気になる!変化する高等学校標準単位数




気になる!変化する高等学校標準単位数

 

学習指導要領の総則編の中に標準単位数が載っています。

学習指導要領解説総則編

標準単位数とは

高校で履修する単位数のことです。全てを習得しなければならないものではありません。高校の卒業要件となる単位数を修めれば卒業できます。この標準単位数はその中で履修するのならばこの単位数は習得しましょうというものです。

 

科目には三種類あります。「必履修科目」「選択必修科目」「学校設定科目」とあり、それぞれ少しずつ性格が異なります。

 

必履修科目

必履修科目は習得しないと卒業できなくなってしまいます。どの学校でも履修する必要があり、この科目の単位を落とすと原級留置(留年)したり、進級後再度取り直したりする必要が出てきます。

 



 

選択必修科目

卒業するために修得する必要がある科目ですが、いくつかの中から選択して履修することができるものということです。例えば、芸術科などは全分野を履修するのではなく選択することが多いです。高校で「音楽」をやった、「美術」をやったなど、人によって異なります。高校で履修する単位の中では、この選択必修科目の割合が非常に大きいです。

 

学校設定科目

学校設定科目は標準単位数に記載のない科目です。例えば「英文法演習」という授業があった場合、必履修科目にも選択必修科目にも存在しません。その場合は学校設定科目という枠組みで、各学校で決めることの出来る枠組みということになります。総合学科や進学校などでは、この学校設定科目の設定が多い場合があります。

 

 

「必履修」「選択必修」「学校設定」という大枠があり、その中で授業が組まれている状態です。皆さんの時間割を当てはめてみると面白いかもしれません。

 

高校を卒業するのに必要な単位数は74単位です。各教科以外にも「総合的な学習の時間」なども含まれます。最低限の単位を修得すれば卒業できますが、ギリギリの単位設定だと、1科目でも単位を落とすと卒業できなくなってしまいます。そこで、高校によっては卒業要件に必要な単位数を多めに設定していて、何単位か落としても卒業できるようになっていることもあるので、ご自身の学校に確認してみてください。

 



現行の制度と変わるもの

R3年度までの入学生の標準単位数

 

R4年度以降入学生の標準単位数

 

変化する項目

国語・・・「現代の国語」「言語文化」「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」

地理歴史・・・「総合」と「探究」

公民・・・「共生」

数学・・・「数学C」復活

理科・・・なし

英語・・・「論理・表現」

 

国語の変化の多さがわかるかと思います。大改訂です。社会も変化しています。一部の要素を残しつつ「日本史」「世界史」と分けない「歴史総合」が出来ます。発展的に「日本史探究」「世界史探究」のように、今までのような分類分けが残っています。公民では、18歳選挙権の観点から、新たに「共生」が設定されています。主権者教育の度合いを高めたものです。

 

他の教科は新たに出来た部分もありますが、現行制度を色濃く残しているので、今回の改訂の大目玉は「国語」といえるでしょう。

 



 

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