小論文の書き方講座⑦ ー実際に書いてみよう!ー
小論文の書き方講座⑦
ー実際に書いてみよう!ー
さて、7時間目の始まりです。
これまでの記事で、基本的な書くことに対する注意点は終わりました。論理を理解した後、本文の要約やキーワードの選定の仕方、ありがちなミスについて、原稿用紙や文字数の話、書く練習と添削の注意点をお話ししてきました。
今回は実際に書いてみる練習です。読むことが中心と述べましたが少しくらい文章を書いてみましょう。(小論文の長さが無理でも少しの文章でいいので書く練習をしてみましょう。)
小論文には具体例が必要!
さて、小論文を書いてみましょうか。何かテーマはありますか?練習したいテーマがあればそれで練習しましょう。無い場合は何か考えてみましょうか。では、私が好きなテーマの一つ「七年後の私」という内容を考えてみましょうか。六〇分、八百字設定です。
まずはテーマ分析をしましょう。与えられた題を読み解きます。七年後という設定が気になりますよね。十年、二十年と区切りの良い数字なら、未来がどんな社会になっているのか聞かれているのかと予測されますが、七年後です。そして、「私」という設定が気になります。これが大学受験で問われたとしたら受験生の年齢は「十八歳」と考えているでしょう。そうすると七年後は二十五歳。スムーズにいけば、社会に出ている可能性が高いと言えるでしょう。
大学は、学部4年、修士2年、博士3年が最低年限です。多くの人は学部で卒業します。いわゆる「大卒」です。理系の人は修士まで行く人が多くなっています。修士とは「前期博士課程」と呼ばれます。博士課程は「後期博士課程」といって、ここまで行くと大学の先生を目指す道となります。
このことを考えれば、博士課程まで行くのであれば、まだ学生の身分ですが、ごく一部なので、多くの人は社会に出ています。社会に出て数年というところです。ということは、「私がどのように社会と接しているか」ということを考える必要がありそうです。
ということなので、社会とどのように接しているかを考えて書くわけですが、どんなことが挙げられますか?論じる場合は「情報・事実」が必要でした。それが具体例です。具体的な話をして、自分の主張と結びつけるのです。社会とどのように接しているか、具体的に考えることができれば、そこから導き出される主張が生まれます。
しかし、少し難しいです。学生の皆さんにとって社会に出るとはどういうことか、それを具体的に考えるのは少々難しいものです。だから、これを一生懸命考えてもなかなか出てきません。たとえ思いついたとしても「絵空事」になってしまいがちです。こういう場合は、確実な「情報・事実」がほしいところです。
そこで、七年後が分からないのであれば、七年前に戻ってみましょう。七年前の自分が、今の自分を想像できていたかどうかです。高校生であれば9歳から11歳です。小学生ですね。そのころ、今の姿を想像していましたか?
私は小学生の頃、高校なんて想像していませんでした。小学校1年生の終業式が終わって、もう学校が終わったと思ったのに「2年生があるよ」と親に言われて落胆したくらい、早く学校が終われば良いのにって思っていました。(後に教育現場で働くのですから、世の中分からないですよね)
はい、ということで、何が言いたいかというと、「七年後なんて考えてもいなかったことになる」ってことです。だから、具体例は「七年後を考えたことが無い」ということです。そこで、改めて考えることでどうなるかを考えてください。小さい頃は想像もしなかったかもしれませんが、今は自我を持つ個体になっています。ということは、今やろうとしている道に進んでいる可能性が高いと言えそうです。だから、「大学に入って○○を学んだ後、それを活かして△△をしている」ということが言えます。
これで具体例を用意できたので、構成を考えると、「七年後を考えたことが無かった」ことを説明し、「小さい頃と今は違うこと」を述べ、「大学に入って○○を学び、それを活かして△△をしている」ことを書くという流れです。
どうですか?これで何とか書けそうですか?一度書いてみてください。20字×20行を意識して、原稿用紙二枚で書いてみましょう。
小論文を実際に書く練習!
さて、条件は整ったので、小論文を書いてみてください。原稿用紙を用意するか、ダメなら原稿用紙に設定したワードでできますよ。どうしても無理だという場合はダウンロードしてください。
空白の原稿用紙 ←クリックでWordファイルが落とせます
書けましたか?読むだけ講座で初の作業ですね。書けたら続きを読んでください。六〇分ですが、事前に書く手順等は一緒に考えたので、四〇分くらいで書けるといいでしょう。(理想は三〇分以内かな)
これの標準解答があるのですが、設定が「医者志望」になっているので、少し変えました。具体例も結構裕福な家庭の設定なので、ありがちな設定に変えました。
今回の小論文を書く人は、教員志望の高校三年生です。教員養成課程を受験しようとしています。中学、高校の教員免許は同時に申請できているので、教科ごとの免許にしようと思っています。七年前の振り返りでは、未来のことは分からないので、その時に思っていることをやる道を選ぶという性格です。そのため、現在のやりたいことを進めていき、その先に七年後の私の姿があるという風にしました。
解答例 ←クリックでPDFファイルが開きます
なるべく短文で作りました。一文だけ長いのがありますが、基本的には短く区切りました。本来はもっと長い文章を書くのが得意なので、これくらいの分量だと物足りない感じがあります。
話の持って生き方は幾通りもありますが、今回はこのような形にしました。小さい頃に思っていたことと今思っていることが異なっているので、その時その時にやりたいことを求めていく姿勢を打ち立てました。小学生が将来のビジョンを正確に描くのは難しいですからね。
さいごに
今回は実際に文章を書いてみました。みなさんも書いてみましたか?原稿用紙で書くと字数が本来とは異なりますからね。今回の例も724字ですが、最終行までありますので、条件は十分クリアしています。
というよりも、具体例と話の構成をきちんと考えておくと字数ぴったりに近くなります。練習次第でその感覚もつかめるでしょう。
では、今回はこの辺にしておきましょう。みなさんも少しずつ書く練習を始めるといいでしょう。
※サイトオープン記念として「七年後の私」について、原稿用紙設定で書いた文章の添削を受けたい人は、受け付けたいと思います。(2018年12月31日まで)応募条件として、Twitterで「#スクールスタディアム」のハッシュタグをつけて、この記事を拡散してください。記事の下にTwitterへのリンクがあります。問い合わせのお名前のところを、Twitterのアカウント名にしておいてください。検索して確認します。(鍵アカウントの場合は、私をフォローしてください。フォロー返ししますので、許可をお願いします)
添付ファイルは、ワードの原稿用紙設定が一番いいのですが、それが不可能であれば、文章ファイルで受け付けます。問い合わせのところから、「文章書き方講座⑦「七年後の私」の添削希望」と送ってください。記入されたメールアドレスに、送信用アドレスをお知らせします。
なお、どうしてもファイル形式で不可能な場合は、お問い合わせ内容に打ち込んでもらっても構いません。こちらで原稿用紙に当てはめて検討します。(改行、一字落としはきちんと施してください)
記入されたメールアドレスに返信しますので、必ず受信できるアドレスをお書きください。
今回のイベントは終了いたしました。
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