高校の国語が難しいと思う人へ
高校の国語が難しいと思う人へ
高校生活が始まって約1ヶ月が経ちました。学校の生活には慣れましたか?
ゴールデンウィークは部活や遊びが忙しくなる時期ですが、今年もステイホームですね。
少し時間があるときに、学校の生活を振り返ってみましょう。
目次
高校生の頃国語に疑問を持った
私の紹介のページ(https://school-s.com/school-studyum/manager/)でも書きましたが、高校に入ってすぐの古典の授業では起きている生徒が極わずか・・・という状況でした。何を言っているのか分からないといった感じでした。
高校2年生の頃、私は「現代文が分からない」という状況に陥りました。現代文の教材に対して、「筆者の自慢話じゃないか」と思うものがあったのです。そう思った時、ふと思ったのです。「これって何を勉強すれば良いのだろう?」と。
そこで自問が始まりました。
「学校の教科書に載っているということは、価値のある文章のはず。」
「前で先生が説明できる内容が書かれているはず。」
「周囲のクラスメイトは別に自慢話と思わずに、話を聞いている。」
「おかしいのは、自分じゃないだろうか?」
このように思うようになったのです。
そこで、現代文、特に評論文の勉強をどうすればよいのか、調べることにしました。
高校の国語は難しい?
当時は今ほど気軽にインターネットで調べることが出来ませんでしたので、本屋に行くしかありませんでした。そこで、現代文の問題集を買ってやってみました。
ところが、一冊終えたところで、成績が上がったような気がしませんでした。その問題集は現代文のエッセンスを一冊にまとめたようなものだったので、他の参考書では詳しく書いていますというような書き込みがあったのです。
そこで、その元の参考書を辿るようにしました。評論文とは何か、何を読み取れば良いのかを理解して、そこからレベル別問題集をこなすという形を取りました。
高2の夏以降、現代文で偏差値60を切ることがないくらいに安定しました。
それほど難しいことはしていません。
古典の勉強法はある程度確立していたので、私の国語の力はこの時期に確立したと言えます。
その方法を紹介します。
何が出来れば良いかを知ろう
まずは現代文です。
現代文は「本文に書いてあることを読み取る」ことに尽きます。ただし、全ての語句を逐一捉えるというものではありません。
「筆者の主張」を読み取ります。「筆者の主張」は論理によって構成されています。そのため、次のような形で読み取る必要があります。
「筆者の主張」(1つ)、「根拠となる具体例(複数)」、「なぜ主張に繋がるのか(複数)」
これを捉えていきます。日本の評論文のほとんどは「帰納法」で書かれていますので、具体例をしっかり押さえていくと読み取ることができます。
あと、現代文を読むときには「自分の考え」を混ぜ込まないようにしましょう。評論文は、筆者の主張を読み取るものです。筆者の主張に対して意見するのは小論文でしましょう。「自分ならこう思う」は読み取りの範疇ではありませんので、気をつけましょう。
評論文を苦手とする多くの人は、自分の意見に邪魔されている状況といえるでしょう。
続いて「古文」です。
ここでは、学校の授業をクリアするという視点で取り組むと考えます。
学校の図書館でも、町の公共の図書館でも構いません。そこで「新編日本古典文学全集」を探してみましょう。旧版の「日本古典文学全集」でも構いません。小学館が出している「全集」です。
この全集は古文の本文と現代語訳、さらには語注まで付いています。学校のテキストに載っている範囲を探し出してコピーを取っておきましょう。これを予習としてやっておくと、授業で困りません。
ただし、この方法をよく思っていない先生が多いです。「先に答えを知ってしまっては、実力が付かない」という理由です。
しかし、古典というものは、自分で答えをひらめくものでありません。大学の研究でも語句については、語釈を丁寧に付けて研究していきます。その際も他の同時代の作品でどのように使われているかを比定していくのです。
つまり、複数の知識を習得していって、読める量を増やしていくものです。
だからこそ、全集を開いて、該当箇所を探して、コピーを取るというのは立派な学習なのです。現代語訳を手に入れることに対して否定的な先生は、指導書に載っていること以上の知識を提供できない人が多いです。全てがそのような先生ではありませんが、私が高校の教師をしていた時代ではそのような人が多かったです。
ここまでで、学校の授業はクリアできます。もし、大学受験に繋げたいのであれば、全集を使って他の話もどんどん読んでみてください。古文は名作をモチーフに改作をたくさん作りますので、代表的な作品を読んでおくと、読みやすくなる問題が多くなります。
そして「漢文」です
漢文も探せば書き下し文と現代語訳があります。「新釈漢文大系」という本です。これで調べても良いのですが・・・古文と違って、該当箇所が非常に探しにくいという特性があります。一作品が長いのでなかなか見つからないのです。
