勉強法! 文系と理系で異なる学習内容の違い
勉強法! 文系と理系で異なる学習内容の違い
中学生の時は、みんな同じ科目を習っていましたが、高校に入ったら習う科目が違うって本当ですか?
選択科目の関係で変わることがあります。
選択科目って何ですか?好きに科目が選べるってことですか?
全部好きに選ぶことは出来ないけど、音楽、美術、書道が芸術科としてまとめられていて、選択できる学校が多いです。もちろん、人数の関係で選択できなかったり、希望通りにならなかったりすることもありますよ。
そういえば、理科も選択できますよね?○○基礎は決まっていましたが、「化学、物理、生物、地学」から選ぶことが出来ました。
そうだね。理科も選択のところが多いね。他にも、地歴科だと「世界史、日本史、地理」、公民科だと「現代社会、政治経済、倫理」と選ぶことが可能です。もちろん、全部自由に選べずにパッケージになっていることも多いですけどね。
そういえば、2年生から文系と理系に分かれるらしいんですけど、どう異なるのですか?
文系と理系では大きく変わるのは、「数学」「理科」「社会」です。高校は卒業に必要な単位数が決まっているので、その中で弾力的に履修することができるのです。そのあたりのことをお話ししましょう。
勉強法 高校生が習う「数学」「理科」「社会」
高校生が卒業に必要な単位数は決まっています。文部科学省の高等学校学習指導要領を見れば書いてあります。(非常に複雑でややこしいですが・・・・・・)各教科、共通必履修が決まっていて、それはどこの高校でも履修が必要になります。それ以外に、学校ごとに、選択必修科目、選択科目が設定できるようになっています。
普通科と工業科や商業科などの専門科とでは履修科目が異なります。これは学校ごとの設定科目の設定によって成立するからです。よって、すでにこの二つによって習う科目が大きく異なります。こちらはそれぞれの進学した科によるので、違うのは当然のことだと思ってください。
今回は、普通科の中でも選択科目によって履修科目が異なることをお話ししたいと思います。特に、文系と理系による差をお話ししましょう。
大抵の学校では1年次は必履修科目を履修することになるので、文理問わず履修します。そのため授業科目が共通だと思われます。2年次以降も必履修科目は存在しますが、1年次に集中して取ると、2年次からは選択必修科目と選択科目を選ぶことが出来るようになるので、文系と理系で大きく異なってきます。
文理で異なるのは「数学」「理科」「社会」です。
文系の場合は、数学「Ⅱ・B」までの履修となることが多く、理系の場合は「Ⅲ」まで履修することが多いでしょう。最近では、文系で数学が苦手な生徒向けに、「Ⅰ・A」までで終わる学校もあります。その分、英語や国語が多くなっているので、単位数は同じになります。
理科は基礎科目を基本的に習います。そして、「化学」などの4単位ものは理系の科目になります。基礎科目が昔で言うところの「Ⅰ」、「化学」などの名前を示すものが「Ⅱ」に相当すると思ってください。習う範囲の入れ替えがあるので、そのまま読み替えできるわけではありませんが、文系がⅠ、理系がⅠⅡだったのと同じような感じです。
社会に関しては、世界史A(もしくはB)が必履修になっていて、他にAまたはBを履修することになります。文系は「世界史B」「日本史B」とBを二つ履修することが多いでしょう。理系は「世界史A」と何かA科目を履修することが多いでしょう。公民科に関しては、どれか一つを履修するのは文理同じです。
というような感じで、この3教科については大きく異なります。ちなみに、国語も「国語総合」は必履修ですが、それ以外の国語の設定は変わります。私立理系で国語が要らない場合、3年次より国語が無い場合も発生します。(2学期制の場合、2年後期よりなくなります)
英語は基本的に3年間にわたって履修することになるでしょう。しかし、英語は「外国語」という枠組みなので、特色のある高校によっては、英語以外の外国語が設定されていて、履修することが可能な場合があります。いろいろな言語を学びたい場合、大学からでも充分だと思いますが、高校から学ぶことも出来るので、探してみてください。
文系と理系でこんなにも違うんですね。同じ高校を卒業しても、同じ学習内容とは限らないんですね。
勉強法 高校生が気をつけたい受験の範囲
さて、履修科目の話をしましたが、基本的には学校が組んだカリキュラムの中から選択をすることになると思うので、大体、文系パッケージ、理系パッケージになっているかと思います。その他、就職や専門学校に向けたパッケージになっていることもあります。
ただし、総合学科など自身で授業を選択する場合は、パッケージが無い場合もあるので、事前に必要な科目を調べておく必要があります。
必要な科目というのは自分の進路にとって必要な科目ということになります。大学に進学する人は、志望校+滑り止め校の試験科目が必要になります。専門学校で学科試験があれば、その科目ということになります。
ところが、最近では、受験科目が最も少ないところを探して、その科目だけに集中しようとする人がいます。受験に必要の無い科目は、きちんと授業を受けなかったり、履修をしなかったりする行動です。
これはあまりよくありません。
なぜかというと、受験校の変更がききにくくなるからです。一番多いのは、当初予定していたレベルに到達できなかったので、受験校を下げるといった場合です。下げる先の受験校の入試科目が多ければ受けることが出来ません。そうなった場合、受けることが可能な大学までレベルを落とすことになります。
これはよくない選択であることはすぐに分かると思います。能力が低く、どうしても厳しい場合は減らして調整することも大切だと思いますが、頑張れば出来る能力があるのであれば、しっかりと頑張る方を選んだ方が後々役に立つと思います。
受験って3年生になってから考えれば良いと思っていたけど、文系と理系の選択の時にはすでに必要なんですね。そんな早くから選べるか心配です。
さいごに
今回は高校での文系と理系のお話をしました。中学校までのは同じ内容ですが、高校からは大きく異なります。同じ高校出身でも異なるわけですね。これは意外と盲点ではないかと思います。
中学生が先輩の話を聞いたとしても、文系の先輩と理系の先輩とで話が異なるわけです。だから、自分が進む方向の話でないと意味が無いということになります。もちろん、文系と理系の両方の話が聞けるといいですね。
最近では「文理系」という、文系と理系を合わせたような分け方も登場してきています。これは、文系にも、理系にも分けられない分野に進学する場合に使われます。芸術系に進む場合とかそうなりますよね。
文系や理系に分けることに異議を唱える声も大きくなってきましたが、受験科目が分かれている以上、高校だけ一緒にするというのはなかなか難しいでしょう。試験方法の見直しはされていますので、多少は変わるかもしれませんが、文理分けはしばらく続くでしょう。
将来やりたいことを発見することも大切です。学校の総合的な学習の時間だけでなく、自分が何をやりたいのかを考えて生活していくようにしましょう。