好奇心は最大の学習の種




好奇心は最大の学習の種

 

幼少期から高校生、大学生までの学校に通う年代の子どもの発達段階は非常に面白いと思う。脳科学の本が豊富になってきて、学習指導要領がいかに子どもの発達段階にあっているかという内容を読んだことがある。それなのに、それを崩してしまう方向に進んでいることも事実である。

 

しかし、どの段階においても、学習に非常に強い「好奇心」の存在がある。今回はこの好奇心について、私の考えを書く。

 

1 幼い頃は好奇心が強い

私には子どもがいない。しかし、甥っ子と姪っ子がいて、月に数回会うので、会うたびに成長スピードに驚かされる。この間まで出来なかったことが出来るようになり、幼稚園で習ったことを披露してくれる。その披露してくれたことに、「こんなこともあるよ」と教えると必死に覚えようとする。

 

新しい物事に対対しての好奇心が強い時期なのである。新しく覚えたことを人に見せることでアウトプットし、そこに新たに教えてもらうとそれを足していく。脳がどんどん発達するので、吸収する力が強い。学ぶことに対する心の動きが最も激しい時期なのだろう。

(※フリー素材です。甥っ子姪っ子ではありません)

本人に確認することは出来ないが、言語化するとすれば、ワクワクして楽しんで覚えているという状態であろう。大人になればなるほど、覚えることを敬遠する傾向がある。一体いつぐらいから覚えることが嫌になってしまうのだろう。その時期によって、その後の生活が大きく変わってしまうと言える。学習における好奇心とは重要な心のあり方なのだ。

 



2 記憶力を強くするシータ波

脳の波として「アルファ波」と「ベータ波」は結構有名かもしれない。リラックスをするときに出てくる波として有名になっている。しかし、記憶をすることにおいて重要なのは「シータ波」ということだ。

 

その名は「シータ波」。アルファ波やベータ波よりもゆっくりとしたリズムの脳波です。この脳波の名前を聞くのは初めてかもしれませんが、記憶においては、もっとも大切な脳波だと言い切ってよいほど重要なものです。

シータ波は「好奇心」の象徴です。はじめてのものに出会ったり、未知の場所にきたりすると、自然に脳に生じる脳波です。つまり、わくわくしたり、ドキドキしたりして、好奇心が強く外に向かっている状態です。反対に、飽き足りマンネリ化したりして興味が薄れると、シータ波は消えてしまいます。興味を持って対象に向かうときにシータ波が出るのです。

(中略)

興味を持っているものごとは復習回数が少なくても覚えられることがうかがえます。

(引用『受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法 (新潮文庫)』 池谷裕二 著)

 

幼いころに強い好奇心は、記憶を強くしてくれる。この好奇心を使わない手はない。つまり、好奇心の強い段階では新しいことを習得していくのが早く、弱くなるにつれて時間が掛かるようになっていくのだ。

 

小学生の頃までは比較的好奇心が残っている確率が高い。しかし、徐々に好奇心を失っていく子どもが生まれ始める。そうなってくると、つまずきが出てくるのだ。習う内容に興味が無いのか、面白くない授業で興味を無くすのか、理解出来なくなって好奇心を失うのかは分からないが、少なからず好奇心をどこかで失ってしまう。

 

中学生になると、半数近くの子どもが勉強に対して好奇心を失っている感じがする。学校で習う内容が生活と密着しなくなり、どうしてしなければならないのか分からなくなる。また、学校の先生の話が分かりにくかったり、思春期に入り、反抗したい気持ちが強くなったりして、好奇心で受け止めることができなくなってくる。

 

その状態になってしまった中学生に対して、今度は高校受験がやってくる。高校受験のために無理矢理勉強することになるので、余計に嫌になってくるのだ。そして、何とかなだめすかして、高校へとやってくる。高校生になった頃には、勉強への好奇心を失ってしまい、記憶するのに時間が掛かるようになってしまう。

 

幼い頃からの好奇心を失わず大きくなった子どもは、学校の勉強から脱落していかない。シータ波を上手く使い、記憶に時間が掛からないので、人よりも勉強が先に進むのだ。そして、そういう子どもは勉強を苦痛に思わないので、小中高校と難なくクリアし、大学も上位校へと入っていく。その後が上手くいくかどうかは、その子次第であるが、好奇心というのは非常に強い武器になる。

