漢文の参考書メニュー ―受験編―
漢文の参考書メニュー ―受験編―
先生、受験生として漢文を勉強していこうと思うんですが、どうやって勉強すれば良いですか?
受験生として勉強するためには、必要な知識を習得して、問題演習を積むことが大切だね。
王道の流れですね。具体的にはどうやって勉強していけば良いですか?
そうだね。私は受験を前半と後半に分けて考えていて、それぞれ時期を見て勉強方法を変えていくべきだと思っています。参考書も例に挙げて考えていきましょうか。
お願いします。理系でもセンター試験があるので、知りたいです。
OK! では、今回は受験勉強として漢文をやっていく内容を説明しましょう。
目次
漢文の参考書メニュー 受験基礎体力構築
まずは受験の前半部分のお話をしましょう。スタート位置がどこか不明ですが、基本的に夏休みまでを受験前半と考えています。「受験生と伴走」 では2年生のセンター試験終了時期からを想定しています。その場合は、夏休み前(7月中頃)までに7ヶ月あるので、大半を割いていると考えても良いでしょう。しかし、集中してやれば3、4ヶ月で基礎は完成するので、高校3年生からスタートしても間に合うでしょう。それくらいのつもりです。
受験漢文として、基礎体力をつける必要があります。メニューとしては次の通りです。
漢文句形教科書 + 『漢文道場』 → 『極める漢文1』
まずは漢文の句形の教科書を参照しながら、『漢文道場』をクリアしてください。句形をきちんと押さえます。その時に、出てきた漢字で意味のわからないものは押さえておきましょう。句形が終了すれば、豊富な文章題が付いています。その文章題をしっかりとやると、句形と必要な知識は一通りつくと思います。少なくとも2周はしたいですね。希望は3周です。
『漢文道場』が終わったら、違う問題形式と句形の問題に慣れておきたいので、『極める漢文1』に取り組みます。重要な句形の復習と基本的な文章題で構成されています。『漢文道場』がきちんとできていれば、8割以上は得点できるはずです。それくらいの完成度かどうかチェックしましょう。
『漢文道場 入門から実戦まで』(Z会出版、944円)
-注意ー
2019年1月中旬。著者板野博行氏が逮捕され、釈放されたニュースにより、Amazonの在庫が一時品薄となっています。今後も出版されるかわかりませんので、絶版が確認され次第削除いたします。
ー注意 以上 ー
『極める漢文 1 基礎・必修編』(スタディーカンパニー、918円)
基礎レベルが難しい人
学校の句形の教科書と漢文道場が厳しい人は、もう少しレベルを落としてスタートする必要があります。その場合、通常よりも時間がかかってしまいますので、注意が必要です。その場合のメニューも記しておきましょう。
『漢文ゴロゴ』 + 『ジャンプアップノート』 → 『漢文道場』
-注意ー
2019年1月中旬。著者板野博行氏が逮捕され、釈放されたニュースにより、Amazonの在庫が一時品薄となっています。今後も出版されるかわかりませんので、絶版が確認され次第削除いたします。
ー注意 以上 ー
『漢文ゴロゴ』は「『漢文道場』を上手に使うためには?」の記事でも触れましたが、漢文の句形の教科書の代わりになるものです。むしろ分かりやすく書かれているので、苦手な人向きと言えます。漢文の句形の教科書が分からない人は頼ってみましょう。
そして、それを参考にしながら、『基礎からのジャンプアップノート 漢文句法・演習ドリル 改訂版』に取り組みましょう。こちらは、「漢文の参考書メニュー ―日常編―」 でも紹介しましたが、解説がとても簡潔で、問題も基本的な問題が最低限載っています。サクサク解くことが出来ますので、基礎力を形成するには適切です。
ただし、この問題集では、日常の勉強では事足りますが、受験のレベルを考えると物足りないところがあります。なので、受験を考えた場合は、その先に『漢文道場』を見据えるようにしましょう。
『漢文ゴロゴ (音声&映像講義付き)』(スタディーカンパニー、972円)
『基礎からのジャンプアップノート 漢文句法・演習ドリル 改訂版』(旺文社、832円)
日常メニューに+αできればいいんだな。ということは、早いうちから取り組んでおけば、完璧になるんじゃない?
漢文の参考書メニュー センター向け
上記の参考書で基礎力を付けたら、いよいよ受験本番を目標にやっていきましょう。多くは、センター試験と文系の国公立二次試験でしょう。一部私立大学もありますが、センター試験+αと考えておくと良いでしょう。(記述がある場合は国公立二次と読み替えてください)
センター試験用の漢文としては、良く出るモノに絞って、問題演習を積んだ方が得策です。センター漢文は満点を狙う人が多く、また実現している人も多いです。その中でもよく取り上げられる参考書を紹介しておきましょう。
『センター漢文8本のモノサシ』(大学受験合格請負シリーズ)
※旧『センター試験漢文』
『漢文ヤマのヤマ パワーアップ版』(大学受験基礎シリーズ)
一冊目のように、センター試験と名前が付いている本があります。私は旧バージョンを持っていましたが、新しく出ていました。センター試験特有の解き方が出来る問題集なので、取り組んでおく価値はあるでしょう。
二冊目は漢文の基本事項が全て網羅されています。センター試験の問題は基本に忠実です。『漢文ゴロゴ』もセンター試験に対応していますが、確認用にこちらも見ておくと良いでしょう。もちろん、『漢文ゴロゴ』を極めていれば、取り組む必要はありません。
『センター漢文8本のモノサシ』(大学受験合格請負シリーズ)(ブックマン社、1080円)
『漢文ヤマのヤマ パワーアップ版』(大学受験基礎シリーズ)(学研マーケティング、1080円)
国公立二次試験向け
文学部を中心とする国公立文系の学部は二次試験でも漢文が出題されます。その際、多くは記述問題となるでしょう。マーク式しか出ない場合は、基礎体力とセンター試験までの対応である程度カバーできます。それ以上の力を求められる場合は、こちらの参考書に挑戦してください。
『得点奪取漢文―記述対策』(河合塾SERIES)(河合出版、967円)
国公立二次試験のように記述問題を解く場合は、自己採点がものを言います。自己採点が甘いと話になりません。毎回毎回先生に採点してもらうという手もあるかもしれませんが、スピーディーに勉強を進めたい場合は、自己採点です!
得点奪取シリーズは、問題集のカテゴリーの中ではリーズナブルな参考書です。記述問題が載っていて、なおかつ採点基準を勉強できる優秀な作りです。自己採点の採点基準が記載されている問題は数多くありますが、こちらの問題集は実際の解答例が出てきて、それを採点してくれています。つまり、自分と近い解答になりやすい例が載っていて、どういうところが良くて、ダメなのかをはっきりとさせてくれるのです。
記述対策としては、右に出るものは無いといえるでしょう。
最後までしっかりやりきりたいですね!
さいごに
今回は受験向けの参考書メニューについて書きました。もちろん、過去問は必ずやってくださいよ。あくまで参考書メニューなので、これで終わってはいけません。
ちなみに参考書や問題集をケチる人がいますが、その後の人生を影響しかねない大勝負なわけですから、先行投資だと思って、しっかり買っておきましょう。積ん読ではなくて、必ずやりきるようにしてくださいね。