漢字が苦手な人の漢字攻略法
漢字が苦手な人の漢字攻略法
漢字の学習方法は人それぞれですよね。覚えやすい方法は人によって違います。
今回は漢字が壊滅的に出来なかった生徒ができるようになった方法を一つご紹介します。
4級ギリギリ合格レベル・・・
今回対象となった生徒の状況を説明します。
小中学校の時に不登校を経験し、小学校3,4年レベルの学習で止まってしまっていました。
漢字に関しては一番自信のある分野でしたが、それでも漢検4級をギリギリ合格したことがあるという状態でした。その合格から数年が経っていましたので、改めて過去問をやったところ4級の合格ラインに到達していませんでした。
つまり、中1,2年の範囲の漢字すら怪しいという状況でした。
方法1 使用テキスト
学校教材のテキストを使用しました。漢字検定の級別に対応した漢字の問題集です。
テキスト上部に、対象漢字が載っていて、読みや熟語などの情報があります。中央に上の熟語のうち一つが選択され、問題となっています。3回書く練習枠があります。下段には漢検で出題されるジャンルの問題がランダムに配置されています。
今回使用したのは、上段の情報と中央の3回書く部分です。それぞれの級配当に対応した漢字を覚えていきます。
なお、学校で購入した副読本に漢字の問題集があればそれでかまいません。漢字の量は次の項目で示す量に調整してください。大学受験用になっていて、レベルがバラバラの場合は、漢字検定の教材などを用意した方がやりやすいと思います。
方法2 範囲
まずは5級からスタートしました。最初は見開き3枚分、23個×3ページ、69個の漢字を対象とし、そこから15問出題する漢字テストを行いました。しかし、これでは正答率が低かったので、見開き1ページ分に対象を絞りました。
苦手な人は広範囲からの出題になると処理が追いつかなくなってしまいますので、まずは20個程度の漢字に絞ってそこからテストする状況を作ると良いでしょう。
この範囲設定で5級~2級まで、「覚える→テスト」を繰り返していきました。全範囲2周繰り返しました。
方法3 テスト
テストの仕方は、20個から15問出す形式で行いました。読み7問、書き8問です。漢字だけでなく、意味を選択する問題を入れることで、語彙力アップも狙いました。
というのも、漢字検定の級が上がってくると、短文から言葉の意味を想定して、漢字を書かないといけません。同じ音だけど違う漢字(同訓異字・同音異義語)があるので、その対策が必要です。大学入試の場合も、本文に合う漢字を選んで書かないといけませんので、同じ力が必要です。
そのため、漢字が書けるという状況だけでなく、漢字の意味もわかる状況にもっていくようにしましょう。
テストの頻度は2つ分を毎日行いました。20個覚えてテストを2セット繰り返す状態です。4ヶ月ほどで、5級~2級の配当漢字を2周できます。
方法4 ブラシュアップ
ここまでくると、完璧ではないですが、ある程度の漢字が頭の中に入ったことになります。もちろん、復習は適宜続けてください。テストをしなくとも、配当漢字や熟語を見直すだけで、頭が記憶を呼び起こしてくれるようになります。
問題はその先です。漢字は何度も繰り返して覚えることも大切ですが、他の場面で出会うことも大事です。問題集で見かけた、本で見かけたという出会いが大切です。
そのため、ここで2つのルートをたどってください。1つは別の漢字の問題集を用意することです。漢検の級別で対応していた人は、入試用のランダムに出てくる問題集がよいでしょう。逆だった人は手順を逆にしてください。違う問題集で、違う文脈で漢字問題に触れることで記憶を呼び覚ます練習になります。
もう1つは、読解問題を繰り返してください。読解問題で漢字問題が設定されているものがよいでしょう。学校の副読本でも良いですし、市販の問題集でかまいません。そこで漢字問題に触れることで、記憶していた漢字がより鮮明に記憶されるようになります。
まとめ
さて、今回の生徒がどうなった気になりますよね。
まだ入試を迎えていませんが、お盆前の段階で高校生レベルの読解問題や文章題の漢字はすらすらと読めるようになっています。また、意味もとれるようになったので、読むスピードが格段に速くなりました。
問題として問われている漢字も全滅していた状態から8~9割安定して正解するようになっています。
毎日繰り返すことが大事だと言われていますが、本当にそれを体現してくれました。この毎日繰り返すことは大変かもしれませんが、知識問題としての漢字が得点源になること、そして、本文を読むスピードが速まることが期待されますので、ぜひ挑戦してみてください。
まとめ
①教材は「漢検級別」→「受験用」で進める(逆も可)
②1回あたり20問程度に絞り、15問テストする。その際意味も一緒にテストする。
③他の教材で出会う経験を必ず取り入れる。