漢文を読みこなしたい!上達の方法
漢文を読みこなしたい!上達の方法
先生、漢文がちんぷんかんぷんです。なんで漢字だけで文章が書かれているんですか?
時代の変化ですね。むしろ漢字仮名交じりの文章なんて、昔の日本人からしたら、なんて難しいことをしているんだって思うくらいですよ。
えっ?今の方が難しいんですか?
漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット、数字。日本人は非常に多くの文字を多彩に使っています。かなり難しいですよ。
そうなんだ・・・でも漢文が難しく感じるのは何故ですか?
古文が難しく感じるの同じで、今と書き方やルールが違うのと、それほど慣れていないからだと思いますよ。慣れている人は国語ができなくても、漢文だけはできるという人が一定数存在しますからね。
漢字はそれぞれに意味があるから、わからなくても何となく意味が取れることがありますよね。
そうだね。漢文は日本語と語順が違うけれど、意味を取ることができる文章もあるよね。これは英語をしっかりと勉強していて、漢字の意味もある程度頭に入っているとできることなんだよ。
英語も関係するんですか?
そうだよ。でも、いっぺんに色々と説明すると混乱しちゃうだろうから、今回は漢文の基本的なことを話していこう。
漢文読解上達方法 ―入門編―
漢文の読解をしていく上で、入門的なことは「書き下し文」にすることです。漢文のままでは読むのが難しいので、返り点や送り仮名をつけて読めるようにしてあります。これは日本語と中国語の語順が異なるので、返り点で日本風の読み方ができるようにしてあるのです。また、送り仮名も中国の使い方ではありませんので、日本風に読めるようにしているのです。だから、書き下し文にすることは日本語にするということなのです。
書き下し文が不自由なく行えれば、あとは日本語となります。ただし、古文です。漢文を書き下し文にすると古文になるので、それを読みこなせれば読解できることになります。ということで、「書き下し文」「古文の読解」の二つを押さえることができれば読みこなせます。
さて、古文の読解は古文で鍛えてもらうとして、書き下し文をどうするかという点を考えていきましょう。
書き下し文を作るためには、基本的な読み順のルールを覚える必要があります。それと再読文字や句形という文法のルールをマスターする必要があります。古文の文法と同じように色々とルールがあるわけです。
ということで、漢文の読解をしていこうと思うと、漢文のルールを覚える必要があるのです。そのルールを覚える中で、漢字の意味も覚えていけば相乗効果で伸びていくでしょう。
漢文道場がオススメ!
漢文の参考書も昔は少なくて、なかなか勉強しづらったのですが、最近は良い参考書、問題集が増えてきています。やりやすいものを選んで勉強するといいと思います。
とはいえ、目安となるものがあったほうが選びやすいと思いますので、ご紹介しておきましょう。
『漢文道場』(Z会出版 1993年 944円)
この参考書は私が高校生の頃よく使っていました。発売から少し年数が経っていますが、基本事項を押さえて、その上で文章題の演習ができるようになっているので、バランスのいい問題集といえるでしょう。
入試を考えるのであれば、これくらいのレベルをこなせるようにしておいた方がいいでしょう。文法事項の基本的なまとめもありますので、ぜひ活用してみてください。
『基礎からのジャンプアップノート 漢文句法・演習ドリル 改訂版』(旺文社 832円)
漢文道場が難しく感じる人はこちらの問題集を使うといいでしょう。文法の説明がわかりやすく載っています。そして、簡単な問題が付随されているので、文法だけのトレーニングを目指す上では非常に出来の良い問題集となっています。
私は漢文が苦手な生徒を指導する時に使っています。問題が非常に簡単なので、つまずいた時にカバーしやすいからです。解説でも十分簡単ですが、漢文のできる人が周りにいれば、少し聞くだけで解決できると思うのでオススメです。
さいごに
他にも解説メインの参考書も出ているので活用してもいいと思います。漢文の句形は古文の文法と違って、何も見ずに思い出せるレベルにしなくてもいいということがあります。
なので、キーとなる漢字を見たら、文法事項があったなと思い出せたらいいのです。思い出す内容は返り点のつけ方と読み方と意味です。三セットで出てくるようにしておけばバッチリです。
漢文での漢字の使い方を覚えておくと、現代での用法の意味が分かるようになります。漢文の学習は現在の私たちの言葉の使い方の根元になっていますので、しっかり勉強していきましょうね。
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