古文でネット検索するなら、何を調べる?
古文でネット検索するなら、何を調べる?
先生!古文の授業の予習でネット使うのってありですか?
そうだね。きちんと使えるならいいですよ。
きちんと使えるってどういうことですか?調べて一番上に出てきたやつじゃダメですか?
その情報が正しいのかどうか分かれば良いよってことです。
ネットの情報って正しくないのもあるんですか?
正しくない情報もありますが、正しく情報を拾ってこられない場合もあるからね。
そういえば、古語を引いたら現代語の意味が混じっているときもありました。
そうなんだ。そういう場合もあるから気をつけないといけないんだよね。
ところ、ネット検索ってみんな何を検索しているんですか?
今回はその検索内容について見てみよう!
1位 単語の意味・使い方
1位は単語でした。「辞書を引く」という行動スタイルから変化しているのですね。試しに古語辞典を調べてみました。最初に上がってきたのは「Weblio古語辞典」が出てきました。ちょっと気になっていくつか調べてみましたが、それなりに使えそうですね。
ただ問題は、全部の単語が同じように扱われているので、どれが重要かわかりづらいです。私がよく使うベネッセの『全訳古語辞典』は需要語が赤字で大きく書かれています。単語にランク分けがあって、受験で良く出る単語を拾うことが出来ます。学校の授業の教科書に出てきた単語について、教科書の本文でおしまいのレベルと、今後も覚えておかないといけないレベルという見分けが付くので便利です。
これは古語辞典ならではの問題なのですが、聞かれている単語と全く違う単語を引いてしまうことがあります。試しに「あし」と入れてみてください。三つほど出てきますよね。古語で重要なのは「悪し」と書いて「あし」と読む単語です。古文の授業の初めの方で習う単語です。
しかし、ネットの検索では「あし」が、人間の下半身についている「足」の意味が最初に出てきてしまうのです。単語調べの宿題を出したとき、その間違いを書いてきた人が多数いました。残念な結果です。物はいいのですが、使う側の知識が少ないと上手く使いこなせないのです。
ということで、調べたい気持ちは分かりますが、上達するまでは避けた方がいいと思います。初学者ほど、きちんと辞書を引くべきです。
せっかく辞書を引いたのに間違ってしまっては時間も労力ももったいない!
2位 現代語訳・読み方
2位は「現代語訳」と「読み方」でした。こちらは苦労したことにも挙がっていました。確かに現代語訳が分かれば文章の理解は進みそうです。私はできるだけ書籍から現代語訳を調べて欲しいと思います。個人が訳しているものには間違っているものや、元とした文章が教科書と違うので、少し表現が違う場合があるからです。
『新編日本古典文学全集』や『日本古典文学全集』が学校の図書館に入っていることが多いので、そちらから探して欲しいです。単語そのものの説明も書いていますので、必要な情報が得られます。この作品は有料ですが、全文検索をかけられるサイトもあります。しかし、高校生が利用するには高いと思いますので、図書館を利用しましょう。教科書範囲であれば2,3ページのコピーで済むので、2,30円です。それくらいお金を使っても問題ないでしょう。
ちなみに、マジマナは古文の訳を手に入れるの賛成派です。ネット上の情報はどこまで信用するかは悩ましいところですが、授業を受ける前に現代語訳をざっと理解しておくことをおすすめします。授業の中でこなせる量っていうのには限りがありますから。
マジマナは古文の授業をするときは、かならず現代語訳を配ります。でも、これって結構ベテランの先生から反対されるのです。現代語訳を渡したら生徒が授業を聞かなくなるって言います。そんな面白くない授業をしてるんですか?って言いたくなりますが、ぐっとこらえています(笑
あと、私は標準の現代語訳は、皆さんが読んでもよく分からないと思っています。現代語訳そのものがすでに古文化してて、さらにかみ砕かないといけないんですよね。だから、現代語訳は配って良いんですよ。そこからどうやって理解するかですからね。
マジマナの授業って何やっているんでしょう?現代語訳配ってそれ以上のことをするんでしょうか?