 



3 受験は好奇心を失いやすいポイント

私は、好奇心を失いやすいポイントは受験だと思う。受験には二通りの人が生まれる。受験勉強を通して、勉強の面白さに気づいて大きく成長する子どもと、なんとか無理矢理クリアして勉強の面白さを見失う子どもとに分かれる。

 

高校受験、大学受験が大きな境目になると考えられる。この受験の段階で興味を失ってしまえば、その後の学習の取り組みに差が生まれてしまう。中学校までは賢かった高校生はたくさんいる。そうした高校生が賢いままでいられるかというとそうでもない。逆に高校に入ってきた段階では低い層にいても、3年間頑張って取り組んで首席で卒業していく高校生がいる。現に、トップ合格した生徒が首席で卒業した例を見たことが無い。主席になるのは2位合格者か下の方の合格者たちだった。

 

大学受験で勉強の面白さを見失ってしまった子どもは、大学の中で別の面白いことを見つけて、そっちにのめり込んでいく傾向になる。特に超進学校と呼ばれる学校出身で、大学で解き放たれたパターンだ。そういう学生は上位校に入り込んできて、やる気を失うので、卒業が一気に怪しくなってしまい、中退するか留年するかという道をたどっている。

 

つまり、受験期に好奇心を見失うと、折角進学した先でもったいないことをしてしまうのだ。

 



4 好奇心を育て、見失わない教育

そこで、子どもの好奇心を失わないように育てていくことが大切である。家庭においても学校においても、好奇心が生まれるようにして、それを伸ばしていくことが大事だ。

 

学校の授業では、生徒40人を相手にするので、全員に好奇心を持たせるのは非常に難しい。その中の何人かが興味を持てばすごい方である。生徒個人個人興味の持つポイントが違うので仕方の無いことだろう。しかし、どこかで興味を持つことが生まれるはずである。

 

興味を持った子どもが、その興味を公言して、追究できる環境を整えられたら、その子どもは一気に伸びていく。学校の設備でそのことが出来るならいいが、多くの公立学校ではそのような設備はない。そこで家庭の力が必要になるだろう。子どもがやりたいと思うことを支援できる体制を作ることが重要だ。

 

好奇心によってはお金の掛かることかもしれない。すぐには準備できなくても、それに繋がること用意してやれば良い。もしくは、自分のお小遣いで準備できることなら、興味の追究のためにお金を使うことを覚えさせるのも言い。お金は貯め込んだり、無駄に使ったりするのでは無く、自分のためになる使い方を覚える良いチャンスとなる。

 

何か一つのことを追究しようとすると、必ず分からないことが出てくる。説明そのものが読めないこともある。それを知ろうと努力して、新しく言葉を覚えたり、概念を理解したりできる。まずは書籍から情報を得て、ネットでも情報収集すると良いだろう。

 

スマホで大方のことは出来るかもしれないが、仕事をするときのことを考えると早い内にパソコンを使えるようにしておくと良いと思う。文章作成もワードなどでまとめる能力を身につけておくと、大学に入ってからも苦労が無い。タイピングスピードを鍛えておくことも大切だ。タイピングが遅いとレポート一つ書くのにも苦労する。

 

そういう視点から早くから導入しておくと良い物は導入しておくべきだろう。

 



さいごに

学校現場でも好奇心を育てる教育を行うことが大切であるが、どうしても40人全員の個性に合わせて授業をすることが不可能に近い。最も子どもの好奇心に気づき、それを育ててやれるのは親の力だと思う。

 

親の存在は子どもにとって大きい。生活の大部分を頼って生きているからである。家庭環境によるかもしれないが、教育にはお金を掛けておいて損は無いと思う。自分に還元されるわけではないかもしれないが、子どもにとっては大きなアドバンテージになる。

 

うちの子が一番だ!という発想から暴走してしまうくらいなら、うちの子が好奇心からその道の一番になるのを見届ける方がよっぽどいい。これから先の世界は未知の世界だ。子どもの好奇心はいろいろなところに向く。その中で一番楽しそうなことに、投資してみる。それが思わぬ方向で返ってくることもある。子どもへの投資をケチらないでほしい。

 

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