古文の検索で最初にするのは「古文とは?」
古文の検索で最初にするのは「古文とは?」

皆さん、こんにちは!今日から古文の授業を始めます!

先生!まさかの対話形式ですか?

はい。やっと出来るようになりました!

おめでとうございます。

ありがとうございます。さて、今日は古文のお話です。

古文って苦手なんですよね・・・

そういう方は多いです。今回この記事のために古文の意識調査を行いました。

どうやって行ったんですか?

詳しくは次回お話ししましょう。その中でも今回のタイトルになっていることがあったのです。

どういうことですか?

古文の検索が出来るとしたら、何を検索しましたか?という質問です。

今時スマホを使えばすぐに出てきますよね。

そうなんです。しかし、意識調査は年齢関係なく行ったので、学生時代にネットが無かった人も対象としています。

ネットがない時代なんて、随分昔じゃ無いんですか?

それほど昔でもありません。十数年前、ネットはありましたが、今ほど古文の知識を検索してもヒットしませんでした。

そうなんですね。

そこで、検索できるなら「古文とは」と調べると思います、という意見がありました。

古文って、「昔の文章」や「古い文」って意味じゃないんですか?

そうだね。そういう風に思うよね。でもね、「昔」や「古い」っていつくらいまでを指すかわかりますか?

俺が生まれる前だと思います!

確かに生まれる前だけど、今君たちは18歳になる年だよね?18年前も今と同じような言葉遣いだよ。それに間違いなく現代文だね。

18年前でも現代文なんですか?じゃあ一体いつくらいなんですか?

さて、そのことを説明していきましょう!
古文とは? 一般的な定義

古文の一般的な定義を知っているかな?

知りません。そんなこと気にしたこともありません。

そうですか。残念ですね。これを機に覚えてくださいね。

私は知っていますよ!授業の最初に習いました!

そうですよね。授業の最初に習いますよね。最近ではこれを伝えずに授業する方もいるのですが、きちんと伝えておくべきです。

確か、明治以降の文章を「近・現代文」、明治より前の文を「古文」と定義されるんですよね!

その通りです!正解です。
チェック
明治以降を近・現代文
明治より前(江戸時代まで)を古文

明治とか江戸とか言われてもピンと来ないんだよなぁ。

そうですね。明治は1868年からですが、覚えにくいですよね。歴史ではきちんと覚えた方がいいですが、古文ではざっくり1850年としておいたらいいんじゃないでしょうか?

えっ、じゃあ、現代文ってまだ200年経ってないんですか?

そうだよ。厳密には近代と現代をセットにしているけど、現代だけに絞るともっと短いです。

そう考えると古文って奥が深いというか、歴史があるというか、そういう感じがします。

良い感性だね。そういう感覚はとても大事ですよ。

でも先生、200年前の文章がすでに古文ですよね?じゃあ、江戸時代の人からしたら鎌倉時代は古文ですか?

これまた素晴らしい指摘です。江戸時代にかかわらず、時代が進むごとに、過去を振り返って言葉や文化をまとめた書が作られています。

そういう礼儀などをまとめたものを「有職故実(ゆうそくこじつ)」って言うんですよね?

その通り。公家や武家のしきたりや官職などをまとめているんだ。それを見て、古典を知っていたんだよね。

今の私たちが図説をみる感じですね。

その通り。時代が進むごとに振り返る部分が多くなって大変だけどね。

それにしても、今と昔って全然違いますよね。

やはり文明開化が大きな影響を及ぼしています。和式から西洋様式が入ってきますので、大きく変化し、かけ離れているように感じるようになってしまいましたね。

昔に生まれてたら、こんな苦労しなかったのにな。

何を言っているんですか?スマホなんて魔法の道具ですよ。携帯電話ですら画期的だったのに、それのさらに上を行くデバイスですからね。

一般的な定義は分かったんですが、私たちにすれば、明治や昭和初期の文章って古文に感じるんですよね。

そうだね。今と書き方が違うからね。今は言文一致体が当たり前になって、話し言葉と書き言葉の差が小さいよね。

えっ?文章書くときの言葉、今も違う気がするんですけど。方言とか使っちゃダメですよね?

公的な文章の時は標準語が基本になるね。でもそれ以上に昔は書き言葉と話し言葉がかけ離れていたんだ。

そうなんですね。

では、次は、気をつけたい古文について説明しよう。
注意が必要な古文がある!?

注意が必要な古文というのは、「擬古文」というものなんだ。今でこそほとんどいないけれど、近代には古文をまねて書いた文章が存在するんだ。

確か、『舞姫』ってそうでしたよね?森鴎外は近代にあたる人ですが、擬古文で書かれていました。

その通り!でも、あの文章は基本的に「現代文」で扱われるよね。教科書も現代文の教科書だったはずです。

確かにそうでした。あれで現代文といわれたら、古文苦手な人はボロボロになります。

そうだね。でもあれは、古典文法を織り交ぜているだけで、文法さえ押さえられれば現代文と変わらないんだ。

そんな器用なことできないです。

基本的に擬古文が現代文になることはすくないから大丈夫だよ。問題は古文の領域の人が擬古文を書いた場合だね。

なんだって!?古文の世界の人がさらに古文を書くんですか?!

私たちが200年前の文章を古文だと思うように、古文の世界の人も200年前は古文です。ということは、多少文法や単語が変わっています。それで昔に合わせた書き方をすることがあるんです。

それって、どうやったら気づくんですか?

それは、高校の古文では分からないね。実際には時代別国語大辞典などがあって、時代ごとに分けて編纂されているので、そういうのを使って解読しうるけど、高校生の段階では難しいね。

図説や教科書に書いてある作品の説明に注意すればいいですか?

その通り。私たちが知る上ではそれで充分です。
チェック
古文の中にも古文を真似した擬古文がある!

この事実を知ったからといって、みんなが解答する分には大きな影響はありません。

よかったー

ただし、少しだけ文法の使い方が違うので、文法の教科書に載っている、使われている時代に注意しておく必要があるんです。

あまり気にしなくてもいいけど、ちょっとは気をつけようってことですね。

その通り!補足的な内容なので、頭の片隅に置いておいてくださいね。

分かりました!
さいごに

古文とは何か。一般的な定義で押さえておくといいでしょう。しかし、作品時代の定義の方法もありますが、余計ややこしくなるので、歴史と合わせておきましょう。

古文と一口に言っても、古文の中でも古文という場合があります。頭の片隅において読んでいくと面白くなりますので、最初にご紹介しました。

これで1時間目は終了です。10分間の休憩を取りましょう。
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