小論文の書き方 やりがちなミス11 主述の不一致
小論文の書き方 やりがちなミス11 主述の不一致
小論文の添削を通して、よくあるミスを紹介していきます。自分の小論文でやってしまっていないか確認してみましょう。
主述の不一致
このミスは多くの人がやってしまいます。気をつけて書いていても、一文が長くなるとやってしまいがちなミスです。
主語と述語が合っているかどうかは必ず確認しましょう。基本的なことでもしっかりとチェックする必要があります。
例
誤 → 正
なぜなら~ことだ。 → なぜなら~からだ。
私は~ことだ。 → 私は~だと考える。
このことは~と考える。 → このことは~だと私は考える。
このミスを減らすためには、一文を短くすることをおすすめします。こまぎれにすれば良いというわけではなく、40字程度を目安に文を切るように心がけ、最も伝えたいときに、もう少し長い文でまとめるという形を取ると、バランス良くなります。
少し長めの一文を書いてしまったとき、主述が一致しているかどうかを確かめる方法があります。長くなっている場合、複数の文に分けられるものがつながっている状態になっていると思います。それぞれの区切れで、主語を確認してみて、主語と合っているかどうかを確かめます。
(例)
私は朝起きて、うがいをして、お手洗いを済ませて、朝食を取って、学校に行こうとしたところ、お弁当を渡した。
次のように区切れます。
私は朝起きて、/うがいをして、/お手洗いを済ませて、/朝食を取って、/学校に行こうとしたところ、/お弁当を渡した。
それぞれの動作の主語を確認します。
私は 朝起きる。
私は うがいする。
私は お手洗いを済ませる。
私は 朝食をとる。
私は 学校に行こうとする。
私は お弁当を渡す。
今回の文章では主語は「私」ですので、このように文を分けることができます。一見するとつながるように見えますが、最後の文だけ違和感があります。この話では「私」はお弁当を用意するという文脈がありません。それにもかかわらず、急に「お弁当を渡す」が出てきます。文の飛躍の可能性もありますが、ここは、お弁当を渡「された」と受け身にすることで、すべての文がきれいに通ります。
私は お弁当を渡された。
これで、お弁当を忘れそうになったという意味がきちんと伝わります。主述の一致に気を付けることで、文意を正しく伝えることができるようになります。