してしまい、傍線部に至るわけです。そして、この事に対して答えを導き出せていないのです。それほど難しい問題ということですね。

 

では、これまでは即答法で、一発で選択肢を選んでいましたが、今回は消去法を使いたいと思います。

 

1→1行目、「意味的にも構造的にも一対一で対応すべき学問的な原則」が書かれていませんね。それに、筆者は学問における翻訳を考えているわけではありません。翻訳家の話なので、学問は無関係なので、×です。

 

2→前半部分は翻訳するときに、どういう風に置き換えるという問いであり、どちらとも決着を付けていません。後半部分は「近似的な言い換え」と「直接対応するような表現」の問題は解決しがたいとあり、決着がついていません。今回の選択肢の所では、決着を付けないのが正解になるので、これはキープしておきましょう。

 

3→後半部分、「翻訳が言語哲学的な定義に則して性格であるかそうでないかは、あまり本質的な問題では無い」の部分がダメですね。今回の傍線部は「言語哲学の問題に行き着く」となっているので、言語哲学と関係ないという選択は絶対にあり得ません。この選択肢を選んでしまう人は、「傍線部を読み取る」という現代文の鉄則が分かっていません。

 

4→前半部分が「イイスギ」の表現です。ですが、これだけで決めるのは難しいでしょう。しかし、後半部分、「両立」「時代を超えて」の二つで確実に消せます。筆者はどちらか判断が付かないとしていますが、両立させるとは言っていません。また、「時代を超える」というのも言及されておらず、過去の翻訳が名著であるという表現から、読み手が無意識に置き換えてしまうことを狙った言葉でしょう。

 

5→前半部分、「効率的に伝えること」が×。「意味が取れるように」翻訳するのであって、効率的に翻訳するわけではありません。また、後半部分「決定していくべき」というのも間違い。あくまで、決定するためにどうしようかと考えると、根本から考えないと行けない問題で難しいといっているのであって、決定方法を考えている部分ではありません。

 

 

問五

会話内容と本文の趣旨を照らし合わせる問題です。これは近年出題されるようになったものですね。趣旨問題は以前からありましたので、出し方が変わっただけと私は捉えています。

 

これは読んでいって、おかしいものを捉えていくしかありません。これまでの解説で本文の筋は取ってありますので、そのまま行きましょう。

 

1→筆者が言う難しさと合致していますね。

 

2→後半部分「筆者がいうように、時代や文化の違いをなるべく意識させずに」がおかしいですね。はっきりしているので分かりやすい。こんなこと筆者は言っていません。「時代や文化」は関係ありません。これは問4の4の選択肢と同じように、読んでいるうちに無意識に置き換えて捉えてしまう単語を使っているのです。

 

人間の頭はずぼらなので、逐一言葉を覚えていません。頭の中で必ず捉え直しているのです。その時に、共通点をまとめて捉えた方が楽なので、勝手に共通点を見いだしてしまいます。その時に、「名著と言われる訳」(=時代)や「外国語を日本語にする」(=文化)を無意識に連想してしまうことがあります。そして、選択肢が一つならだまされませんが、連続して出てくると、「合っている」と思い込みやすく、連続して間違い選択肢を選びやすいのです。問4と5を連続で間違えてしまった場合、その可能性がかなり高いです。

 

3以降はすべて正解です。

 

問六

表現と構成に関する問題です。この形式は小説問題では出されていましたが、評論文で出されるようになったのが、最近のセンター試験の傾向でしょう。過去問対策でも材料が少なく、苦戦する受験生も多いのではないでしょうか。しかし、今年の問題は簡単なので、良い練習になるでしょう。

 

(ⅰ)

1→「こう」は本文を見ると、次の一文の内容を指していることがわかります。適切です。

 

2→この選択肢は、もうこの表記から判断可能です。「いや」を挟んで前と後で、打ち消していますので、適切です。

 

3→12段落で、筆者の子ども時代の話をしています。「ガイジン」とある部分は、心情を表す部分ですね。子どもの頃の筆者がそのように「思った」部分です。ところが、同じ段落56行目には「外国人」とあるのです。これは地の文で書かれているので、これは大人の筆者が過去を思って説明している部分ですね。大人は「外国人」、子どもは「ガイジン」ということを考えれば、子ども時代の感覚は正解になります。よって、適切です。

 

4→この部分は、「聞かされたら、あの・・・だろうか」とあるので、仮定の話です。英語で言えば”if”ですよ。この聞き方に「懐かしむ感情」というのは適さないですよね。さらに、「過去の自分が考えたことを」と書いていますが、もしもの話をしているので、考えていないわけです。よって、おかしいですね。

 

この問題、4が二重でおかしいので、非常に簡単です。

 

(ⅱ)

構成に関する問題です。正しいものを選びます。意味段落を四つに割ってくれているので、要約を作っておけば怖くないですね。

 

1 →後半部分「支持する立場を一方に確定させている」が間違い。この文章では筆者はどっちにするか難しいってずっと言っているので、確定しちゃダメですね。

 

2→これが正解。これまでの問題でも「近似値的な言い換え」が登場しました。この文章におけるキーワードです。

 

3→後半部分「現在の職業に就くことになったきっかけ」が間違い。子ども時代には(ⅰ)の4とリンクしています。子ども時代に「聞いていたとしたら」と仮定しているので、翻訳家になるなんて思っていないことが分かります。

 

4→後半部分「結論を読者の判断に委ねている」が間違い。結局最後まで判断できないという結論を出しています。状況を整理しているだけです。読者に委ねようとする表現が見られません。よって間違い。

 

しかし、この選択肢はもっと大きな問題を含んでいます。読者がどういう風に考えるかを託す手法はありますが、「結論」を読者に投げかける評論文は基本的にダメでしょう。何かしらの結論を出してから、投げかけるものです。例えば、「プラスティックゴミは海を怪我している!さて、それでもあなたはプラスティックを使いますか?」みたいな形で投げかけます。結論を受けて、その上でどうしますか?という投げ方です。

 



さいごに

今回はセンター国語についてと、評論文の問題の解説を書きました。評論文は非常に解きやすく判断しやすいものでした。今回のセンター試験はこれから受験生になる世代でも受けてみるといいでしょう。

 

ジャンル的に読み慣れていない可能性があるかもしれませんが、教科書の本文よりも読みやすいと思われます。実力チェックに使えます。また、内容に関わる問題が、本文に戻って判断することができるので、解説にも使いやすいので、授業で使用するのにも向いていると思われます。

 

残りの問題については追々書いて行きたいと思います。予想以上に解説を書くのに時間が掛かったので、時間と相談しながら更新していきます。

 

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