自己推薦書の書き方 3 大学が求める理想像を調べよう
自己推薦書の書き方 3 大学が求める理想像を調べよう
大学が求める理想像について調べてみましょう。
※この記事は2022年12月28日にリライトしました。
今回の話は以下の三点を中心にお話しします。
①大学が求める理想像を調べてみる。
②アドミッション・ポリシー
③他大学との比較が必要
①大学が求める理想像を調べてみる。
大学が求める理想像を調べてみましょう。志望する大学のHPに書いてあることが多いと思います。募集要項の場合もありますが、最近ではネットで見られるようになっているので、探してみましょう。
今回は最近話題の近畿大学の理想像について見てみようと思います。(※R4年度の募集は終了しています)
まずは、総合型選抜の入試のページにアクセスします。
https://kindai.jp/exam/system/ao/
まだAOという言葉を使っていますね。サイトのアドレスもAOになっています。AO入試は「総合型選抜」という名称に変わっているので気をつけてください。
※上記のHPを併せてご覧ください。
トップページに入試に関することが書かれています。
総合型選抜(AO入試)は、志望学科に対する適性、可能性さらに入学後の目的意識や情熱といった、筆記試験では判定しにくい素質を持った学生に出願していただくための入試です。(専願ではありません)
筆記試験では判定できない素質を求めているということです。もし、自己推薦書に「勉強を頑張ってきた」と書いてしまうと、この条件に当てはまらないので、アピールにはなりませんね。
続いて「出願資格」「判定方法」が書かれています。「出願資格」には『各学部が掲げる「求める学生像」』に当てはまっている人を求めていることが書かれています。他にも出願要件があるので注意が必要ですね。
そのまま下にスクロールすると、募集している学部が掲示され、募集要項が見られるようになっています。一番上の「情報学部」を見てみましょう。
募集要項
kindai_ao_guide_informatics2022
https://kindai.jp/assets/pdf/exam/system/ao/ao_guide_informatics2022.pdf
PDFで見てみると4枚目に「近畿大学の教育方針」としてアドミッション・ポリシーが載っています。これも大切ですが、各学部の求める学生像に合う人を求めているので、ここに関しては、反していなければ大丈夫というくらいで捉えておきましょう。
5枚目に情報学部のアドミッション・ポリシーが載っています。こちらは重要な情報になります。
1 技術と人間、社会、文化の関わりについての基礎的な洞察力を持つ人
2 技術者の社会的責任について理解し、それを誠実に遂行しようとする倫理観を持つ人
3 知的好奇心があり、情報技術をベースとする工業製品あるいは社会システムへの応用に強い関心を持つ人
これらに加え、教科に関する能力も書かれています。
数学:数学的公理や定理を活用した推論能力、論理的思考力
理科:自然現象を数式や化学式でモデル化する能力
外国語:文法に則って英文の文意を正確に理解する能力
国語:日本語の基礎的な読解力、及び論理的な記述力
以上の点を押さえた内容を書く必要があります。出願書類を見ると、「志望理由書」「活動報告書」以外に「自己PR動画(3分間)」があるので、自己推薦書の代わりに動画を作ることになっています。
(※3分の動画になると、自己推薦書よりも情報量がたくさんいるので、作成が大変だと思われます。)
今回のアドミッション・ポリシーを見ると、「文化祭頑張りました」「クラブ頑張りました」といった内容は、切り口をうまく考えないと書けないようになっています。なかなか難しいと思われます。
他にも出願条件にコンテストや資格の一覧があるので、それらを取得していないといけません。受験を決めた段階で持っていないと手遅れの可能性がありますね。
近畿大学の総合型選抜を受ける場合は、ゴールを見据えて活動をしておかないと受験できないという状況なので、書くことが少ないという人は少数派といえるかもしれません。
②アドミッション・ポリシー
アドミッション・ポリシーは大学の教育方針に従って設定されています。高校でも設定されていて、入試の際に確認したことがある人もいるかもしれません。
求める学生像という記述がなければ、このアドミッション・ポリシーを参考にしてください。
ただし、募集条件を確認して、近畿大学のように「各学部」と指定されていれば、必ず各学部のアドミッション・ポリシーを優先してください。指示がない場合でも、重点は各学部です。
しかし、大学によっては各学部ではなく、大学全体のアドミッション・ポリシーを参考にしないといけないことがありますので、しっかりと募集条件を確認してください。
③他大学との比較が必要
さて、受験する大学の要件は調べたのでオッケーといいたいところですが、もう一つだけ調べておいて欲しいことがあります。それは、「競合する他大学と比較する」です。
同じ学部で有名な他の大学や受験する層がよく似ている大学はチェックしてください。これは自己推薦書より志望理由書で使える内容につながる場合もあります。
例えば、関西では「産近甲龍」という括りがよく使われます。①で見た「近畿大学」が入っているのですが、他の大学との違いを比べておくと良いでしょう。
この場合は、他の大学に総合型選抜があるかどうかは抜きにしてください。一般入試しかなかったとしても、近大でなければならない理由がないと、他の大学を受ければ良いとなるので、よく似た学部・学科があった場合は調べておきましょう。
龍谷大学には「理工学部情報メディア科」というものがあります。ここではダメで、近大でないとダメだという理由を探すことになります。もちろん、同じような系統の名前でも取り扱う内容が違うこともありますので、自分のやりたいことができるかどうかは必ず確認してくださいね。
他にも同列を見るだけでなく、一つ上のランクがあれば比較してみるのもいいでしょう。関西では「関関同立」という括りも存在します。これらの大学とも比べておくと良いでしょう。特に近大は最近人気が高く、頭一つ出ていると言われるようになっていますので、「関関同立」と比べた方が良いかもしれません。
比較をする中で、志望校の特長がよりはっきりと見えてくると思います。書く時に、他の大学名を出す必要はありません。この作業を通して見えてきた「志望校の特長」をしっかりと書きましょう。それが大学がプッシュしたいところにもつながってくると、アピール度合いはより高いものになります。
※おまけ
他大学との比較をする作業をしていると、こっちの大学の方が向いているんじゃないだろうか?と思うところが出てきます。それはそれで、志望校を変えるのもありだと思います。一般入試ではどうしても「教科の学力」が必要になってくるので、実力との兼ね合いがあると思いますが、推薦系は「学力以外の力」で勝負する入試です。学力以外の行きたいという気持ちがわいてくれば、対象を変更しても良いと思います。
まとめ
具体的な内容まで見たので少し長くなりましたが、もう一度この話の要点をまとめると
①大学が求める理想像を調べてみる。
②アドミッション・ポリシー
③他大学との比較が必要
この三点となります。これで大学が求める理想像がわかり、なおかつ特徴もつかめるようになるため、自己推薦書を書くときに大きなアピールポイントを作り出すことができます。これをしておかないと、あとでやり直すことになってしまいますので、初期の内にやっておくようにしましょう。
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