古文といえば助動詞!? 一体何をしたらいい??
古文といえば助動詞!? 一体何をしたらいい?
先生―。文法の授業がつまらないです。何言っているのか分かりません。
つまらないから分からないのか、分からないからつまらないのかどっち?
えっ・・・・・・いや、その、あの、えーと・・・・・・
これが答えられないってことは、ただのいちゃもんに近いよね。
うーん、多分分からないからつまらないのかも。
だとしたら、分かったら面白くなるの?文法の教科書や簡単に説明してくれている問題集を使っても理解出来るはずだよ?
たったしかにそうかもしれないですけど。でも、授業がつまらないのは変わらないと思います。
うん。そうだろうね。最初の内容だと「文法がつまらない」「文法が分からない」って意味だったよね。でも、今は変わったね。「授業がつまらない」。それは、先生の責任でもあり、授業を受ける側の準備不足が原因なんだ。
文法の授業ってつまらなく感じますが、文法そのものは分かってくるとパズルみたいです。
いい線いっているね。文法は「文のルール」だから、当てはめていけば自然と決まっていくものだから、パズルみたいなものなんだ。文法事項で覚えなきゃいけないことは、パズルで言うと一つ一つのピースみたいなものなんだ。
パズルのピースですか。最近習った助動詞って数が多くて、とても嫌になります。全部覚えている人なんているんですか?
几帳面に全て覚えている人もいるだろうね。だけど、全部を覚える必要はないよ。暗記量はスリム化して覚えるって言う方法が使えるからね。
なんですかっ!?そのスリム化って。
何を覚えれば良いのかを知ってから取り組むと分かりやすいかも。今回は助動詞の覚えるべきポイントを中心に説明してみよう。
古文の助動詞は見分け方のマスターが重要!
古文の助動詞って覚えることがたくさんあります。でもこれは、何もしない人が覚えないといけない場合においてなのです。少なくできたとしても、ある程度は我慢してもらわないといけませんが、スリム化は充分に可能です。そのために、ゴールを明確にしておきましょう。
助動詞は本文を読む際に正しく読めればいいわけですが、そのためには、「識別」が大事です。「識別」とは「見分けること」です。本文に登場している助動詞が一体何の助動詞なのかを正確に見分ける能力が必要とされます。
この能力は直接見分けられているかを問うものから、現代語訳などで識別と訳し方を同時に調べる問題もあります。ということは、「助動詞を見分ける方法」と「助動詞の知識」が必要になってきます。皆さんが嫌がってやらないのは「助動詞の知識」です。知識が無いために答えられないということが多々あります。
見分ける方法を知らないで答えられない人は、真面目な人が多いです。助動詞の知識を頭に入れるんです。この状態の人は、材料が目の前にあるのに、カレーの作り方が分からなくて、別の料理になっちゃうタイプです。こういう人は問題をどうやって解くかの練習が必要です。ただし、上に説明が載っていて、下の問題を解くタイプの問題じゃだめです。真面目なので知識はあり、上を見て、下の問題が解けてしまいます。やってほしい練習は、どこから問題が出るか分からないタイプがいいです。どの知識をどういう場面で使うのかを練習する必要があります。
ということで、「見分ける力」と「助動詞の知識」を総合して解けるようにする必要があります。識別を行うために必要な力なので、ここをゴールにして勉強していきましょう。
助動詞の必要な力って何か分かっていなかったけど、ゴールが見えてきた気がする。むやみに覚えるって思わなくて済みそうです。
古文の助動詞の文法問題では接続が重要!
助動詞を習ったときに「接続」という言葉が出てきたと思います。接続は「つなぐこと」なので簡単な気がしますが、結構ここでつまずく人が多いのです。次のように理解しておくといいでしょう。
接続とは、助動詞の一つ前がどのような形になっているのかが、助動詞ごとに決まっているというもの。
助動詞は基本的に「用言」の下につきます。(一部、体言の下に付くものがあります)よって、一つ前の用言の形が決まってくるってことです。「形」とは何かというと、「未然形」とか「連用形」ってやつです。
「我行かず。」
この例文で説明すると、助動詞は「ず」です。打消の助動詞「ず」の終止形です。この助動詞の接続は「未然形」です。つまり、「ず」の一つ前が「未然形」になるのです。ここでは「行く」が未然形「行か」になっています。接続の影響を受けてこの形になっているわけですね。
こういうルールが助動詞にはあるのです。だから、未然形接続の助動詞みたいなくくりで覚えておくわけです。「るらるすさすしむむむずじまほしず」みたいな呪文みたいなのを覚えさえられませんでしたか?これが、接続を中心として覚える方法です。
ということは、接続で覚えるというのは、「未然形接続の助動詞」「連用形接続の助動詞」「終止形接続の助動詞」「連体形接続の助動詞」という風に覚えます。例外に「り」があります。「サ変の未然形・四段の已然形」ということで、「さみしいーり」という覚え方があります。ちなみに「り」以外に已然形接続の助動詞はありませんので、上記の四つを中心に覚えることでクリアできます。
ということで、接続とは何かを理解した後は、接続ごとに助動詞を覚えます。ちなみに接続ごとに助動詞を覚えると、それだけで助動詞26種類全部覚えたことになります。助動詞だけをわけもわからずに、26種類覚えるよりも覚えやすいです。こういう風にクリアするとスリム化できるということです。
接続ってそういう意味だったんですね。分かっていませんでした。これを中心にまず覚えるといいんですね。学校だと、最初は「活用表」だった気がします。あれで気力がなくなってしまうんですよね。
さいごに
助動詞が難しいという台詞を良く聞きます。1回目に習って、全部出来るかというとなかなか難しいですね。繰り返し説明を聞いたり、問題を解いたりしていくうちに分かってきます。勉強しない人は分からないままですが、きちんと勉強する人は「分かるようになった!」というようになります。
面白いことに、理系でよく出来る人ほど、文法の習得率が高いです。合理的に考えて問題が解けるので、理系科目と同じような頭の働きが必要なのだと思われます。理系で古典文法が出来ないといっている人は、残念ながらあまり出来ない人が多いです。中堅私大くらいの理系の人は出来ない人が多いイメージがあります。センター試験を突破できないので、科目数の少ない私大に行くっていう人が多かったです。
ですが、きちんとゴールを見据えて覚えていくと、文系、理系問わず出来るようになります。学校の授業ではしばらく時間が掛かりますが、講習や塾では、3ヶ月で文法はある程度出来るようになります。適切なトレーニングだとそれほど時間が掛からないので、きちんと取り組んでみる価値はあると思います。