3位 文法
やはり調べる項目として文法もランクインしてきますね。文法の解説動画を今まで作ってきましたが、需要がありそうでよかったです。
でも文法の解説が書いてあるページをみるくらいなら、文法の教科書を見た方がいいですよ。横書きで書いてある文法のページって見るの大変ですからね。ただし、アンケートの中でも文法を分かりやすく説明しているのを見たいって書いてあったので、それこそ、動画形式の方がいいでしょうね。
私もよく検索してみるのですが、映像授業はどんな人が見るか分からないから、何となくつまらない物になってしまいます。私が作っているのもそれに近づいている気がします。だから、もっとうまく工夫できないかと思います。
いずれこのサイトでもお役に立てるようになれたらいいなと思います。
文法の説明は今後を待ちましょう!
4位 背景知識
第4位は「背景知識」でした。これは是非とも調べてみたらいいのではないでしょうか?一応、図説、便覧と呼ばれる参考図書があると思うので、それを確認することをお勧めしますが、詳しい背景知識はネットの方が情報を得られます。
作品の理解をするときは、その作品の作られた背景を知っておくことが大切です。時の政権は誰だったのか、どういう経緯でその作品が作られたのか、登場人物はどんな人で、どういう風に描かれるのか。こういう多面的に物語を捉えようとするのは非常にいい傾向です。大いに検索すると良いと思います。
マジマナは背景知識が好きです。それはなぜかというと、学校の教科書に載っている多くの作品が平安時代から鎌倉時代の文章だからです。調べれば調べるほど歴史の勉強にもなるからです。藤原氏の政治戦略とかも知ると楽しいですよ。ちょっと調べてみてください。そうですね、ヒントは「道長」です。道長よりも昔の人、道長以降の人にわけて考えると楽しくなります。
いやー本当に、背景知識まで気にして調べてきてくれると授業する側としては、嬉しいと思います。だって、これは能動的な学習ですからね。古文の成績を上げたいのなら是非ともするべき行動だと思います。
本文写し、現代語訳、単語調べ、予習ではこれくらいのことが要求されますが、歴史的背景まで調べてきていると、プラス点をつけてあげたくなりますね。
第五位 勉強法
第五位は「勉強法」でした。第一位から三位までが目の前の課題を片付けたいという応急手当的な発想ですが、背景知識や勉強法というのは、長期的に見たときに有利に働く情報を知りたいという人が考えるものですね。私はそういう人が一番伸びると思います。
「古文 勉強法」で調べるといっぱい出てきますね。1ヶ月で偏差値が40から70になりました!とか売りにしているところが上位にあるということは、そういうのに引っかかる人が多いということでしょうか?
まず、そもそも「古文」というのは国語の一領域です。古文だけの偏差値って出るんでしょうか?模試を受けても「現代文」「現代文+古文」「現代文+古文+漢文」の値は出ますけどね。自分の点数と平均点から割り出しているのでしょうか。でも標準偏差が分からないと出てこないはずですよね。
ということは、ああいう所で言われている偏差値が、「校内偏差」の可能性が高いですね。だとしたら、偏差値が急激に上がることも納得がいきます。でもそれって定期テストや実力テストの話。あまり信用できるものではないですね。
しかし、私の経験上古文は非常に点数が上がりやすいということは間違っていないと思います。ある程度時間は必要です。1ヶ月はちょっと無理です。古文だけに1ヶ月費やしたら出来るかもしれませんが、他の教科との兼ね合いもあるので、基本的には、3ヶ月で効果が出始めて6ヶ月である程度安定まで行きます。残りの6ヶ月でかなり上昇が望めます。
私が教えた生徒の中には古文に目覚めた子がいました。関関同立が志望校だったのですが、古文は全部満点でした。すごかったです。しかし、英語が出来なかったために、合格には至りませんでしたが……古文も良いけど、英語も大事ですからね!
受験は複数教科での戦い。一つが出来て終わりじゃないよ!
さいごに
やはり調べるのは短絡的なことなのかもしれないですね。ウェブ辞書を作るのはかなりの時間が掛かるので、すでにあるサイトにお任せしましょうか。私のサイトでできることは、教科書に載っている作品を解説することかなと思います。といっても、こういうサイトも数多く存在するので、新たに作らなくてもあるんですよね。
さて、この調査で扱える範囲は以上です。調査結果から分かったことを元にして、サイト運営していくのでよろしくお願いします!