小論文 例 強調されるチームワーク
小論文 例2 強調されるチームワーク
添削例で扱ったテーマ「強調されるチームワーク」の作例を用意しました。
このテーマで書く手順についても説明しますので、参考にしてみてください。
今回のテーマ
今回のテーマは
集団で何かを達成していく際に必要であることが強調されるチームワーク
です。
切り口を考える
テーマ型小論文の場合、切り口を自分で考えないといけません。テーマを何となく捉えて、何となく書いてしまうと、ものすごく曖昧な小論文となってしまいます。
今回のテーマの中心は「強調されるチームワーク」という部分です。チームワークが特に必要な場面を考えないといけません。そして、条件設定として、「集団で何かを達成していく際に必要である」とあります。集団で行動するものでも、チームワークが特に必要とされないものは対象とならないということです。
また「何かを達成する」ということも満たさないといけません。組織が上手く回るというような、経常的に行われるものではなく、ある一定期間で何かを成し遂げるものを考えるとよいと考えましょう。
今回は「文化祭の舞台」と「体育祭のクラス対抗リレー」を具体例として用います。
立場を明確にする
テーマ型の小論文では立場を明確にしないといけません。多くは「賛成か反対か」というところです。一般的には「集団で何かを達成するためにはチームワークが必要」という発想はイエスの立場です。常識的に考えられるともいえるでしょう。
通常は「イエス」の立場で、具体例を出して小論文を書くというのがセオリーでしょう。今回の例でも「イエス」の立場で書くこととします。
ただ、このテーマに関して「ノー」の立場で書きたい人もいることでしょう。しかし、今回のテーマでは「必要性を考える」のかどうかではなく、「必要である」ことが前提となっています。そのため、テーマ型小論文ですが、立場はイエスでしか書くことができません。
具体例について考える
具体例は「文化祭の舞台」と「体育祭のクラス対抗リレー」を使います。
文化祭の舞台で達成することは、「上演して感動を与えること」でしょう。そのゴールに向かって、準備をすることになります。当日の上演のためには、演者はもちろん、その他の役割も大切です。観客から見えていないとしても、大道具や小道具、音響や照明といったいくつもの役割がそれぞれの任務を達成しなければなりません。また、個々がバラバラに動いてもいけません。息を合わせる必要があります。ここにチームワークが必要であると考えます。
次に「体育祭のクラス対抗リレー」です。ここで注意するのは「体育祭のリレー」ではないということです。ただのリレー競技の場合、クラスの代表者が選出されて競うことも考えられます。彼らのチームワークも大切ですが、個々の能力の高さが重要となってしまいます。
しかし、「クラス対抗」とした場合、クラス全員が出場するという設定が出来ます。クラス全員となると立派な集団となります。クラス全員となると、走るのが遅い人も出てきます。そのような人もチームワークを発揮することで、全体の成果につなげていくと持っていきます。
構成を考える
構成はシンプルに考えます。
始め(主張を簡潔に)
具体例①(文化祭)
具体例②(体育祭)
まとめ
今回は段落構成がわかりやすいように、具体例を1段落で書くことにしました。段落構成を例で見てわかりやすいようにしました。
作例
では、実際の作例を見てください。
PDFファイルです
評価
大学受験で小論文が必要となるのは、高校生がほとんどです。引き出せる具体例に制限があります。基本的は学校での生活を振り返って引き出すか、課外活動の内容から引き出すくらいしか出来ません。
そのため、今回の具体例でも学校生活の行事としてありきたりなイベントから持ってきました。そのため、あまりインパクトはありません。やはり海外留学の経験を持ち出すことなど、インパクトが大きいものには敵いません。
インパクトの強いものがない場合は、その出来事から内容に合致するように切り口を考えて適切に引き出すしかありません。日常を多面的に捉えていることがわかるように書くしかないでしょう。
また、構成に関してきちんと形を守るということです。小論文の練習をせずに書いた文章はすぐに分かります。考えがぐちゃぐちゃしていて分かりにくくなります。オーソドックスな形にはなりますが、きちんと手順を踏んで練習しておいたほうがよいでしょう。
高校生が書くことを前提条件に作例しています。社会人経験者が小論の試験を受ける場合は、社会経験を具体例に使えると思いますので、具体例を工夫してみてください。