自己推薦書の駄目なミス 10選
自己推薦書の駄目なミス 10選
自己推薦書の添削を通して見えてきた「やってはいけないミス」を10個紹介したいと思います。
※この記事は2022/12/19にリライトしました。
目次
1 取り組み始めるのが遅い
総合型選抜や公募推薦入試を受けようと思ったタイミングが高校3年生になってから・・・というと非常に遅い可能性があります。
まず出願条件があります。学校の学習だけでなく、主体的に取り組んできた成果を求められます。高校3年生の時点で特に何もないという状態では、出願条件を満たすことが出来ません。
出願条件が特になかったとしても、自己推薦書でこれまでの取り組みをアピールする必要があります。模試などで偏差値が振るわないので、少しでもチャンスを増やそうと、このタイプの入試を受けるのはあまり得策とは言えません。
準備に時間が掛かるものですので、特にアピールできることがない場合は、勉強に勤しんだ方がよいでしょう。
2 1つのエピソードを書きすぎてしまう
アピールポイントを考えたとき、「これだ!」と思ってしまうと、そればかり書いてしまいがちです。それが本当にアピールになっているのであれば良いかもしれませんが、そうでない場合、何もアピールになっていない文章をたくさん書いてしまうことになってしまいます。
文化祭、体育祭、部活動、オープンスクール・・・
これらを長々と書いていたとしたら、それはもはや自己満足書。自己推薦になっていないことに気づきましょう。
3 文化祭、体育祭の話をしてしまう
勉強以外でアピールになる学校の活動といえば、部活動の話の次に人気なのが「文化祭」と「体育祭」です。
「これらの活動で活躍した」と書いてしまう人が多いです。部活動の項目と同じく「クラスをまとめた」というような「まとめ役」であったことを書く人が大半です。
「クラスで意見が対立して、両方の意見を聞いて、委員長に進言してまとめました。」
というような書き方です。どっちつかずという風に見えてしまうことがあります。自分自身の意見を言えていないという場合です。「どっちでもよかったので、皆に決めてもらいました」という風に読めてしまうように書いてしまうとアピールどころかマイナスになってしまいます。
4 部活動の日常の話をしてしまう
高校生活で頑張ったことを書こうと思ったとき、部活動をやっていた人は大体書いています。この内容が「全国大会優勝・出場」「大賞受賞」などの輝かしいものであれば、書くに値するでしょう。そこにたどり着くまでの努力がわかるからです。
一方、そこまで輝かしい事柄ない場合、日常の話をしてしまいガチです。
「3年生になってまとめる立場に立って、下級生と同級生の間に立って部活動をまとめました。」
なぜかこの記述を何人も見かけました。部活動のことを書こうと思ったけれど、「一般部員だった自分が書けることは、後輩との橋渡し役だ!」となるのかもしれません。これは本当にアピールになりません。
内容によっては非常に優柔不断な人物であるように見えることもあります。書いてしまっていた人はすぐに消して下さい。
5 大学のオープンキャンパスに行ったことをアピールする
「オープンキャンパスに行って、大学の雰囲気がよく、ここで勉強したいと強く思いました。」
「オープンキャンパスで、学校が緑豊かな環境にあることを知り、ここで勉強したいと強く思いました。」
「オープンキャンパスで、学生の雰囲気や先生の雰囲気が良く、ここで勉強したいと思いました。」
オープンキャンパスに行ったことを書いている人がよく書く内容です。どれも本当に思ったことなのかもしれませんが、どれもアピールになりません。大学の雰囲気、環境、学生や教授たち、どれも学生の視点からは重要かもしれませんが、学問機関としての大学からすると重要なポイントはそこではないとなってしまいます。
オープンキャンパスは行って当たり前。
この視点を持ちましょう。わざわざ足を運んでやったのに・・・という気持ちがあれば、それが文章に出てしまうので、注意した方がよいでしょう。
なお、「自宅から通いやすいから」「交通の便がよいから」というような理由を書いていたとしたら、非常にまずいです。気をつけましょう。
6 自分の知っていることは全員が知っていると思ってしまう
意外と抜けている視点が「自分の知っていることは全員が知っていると思ってしまう」ということです。他者が読むと、何の話をしているのかが分からない場合があります。