また、教科書の部分だけでは理解出来ないことがあります。話の一部分であることが多いからです。
ということで、出来ることは「書き下し文」くらいです。
この作業を上手く使います。書き下し文は返り点と送り仮名だけなので、簡単にできます。このとき、述語に注意してみてください。簡単な漢字のはずなのに、動詞になっていることがあります。
「道フ」
こうなっていたら、どうしますか?これを調べて欲しいのです。小学校レベルの漢字でも色々な用法があります。これをドンドン調べて、語彙力を付けていくと、漢文は読みやすくなりますよ。
予習と復習について
出来るようになれば良いポイントは以上です。そのために必要な「予習と復習」についてです。
予習
現代文に関しては、「読む」ことが大切です。黙読すると、何となく読めてしまうので、「音読」してください。読めない漢字が出てきます。その漢字について調べましょう。また、分からない語句が出てきたら調べます。印をつけておいて後で一気に調べても構いません。
語句まで押さえられたら、もう一度読んでおきましょう。そして、その作業が出来たら、要約を作ります。完璧な要約でなくて構いません。最低限「筆者の主張」を押さえましょう。余裕が出てきたら「筆者の根拠」も一緒に押さえましょう。
こちらも参考にしてみてください。
古文に関しては、新編日本古典文学全集のコピーを確保することです。これに尽きます。あとは、本文写しなどがあればこなしておきましょう。ちなみに手書きだけでなく、パソコンで打って作るという方法があります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
漢文に関しては、『新釈漢文大系』を手に入れることが出来れば、それで終えることが早いです。難しい場合は、書き下し文をしましょう。その時、音読をしておくとよいです。スラスラと言えるようにしておきましょう。こちらの記事もご覧ください。
復習
現代文、古文、漢文ともに共通ですが、復習は予習よりも念入りにしてください。国語はどの教科よりも知識量が必要になります。知らなかったことは必ず覚えていきます。量が多いので、どんどん復習を繰り返して覚えていってください。
定期テスト対策
定期テスト対策で何をしたらよいのかわからないという人も多いですね。これが国語の難しい点もしれません。
定期テスト対策は現古漢、全て共通しています。
まずは本文の内容は頭に入れておきましょう。一字一句覚える必要はありませんが、話の流れは何も見ずに言えるようになっておきましょう。定期テストでは本文が掲載されていると思いますが、それは確認用に使ってください。抜き出し問題だときちんと抜き出す必要があるので、文字の確認という形です。
次に、知識を頭にたたき込んでおきます。
現代文では「漢字」「語彙」です。本文に出てくる物は全て読み書きできるようにしておきましょう。
古文では「単語」「文法」「背景知識」が必要です。これは日頃から復習しておくと楽です。テスト直前だけでこなそうとすると時間が掛かってしまいます。
漢文に関しては「語句」「句法」「背景知識」が必要です。書き下し文を自力出来ない場合は、それもある程度覚えておかないといけないかもしれません。しかし、覚えることは非効率ですので、書き下し文はルールに従って出来るようにしておきましょう。
最後に問題演習です。学校の授業では、教科書の内容を確認する練習問題をもらうことが多いと思います。その問題に関しては全てできるようにしておきましょう。「一度やってしまったら、もう一回するのは意味がない」と考えがちですが、選択肢問題を記述問題に変えたり、選択肢を置き換えて違う問題にしたりする場合もあります。やった問題は確実に対応できるように準備しておきましょう。
以上のように、対策をしておけば、定期テストで欠点を取るようなことはないでしょう。
国語は究極の積み重ね教科?
英語や数学が積み重ねの教科であることはよく知られています。中学英語で習う文法が基本となって、高校で習う文法へとグレードアップします。数学であれば、Ⅰの内容が出来ないとⅡの内容を理解することは不可能です。
そのため、どこから学習を振り返ればよいかが分かりやすいのです。
ところが、国語に関しては産まれてからずっと使っている日本語なので、どこから遡ればよいのか分かりづらい科目です。高校生といえど、小学生でも知っている言葉を知らない可能性が十分にあるからです。
漢字に関しては小学校からの積み重ねです。知らないものをどんどん吸収するしかありません。
しかし、小論文、古文、漢文に関しては高校から登場します。この分野は十分に遅れを取り戻すことが出来ます。
積み重ねの部分とそうでない部分がありますので、自分の出来る場所とそうで無い場所を見極めて勉強していきましょう。
さいごに
国語に関しての取り組みに関して書いてみました。
今回は特に高校の学習面に関してです。定期テストをクリアするための勉強方法です。受験のためには、もう少し視点を変えて勉強する必要がありますが、定期テストで身に付けた知識に関しては役に立ちます。
大学受験のための国語の勉強方法については別の機会にしたいと思います。