『漢文道場』を上手に使うためには?
『漢文道場』を上手に使うためには?
先生、以前漢文の上達方法の時に『漢文道場』という問題集を勧めていましたよね?
はい。目安となる参考書ということで挙げました。(「漢文を読みこなしたい!上達の方法」)
『漢文道場』を買ってやろうと思ったのですが、思ったよりも難しくて・・・・・・勉強し慣れないレイアウトなので、どうやってやったらいいかも苦戦しています。
漢文の参考書は少し癖があるからね。レイアウトは古文と同じものが多いけれど、解説の書き方は特徴的だね。
参考書や問題集の書き方がバラバラすぎて、読み方が変わるのも勉強がしづらいことの一つなんですよね。
それぞれに書き方の特徴があって面白いと思うけれど、それが障壁になっていることもあるんだね。では、今回は『漢文道場』の上手な使い方を説明しましょう。
『漢文道場』の使い方とは?
『漢文道場』は大きく二つの構成になっています。一つは「句形」を押さえるところ、もう一つは「文章題」に取り組むところです。
おそらく、「文章題」の方は、問題を解いて答え合わせをして、解説を読んでいけばいいので、それほど難しく感じないでしょう。問題は、「句形」のところだと思います。
レイアウトに慣れていない人は、基本的な流れとして、「上段の説明を読んで理解して、下段に取り組む」ということが挙げられます。上段の説明の文字が多くて、読む気を無くして、いきなり下段に取りかかる人がいますが、それは無茶です。
知識があって、問題だけに取り組みたい人は、いきなり下段でも構いませんが、知識が無い人は必ず上段を読んでください。目を通しておくことが大切です。一度では理解出来なかったり、どこを覚えたらいいのか分からなかったりする場合があるでしょう。しかし、それでいいのです。下段の問題で、どういう風に使うかが分かれば、上段の意味が分かってきます。
つまり、上段と下段は何度も行き来してください。どこに載っている知識で、どういう風に使うのかを判断することができるようになってくるでしょう。
そうやって取り組んでいると、上段の説明が簡略化されていることに気づくでしょう。よく問題に出るところに絞られているので仕方ありません。もっと詳しく知りたいという場合は、漢文の句法の教科書を見ましょう。それが無い場合は、漢文の参考書を購入しておいた方が良いでしょう。色々ありますが、レイアウトが分かりやすくなっているものに、板野先生の漢文の参考書があります。
-注意ー
2019年1月中旬。著者板野博行氏が逮捕され、釈放されたニュースにより、Amazonの在庫が一時品薄となっています。今後も出版されるかわかりませんので、絶版が確認され次第削除いたします。
ー注意 以上 ー
『漢文ゴロゴ (音声&映像講義付き)』(スタディーカンパニー、972円)
テキストを買うまでは・・・・・・と思う人は、国語便覧(図説・資料集)や古典の教科書に漢文の句形の一覧が載っていると思いますので、そちらを参照しても良いと思います。(ただし解説はないと思います)
学校のテキストで代用できるみたいですが、わかりやすさを重視したいなら、テキストを買った方が良さそうですね。
『漢文道場』の次は『得点奪取』!?
『漢文道場』が一通り終われば、ある程度の力が付いていることでしょう。バランスの良い問題集なので、句形などの知識問題、文章読解の技術が伸びてきます。ある程度の漢文であれば、いちいち書き下し文を作らずとも、目で追いかけていくだけで読み取れます。その域になると、選択肢問題では物足りなく感じて、もっとレベルアップを図りたくなるでしょう。
漢文の記述対策として、河合塾が出している『得点奪取』シリーズが有名です。
記述問題の対策としては素晴らしい仕上がりの問題集です。記述例と得点例が載っていますので、採点しやすくなっています。
しかし、少し待ってください。この問題集は漢文の本文の読み取りが、ほぼ完璧に出来ていて、あとは記述の方法を身につける段階になった人がやるべき問題集です。受験生で言えば、高3の10月以降がベストでしょう。
それに、漢文の記述問題があるのは、上位の文系学部に限られてきます。本当に必要なのか考えましょう。(もちろん趣味でやる分には構いません)
そこでもう少し問題量に慣れておいた方がいいでしょう。昔は旺文社の『基礎漢文問題精講』という問題集があったのですが、今は増刷されていないようなので、手に入る人しか出来なさそうです。なので、現在にあった問題集を紹介しますと、先ほども登場した板野先生の問題集があります。
『極める漢文』シリーズです。1の方は『漢文道場』が出来れば必要ないかもしれませんが、句形などの復習が出来るので、余裕があればやっておきましょう。2の方はセンターレベルに対応しているので、是非こなしておきたいですね。
センター試験の漢文は、満点を狙いやすいポジションにいます。それは選択肢が非常に簡単で、本文を読み取れれば問題なく満点が狙えるからです。しかし、選択肢を無くして、全て記述にすると、一気に国公立二次試験レベルになります。
だから、センター試験の本文はあながち読解練習として易しすぎることはないのです。ほぼ完璧に読み取れるようにしてから、記述対策に挑むべきです。
いきなり記述に取り組むのではなくて、文章が読み取れるようになってからにした方がいいんですね。
さいごに
私は勉強については完璧にするよりも、ある程度で先に進めた方がいいと思っていますが、国語の記述に関しては、「本文が読み取れること」が前提にあり、記述はその先だと思っています。そうでないと、間違った解釈から記述を作っても、当然×になりますよね。
記述問題は、頭の中で分かっていることを文字で書いたときに、相手に伝えられるように書けるかという練習だと思っています。なので、最初は簡単な文章で読み取りを完璧にした状態で練習を始めます。そこからある程度書けるようになってくれば、文章のレベルを挙げていき、少々分からないことがあっても、大きく減点されない記述の仕方を磨いていきます。
だから、いきなり難しい文章で書ける練習をすることには反対です。もちろん、やり方は人それぞれですが、なるべく負担無く、レベルアップできる方法が勉強を続けるコツと言えるでしょう。
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