自己推薦書の書き方 4 なぜその大学でないといけないのか

自己推薦書の書き方 4 なぜその大学でないといけないのか

 

majime
マジマナ

自己推薦書を書く時に、必ず入れてほしいのが「なぜその大学でないといけないのか」という視点です。

 

 

「なぜその大学でないといけないのか」は次のポイントを押さえます。

 

1 自分が志望校にとって有益な存在であることをアピールする。

2 大学側の質問を先に想定しておく。

3 理由になるもの、理由にならないもの。

 

※この記事は2022年12月30日にリライトしました。

 

有益な存在であること

自己推薦の入試を受けることの基本を思い出してみましょう。受験する側からすると、受験回数が増えてラッキーという感じかもしれませんが、それでは自己推薦書の内容が薄いものとなってしまいます。

 

総合型選抜(旧AO)や公募推薦は比較的新しい受験の仕方です。これらの受験の仕方が出る前までは、「教科の学力」がメインでした。大学によって必要な教科は異なりますが、5教科の力が必要とされていたのです。

 

しかし、大学の学びは高校までの学びとは異なります。専門的な講義を聴いて学んだり、自分で本を読んで学んだりして、学校の設備を使って研究をすることになります。これらの活動は「自発的な活動」であることが求められるので、高校までの受動的な学習とは大きく異なります。

 

このような視点から考えたとき、5教科の学力ではなく、「自発的な活動」に取り組んでいる学生の方が、大学にとって有益な存在になるのではないかと思われるようになったのです。

 

そのため、高校までに「自発的な活動」に取り組んでいた生徒を早い段階から確保しようとして、総合選抜や公募推薦が行われるのです。

 

つまり、「自発的な活動」に取り組んでおり、自分の興味関心がある分野を深く勉強したいという気持ちがあり、かつ、志望校が自分にとって最も適切な場所であり、かつ、大学にとっても有益な存在であるということが合格する人ということになります。

 

大学にとって有益な人とは、その研究を通して、学問的に貢献したり、社会的に活躍したりすることができるであろう人ということです。

 

大学にとって有益な人物であること、志望校が自分にとって最も適切な場所であることの2点を揃えられるようにしましょう。

 



大学側の質問を想定しよう

今度は大学側の気持ちを考えてみましょう。

 

なるべく優秀な人を合格させたい気持ちが働きます。そして、大学にとって有益な人物が良いと考えます。

 

この観点を持ちながら、提出書類で判断することになります。学校の成績、出席状況、提出書類・・・ほとんど同じような状況の受験生であれば、後はどれだけの思いを持っているかが勝負です。

 

「どこでもいいから早く受験を終わらせたいから受験しました」

 

このような受験生に合格を出したくないわけです。

 

そうなったとき、聞きたくなるフレーズが

 

なぜ、うちの大学を選んだのですか?

 

です。この質問したくなりますよね。そこで、あなたの書類に「○○を学びたいからです」「△△な人になって社会に役立てたいからです」と書いてあったとします。その内容が他の大学でも言えるような内容であれば、次の質問が待っています。

 

他の大学でもできるけど、どうしてうちなのですか?

 

これが大学側の本当の質問です。これを聞かれたとき、あなたの自己推薦書には不備があったことになります。「使い回し可能な自己推薦書」ということです。

 

ということで、この質問を実際にされないためにも、自己推薦書の中に組み込んでおきましょう。これがきちんと説明できていれば、万全な自己推薦書といえるでしょう。

 



 

理由になるものとならないもの

さて、実際にその大学でなければならない理由になるものとならないものを考えていきましょう。まずは添削でよく見かける理由を見てみましょう。

 

・オープンキャンパスで気に入ったから。

・自宅から近いから。

・環境(自然の中や都心に近いなど)が良いから。

・留学の制度があるから。

・学費が安いから。

 

このような理由をよく見かけます。これらはすべてNGです!

 

オープンキャンパス→志望する大学であれば基本的に見に行ってください。特に推薦で入ろうとするくらいですから、学習環境はきちんと確かめておきましょう。つまり、当たり前のことすぎてアピールになりません。

 

自宅から近い→一般入試なら理由を聞かれないので良いかもしれませんが、推薦を受けるのであれば、立地をアピールしてはいけません。

 

環境→これも立地です。それに同じような環境の大学は結構あります。自分の近所だけでなく日本中を見て、同じ環境にないのであればアピールできるかもしれません。

 

留学→留学の制度がある大学は非常に多いです。また、必ず大学を通じて留学するものではなく、自力でもできるので、アピールにはなりません。

 

学費が安い→お金の問題はいろいろな制度でクリアすることができます。金銭的な問題も大きいですが、特待生をとる、給付型の奨学金を獲得するなど、努力の仕方があります。

 

ということで、これらを書いてしまっていたら、すぐに消してください。

 

逆に理由となるものは、

 

大学が強みとしている点

その大学にしかない何か

 

この2点です。

 

大学がアピールしているポイントがあると思います。その部分に焦点を合わせて、自分がいかにその点に適合しているかを書きます。大学の求める学生像を調べることでわかることも多いです。

 

※参考

自己推薦書の書き方 3 大学が求める理想像を調べよう

 

強みがよくわからなかったり、書いてあったとしてもそれが使えそうになかったりする場合は、自分で見つける必要があります。

 

他の競合する大学について調べてみましょう。希望する学部があれば、同じ学部がある、レベルの近い大学や近隣の大学と比べてみてください。地域によっては学力による呼ばれ方があると思います。関西圏で言えば「関関同立」や「産近甲龍」などがあります。同じくくりの大学は比較してみるといいでしょう。

 

比較を繰り返していると、少しずつ違いが見えてきます。そして、その違いの中から自分に適していると思われるものを使いましょう。(ただし、書く時は具体的な名前を出さないように気をつけてください。

 

もし、比較しても書く内容が見当たらない場合は、その大学はあなたに向いていないかもしれません。他の大学を検討してもよいと思います。

 

ここまでやれば、「大学の強み」だけでなく、「その大学にしかない何か」が見えてくるでしょう。



まとめ

今回の話を振り返ってみましょう。

 

1 自分が志望校にとって有益な存在であることをアピールする。

2 大学側の質問を先に想定しておく。

3 理由になるもの、理由にならないもの。

 

この三点を見てきました。今回の内容がしっかりしていると、大学へのアピール度が高くなります。特に、大学側が受験生を選ぶ側、つまり受験生の多い大学になればなるほど、他の人の中に埋もれてしまいます。

 

合格するために、しっかりと向き合ってみてください。

 

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