特に学校独特の言い回しの言葉に関してです。
「体育祭実行委員会委員長」
「食品安全衛生委員会」
「団長」
1つ目は「体育祭」に関係することはわかりますが、その委員長というのは、どれくらいのポジションなのでしょうか?「食品安全衛生委員会」「団長」に関しては、何の話かすら分かりません。
これらの言葉の説明を書けば良いと思うかもしれませんが、恐らく書いたところであまりアピールにはなりません。アピールにならないことを長々と書いてしまう原因はこのような学校独自の言い回しを他の人にも通用すると思ってしまうところからやってきてしまいます。
7 自己完結の話だけで終わってしまう
大学での学びは高校の学びとは大きく異なります。個人で調べたり学んだりすることもありますが、大学に集まった人々の交流を通して学びを高めていく側面があります。
つまり、高校での活動で成果があったことだけでなく、他者との関わりを通して学んだ内容が欲しいのです。
ところが、自己完結で終わってしまう内容が多々見受けられます。
特に、何かしらの検定や資格を取ったことを書く人が陥りやすいミスです。本来は学校の勉強のアピールはできませんが、英検1級など高校レベルを遙かに超えたものであればアピールになります。
ただこのような資格だと、一人で勉強して努力を続けたという内容になってしまいます。それはそれでいいことなのですが、この資格のアピール以外に人との関わりの中で学んだアピールを書く必要があります。
これ一つで終わってしまわないようにしましょう。
8 アピールの方向が合っていない
自己推薦書に書く内容は大学の求める学生像に合うようにしなければなりません。
主体的に学ぶ学生
このような学生が欲しい大学を受験するにも関わらず、言われたことをしっかりやってきたというような内容を書いてしまってはアピールになりません。
大学の求める学生像をしっかりと認識して書くようにしましょう。
参考
9 大学が大切にしている核を見抜けない
自己推薦書のアピールするポイントは、大学が大切にしているポイントを射貫いていると評価が高くなります。
表向きに書かれていることを使っても良いですが、HPや募集要項を取り寄せ、核となる部分を探しましょう。それだけでは見つからない場合は、競合する他の大学を調べてみると良いでしょう。
この点も大学の求める理想像をしっかりと押さえる必要があります。以下の記事を参考にしてみてください。
https://school-s.com/self-reco3-risou/
10 「他の大学でもできますよ」と言われてしまう文章
自己推薦書を添削していると、「どこの大学にだしてもいけるだろうな」と思うものがあります。これは褒め言葉ではありません。
自己推薦書はその大学でしか通用しないものでなければなりません。他の大学でも通用するということは、大学側から「うちでなくてもよそで学ぶことができますよ」と言われてしまいます。たくさんの受験生がいる大学であれば、そのような受験生を取るメリットはありません。
この点を押さえていない人は、就活の時も履歴書や自己PRを使い回せる内容にしてしまいます。「うちはその他大勢の一つか」と思われてしまわないようにしましょう。
なぜその大学でないといけないのかという視点を取り入れましょう。
以下のページも参考にしてみて下さい。
参考
なぜその大学でないといけないのか
番外編
そもそも本当に行きたい大学ではなかった
総合型選抜や公募推薦で受ける大学が「行きたい大学ではない」現象です。勉強が追いつかなかったり、受験のプレッシャーに負けたり、押さえを作っておきたかったり、理由は様々あると思いますが、そもそも行きたくない大学でなければ、受けない方が良いでしょう。万が一、第一志望に落ちて通うことになった時に耐えられますか?
それ以外にも、イメージだけで行きたいと思っていたけれど、色々と調べる内に行きたい大学とは違うかもしれないと思うようになることがあります。調べる内に、他の大学の方が魅力的に思えるようになるかもしれません。
この「かもしれない」現象は必ずクリアしておいてください。とにかく情報をきちんと集めて、「本当に行きたい大学」であることを確かめましょう。
様々なテクニックはありますが、この視点が抜けていると後で大変なことになります。