小論文とは何か?作文との違いや使う場面





中学生の人は高校受験の時、高校生の人は大学の推薦入試や2次試験などで、「小論文」が課されることがありますよね。読書感想文などの「作文」は書いたことがあっても、「小論文」は初めてだという人も多いと思います。

今回は「小論文とは何か」ということと、作文との違いを知った上で、使用場面を想定して学んでいきたいと思います。

(※オーディブル機能を実験的に行います。本記事は前半後半に分けて全て読み上げています。)

前半

後半

小論文と作文の違い

では、はじめに小論文と作文の違いを確認しましょう。小中学校では主に作文がメインとなります。読書感想文や修学旅行の感想集などが該当します。

 

作文は自分の感想や体験を書くことになります。そのため、文章の流れや感性の豊かさが評価されるポイントになります。文体も「です・ます」調でも、「だ・である」調でも構いません。書きやすい方を選んで書きましょう。

 

書き方にこれといった決まりはありません。いろいろな書き方がありますので、どういう表現が自分の気持ちを一番表しやすいかを考えて作りましょう。小説やエッセイを読んでみると、どういう表現があるのか知ることができるでしょう。

 

 

一方、小論文とはそのような書き方ではいけません。

 

小論文は、自分の「意見」を筋道立てて書くことになります。その際には、「根拠」と「理由」が必要です。「小」とついていますが、「論文」の性質を帯びています。論文というのは、学者や研究者が自身の研究の成果を発表するときや、批評家などが自身の意見を表すのに使用します。

当然ながら、日常で小論文を書くことはあまりありません。たとえば、皆さんが持っている国語の教科書の「説明文」や「評論文」と言われる文体を見てください。そのような書き方で手紙を書くことはないと思います。

こちらは文の書き方がある程度決まっていますので、基本の型を習得することが大切です。一朝一夕で書けるものではありませんので、事前に準備が必要です。

 



小論文の文字数の目安は○割程度

小論文が課される場合、基本的に字数制限があります。課題文を読んで答えるタイプが多いです。もしくは、簡単な設問が設定されていて、その字数内に答える場合です。ここで、字数制限の表示の仕方に注意して見てください。

 A試験 ○○について、400字以内で述べなさい

B試験 △△について、400字程度で述べなさい。

 

 X試験 □□について、800字以内で述べなさい。

Y試験 ☆☆について、800字程度で述べなさい。

 

四つの試験を例に出してみました。ここでまず気になるのは、「以内」と「程度」です。これは非常に重要です。

以内」というのは指定された字数以内にしないといけませんので、A試験であれば401字はアウトです。400字までが規定の範囲内となります。X試験も同じです。しかし、ぴったりの字数で収めることは非常に難しいですよね。そこで、ある程度の目安が暗黙の了解で決められています。

A試験のように400字は比較的字数の少ないものです。この場合は9割以上書いておきたいところです。つまり、「360~400」が理想となります。

X試験のように800字と指定される物が多いでしょう。これくらいの分量になると8割以上とよく言われますが、「640字~」となってしまい、最低限で書くと160字も空白ができてしまいます。最低条件はクリアするかもしれませんが、スカスカに見えてしまうので、印象は悪くなってしまいます。こちらも9割「720字~800」が理想でしょう。

 

程度」という指定をされた場合はどうすればいいのかと思う人もいるでしょう。字数指定の少ない記述問題であれば、1割前後を足すことができます。40字であれば、36~44字といった感じです。

この流れから行くと、B試験は「360~440字」、Y試験は「720~880字」となります。これくらい緩く設定しているところもありますが、Y試験においては範囲が広くなりすぎです。

そこで、1割の分量を前後に分けて取るというのが最も適切だと考えられています。

B試験の400字であれば、1割は40字です。それを前後にわけるので、前20字、後ろ20字で考えて、「380~420」にするのが理想です。

Y試験の800字であれば、1割は80字です。それを前後に分けると、前40字、後ろ40字となるので、「760~840」が理想的です。

 

以内」と「程度」を見落とさないように気をつけながら、字数内に収められるように記述してみてください。

 



小論文が出題される大学入試

小論文が出題される大学は、国公立、私立を問わずあります。推薦系入試で課される場合もありますし、一般入試でも課されることがあります。同じ大学でも学部ごと、入試日程、入試方式によって変わりますので、自分が受けたい大学の出題範囲をしっかりと確認しておきましょう。

 

(例)

大阪大学 文学部 AO入試(二次試験)

大阪市立大学 文学部 後期試験

大阪市立大学 理学部・工学部 推薦入試

関西大学 文学部 後期日程(1200字程度)※新しくできたようです

近畿大学 芸術学科 舞台芸術専攻 (1000字~1200字)

国立病院機構近畿グループ 社会人入学試験

 

ほんの一例ですが、検索すると見つかります。国公立、私立、専門などさまざまですね。また、文系だけでなく、理系の学部でも出題されることがあります。理系の人も、志望校の入試要項は早い目に確認しておいた方が良いでしょう。

 

小論文が出題される高校入試

高校入試の一部でも小論文が課されることがあります。東京では推薦入試系で出題されることが多く見受けられます。各学校によって、テーマが示されているようですので、事前に書くことができますね。課題作文とも言えますが、書き方は小論文に近くなるでしょう。

大阪では国語の試験に「作文」が出題されます。これまでは本文に関連する問題だったのですが、最近では全く独立した状態で出題されましたので、今後この状態が続くのか年度ごとに異なるのかは分かりません。しかし、それなりの分量を試験中に書くことになりますので、書き方の練習をしておく必要があるでしょう。

 

大学受験に比べれば、出題される可能性は少ないかもしれませんが、少しずつ増えてきていますので、今後の動向をしっかりと見ておく必要があります。

 



さいごに

以上、作文と小論文の違いを確認し、出題される状況を確認しました。この記事では小論文の書き方やトレーニングの仕方は説明していませんので、概説だと思ってください。これからの記事で説明していきたいと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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