漢文と漢字について ―漢字との付き合い方―




漢文と漢字について ―漢字との付き合い方―

 

林太郎
林太郎

先生、漢文って漢字がいっぱい出てくるじゃないですか?やっぱり難しい漢字をしっかりと覚えなきゃいけないですか?

majime
マジマナ

難しい漢字も中にはありますが、句形で出てくる漢字やよく意味を問われる漢字に含まれるものを覚えればいいですよ。

林太郎
林太郎

えっ、でも、絶対に読めないよ、これ!みたいなの結構ありますよ。

majime
マジマナ

あまり出てこない難しい漢字には読みや意味などの注が付きます。もし、そうでない漢字に難しさを覚えているとしたら、それは知識不足かもしれませんね。

林太郎
林太郎

うっ・・・・・・確かにそうかもしれません。

majime
マジマナ

それよりも、注意すべきは「小学校で習うような漢字」が挙げられます。

ひかり
ひかり

小学校で習う漢字さえわからないとかヤバイですよね。

majime
マジマナ

さて、それはどうかな?例えば「道ふ」とあった場合なんて読む?

ひかり
ひかり

みち・・・・・・どう・・・・・・当てはまりません!

林太郎
林太郎

何かの間違いじゃないですか?

majime
マジマナ

これは実際に問題で出てきたものなんだよ。正解は「となふ」です。文学のジャンルに「唱導文学」とあります。今は「唱導」が一般的ですが、「唱道」とも書くのです。同じ意味の漢字を並べた熟語なので、「となふ」が正解です。

ひかり
ひかり

知らなかった・・・・・・身近な漢字に落とし穴があるんですね。

majime
マジマナ

今回は、漢文における漢字との付き合い方についてお話ししましょうか。

 

難しい漢字よりも身近な漢字

漢文の学習において、漢字の習得は基本となります。しかし、漢文の単語帳ってあまり見かけませんよね。一応あるにはあるのですが、学校で買わされることもあまりありません。私は高校生の頃から持っていて愛読していますが、それも古本屋で見つけたものだったので、市場にあまり出回っていないかもしれません。

 

ですが、漢文が全く読めないということはなく、途中から読めなくなるという人が多いのではないでしょうか?漢字に親しんでいるとある程度の漢文は読めてしまうのです。そのため、単語帳の必要性も低いのです。

 

では、どうやって漢字を習得していけばいいのかというと、まずは「句形」で使用される漢字です。これが最もよく聞かれるので、覚えておくといいでしょう。こちらは句形で勉強してください。

 

次に、身近な漢字です。身近な漢字は読めて当然と思っているかもしれませんが、結構読み方を知らないまま過ごしているものも多いです。

 

例えば、「便」という字です。「便利」や「便所」などに使われますよね。訓読みだと「たより」を知っている人もいるかもしれません。「手紙」や「知らせ」という意味ですよね。では、「便ち」と書かれていたら、何と読むでしょうか?これで「すなはち」と読みます。「すぐに」や「そこで」という意味です。この「すなはち」シリーズは他にも漢字がたくさん当てはめられます。句形の中に取り上げられることもあるので、確認してみてください。

 

他にも「方」という字。「方向」や「かた」と読むのは有名だと思います。では「方に」で何と読むでしょうか?これで「まさに」と読みます。簡単な字ですが読み方を知らないとわからないのです。(漢文を習っていれば、自然と読めてほしい漢字です)

 

さて、このように簡単な字ほど、普段の読み方ではしない読み方が出てきたときに問題になりやすいです。熟語をいくつか挙げて、同じ用法のものを選びなさいという形で出題しやすいのです。

 

ということで、難しい漢字に注意がいきがちですが、本当は身近な漢字にこそ注意を払って欲しいのです。

 

林太郎
林太郎

漢文を習っていなかったらお目にかからない読み方ですね。身近な漢字を見直そうと思うけど、どうやったらいいんだろう?

 



漢和辞典の有効性

私は高校の現場にも出ていたことがあるのですが、昔と違って、今は辞書を強制的に買わせることを良しとしない風潮があります。今の子は辞書を引かないからという理由なのですが、それだけ辞書を引く習慣を身につけさせてあげられない学習環境になっていることが残念です。

 

かく言う私は、辞書を手にしたのは高校生になってからでした。高校で指定された教材に古語辞典と漢和辞典がありました。国語辞典は家にあるやつを使っていいということでしたが、家に辞書がない(本棚すらない)家庭だったので、初めて自分の国語辞典を買いました。十数年前は電子辞書はありましたが、今ほど機能が充実しておらず、紙辞書が主流でした。

 

その頃から辞書を引くようになりましたが、それ以来何回引いたかわからないくらい辞書を引いています。辞書がボロボロになるくらいまで引いた経験もあります。勉強した証だったわけです。

 

今は紙辞書も電子辞書もインターネットの辞書も活用します。そのときに適したもので引くようにしているからです。

 

さて、その中でも漢和辞典です。ネットにも優秀な漢和辞典があるので、それでもいいと思います。もし電子辞書を持っていれば、その中に漢和辞典が入っていて、最近のものでは、手書き検索ができるので、以前よりも調べやすくなっています。

 

漢和辞典を引いてもらえば、「音読み」と「訓読み」が必ず載っています。載っていない場合は、どちらかがないのでしょう。恐らく、音読みはみなさんの知っている読みに近いと思います。訓読みは意味を持たせた読み方で、基本的なものは聞いたことがあると思います

ところが、簡単な漢字のはずなのに、知らない読み方を持っていたら、よく注意しておかなければなりません。

 

最近では音読みと訓読みの区別がついていない人が多くいます。もちろん、たまにややこしいのがありますが、基本的には小学生の頃から区別して覚えることです。それが難しい場合は、「意味を持たせた読み方」を訓読みと捉えておくと良いでしょう。(正確とは言えませんが、応急処置的に対応できます)

 

漢和辞典を引いて確認する癖がつけば自然と区別がついてきますので、実際に引く癖をつけていきましょう。

 

ひかり
ひかり

辞書を引くことに慣れることで得られる能力もあるのですね。音読みと訓読みの区別がつかないのはしょうがないと終わらせるのではなく、区別がつくようにしていかないといけないんですね。

 



さいごに

さて、今回は漢字との付き合い方についてお話ししました。漢文を勉強するときには難しい漢字に注意がいきがちですが、身近な漢字にこそ注意が必要なのです。それと漢和辞典です。最初は引きなれないかもしれませんが、慣れの問題です。次第に引けるようになってきます。

 

日本語は非常に複雑な文字を使って表現します。漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット、数字。本当に高度なことをして表現をする民族なのです。ですから、最初は難しく感じるかもしれません。ところが、先祖代々こなしてきただけあって、私たちは訓練次第で使いこなしていくことができるのです。

 

難しいからやめたのではなく、立ち向かっていくようにしてくださいね。適切な努力をした先にはちゃんとした結果が待っていますからね。

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