小論文 例① 「国語科における『主体的な学び』とはどのようなものか」
小論文 例① 「国語科における『主体的な学び』とはどのようなものか」
小論文の作例を用意しました。
小論文はこれだけが正解というものはありません。また、完璧である必要もありません。自分の考えを構築し、適切に表現できるようにするものです。
第一歩として、作例を確認してみましょう。
目次
テーマ
2019年の埼玉大の出題テーマで作例を作ってみたいと思います。
テーマは
国語科における「主体的な学び」とはどのようなものか
です。
作例
PDFファイルとなっています
作成上の注意
今回の文章を書く上での注意点を確認していきましょう。
設問分析
まず「主体的な学び」について理解しておく必要があります。
様々な定義があると思いますが、基本的には「生徒が主体的に学ぶ」ということになります。旧来の授業のように、教師が一方的に話し、生徒がそれを聞くというものではなく、教師の投げかけや働きかけが行われ、生徒が生徒自身で考えていくようにするものです。生徒自身が課題や疑問を発見し、それらを解決するためにどうすればよいのか考え、工夫して学習していきます。
指示されて勉強するのではなく、自分から動いて学習することを押さえておきます。
つぎに、「国語科における」という部分について考えます。ここでは「○○科」とついていますので、国語以外の教科でも主体的な学びについて考える必要があるということです。どの教科でも必要であることを理解していることを明示した上で、「国語科」として特徴的なものを挙げることにします。
取り上げるネタを考える
取り上げる具体例を考えていきます。800字なので、2つ考えたいと思います。
1つ目は、どの教科にも関わることで、国語科の特色を活かした内容を考えます。今回は「読むこと、書くこと」にします。この二つの能力はどの教科でも必要な能力です。そこに視点を当てながら、国語科の内容へと落としていきます。今回は具体例を「読書活動」としました。
2つ目は、国語科の内容に特化します。今回は「文章表現」を取り上げます。教科書の本文は読解に焦点が当てられ、内容理解が中心となります。そこまでで活動を終えずに、その表現以外に表現の仕方がないかを考えていきます。
この点に関しては、国語科の特色を出すために、もう少し具体的に考えます。表現を考える手法として「言い換え」を行うこととします。別の言葉で表現するという方法を使い、生徒が主体的に考えていくことに繋げていきます。
段落構成を考える
基本的な段落構成は次の通りです。
始めの段落(主張を簡潔に)
具体例①
具体例②
まとめ
基本はこの4段落構成です。シンプルな構成です。今回は具体例を2つの段落で構成しようと思います。前半で現状と課題を書き、後半で主体的な学びを行うための方法を書くという流れです。
具体的に書きすぎない
受験する段階では、具体的に書く内容に悩むかもしれません。それ故、想像した内容を具体例として書きすぎることがあります。そうして、想像した内容であるため、詳しく説明をしようとして、文章が長くなりすぎる傾向が出てしまいます。
できる限り状況や行動は簡潔に書くようにしておきます。
今回の文章の評価
今回の文章は構成を意識して書いてあるので、構成点はもらえるでしょう。ただし、流れは単調であるため、プラスアルファの点数は望めません。
また、内容点に関しても、一般的に考えられる内容となっています。事前知識を持っていることは示すことができます。そのため、こちらも一定レベルは達していますが、プラスアルファの点数は望めません。
つまり、合格ラインは突破することを意識した文章です。内容を考えるために、一般的に言われていることよりも優れたことを書くことができれば、点数は高くなるかもしれません。しかし、その内容が的を外していた場合、大きく減点されることになります。
あっと言わせる文章を書くことができれば、それに越したことはありませんが、入試で賭に出るのはよくありません。そのため、このように一般的に考えられる範囲内で収めておくことを第一にしました。
もちろん、入試小論文ではなく、世間に売り出す文章を書く場合は、あっと言わせる内容を考えてくださいね。