小論文の書き方を調べている人は要注意!?「コツ」「型」にだまされるな!

 

初めて小論文を書く人が書き方を調べるのはもっともなことだと思います。国語の資料集・便覧などに簡単な書き方の説明が載っていますが、いまいち分かりませんよね。学校の先生に聞いても、「書いたらもっておいで」と言われることが多く、どういう風に書くかを教えてくれる先生は少ないと思います。

さて、今回は小論文の書き方についての注意点を説明します。

 

小論文の書き方で言われる「コツ」「型」とは?

 

小論文の書き方を検索すると、書き方の「コツ」や「型」を教えますと宣伝しているブログや記事が多く出てきます。それさえ見れば、「文章の型」があって、「コツ」を使って埋めていくだけで文章ができるのではないかと思ってしまいます。

しかし、そんな簡単には小論文はできあがりません。「コツ」や「型」は確かにありますが、そのような手頃なものではなく、手順を踏んで練習していかないと身につかないものなのです。

そのようなサイトの中でも、非常に怪しいサイトもあります。小論文のことを分かっていないか、国語の専門外の人なのだろうと思わされます。それは次のワードです。

 

小論文は「起承転結」で書く

 

これは一時期流行った勘違いによるものです。起承転結は俳諧やシナリオなどで使われるものです。最近で言えば、四コマ漫画などがわかりやすい例かもしれません。しかし、小論文の字数では、うまく書けないことが多いのです。(まれに非常に上手く書ける人もいるので全否定はしませんが、かなりの上級者向けです)

なぜかというと「転」というのは、前半の「起承」と全く話を変えながら、「結」でつながりを出さないといけません。「おぉーそうきたか!」と魅せなければならないのです。

小論文を普通に書いた場合、「起承転結」を用いると、「転」で話が変わってしまい、スタートとゴールが異なることになってしまいます。「結」で話がまとまらないんですね。これでは、小論文の体をなしませんので、大きく減点されてしまうことになります。

 

小論文の基礎として「序論・本論・結論」の形式で書きましょう。その方がすっきりする上に、話が逸れないので書き誤りがぐっと減ることになります。これは一種の「型」です。調べてみると、「型」の説明でこのように説明しているサイトもありますので、そういうサイトは信用して良いでしょう。

 



小論文の書き方は「準備」と「構成」で決まる

 

さて、小論文の書き方はどうすればいいのかと言われると、「序論・本論・結論」を意識していきなり書き始めるよりも、「準備」と「構成」に重きをおくとよいでしょう。

準備とは、課題文があれば課題文の読み取りとその要約が必要となります。他にも、自分の書きたいことを箇条書きにして書き出すことです。

 

「要約」+「書きたいこと」を書き出したら、どういう手順で説明していくかになります。「書きたいこと」を全て書ければよいですが、大抵は難しいので、その中で取捨選択をします。そして、順番を考えて配置します。この順番と配置を考えることが「構成」に当たります。あとはそれに従って書いていくことになります。

 

もちろん、「書きたいこと」が見つからない場合もあるでしょう。テーマに沿った内容が思いつかないという事態です。これは単純に勉強不足です。小論文は勉強せずに、自分の中にある情報だけで書けるわけではありません。普段から情報を収集しておく必要があります。「ただ知っている」だけでは書けませんので、気になるテーマに沿った知識を仕入れたら、自分の言葉でまとめ直しておくといいでしょう。

 



小論文の書き方を知るのに有効な本

 

小論文の参考書はそれなりの数があります。(古文と比べると少ないですが・・・)基本的な書き方はカバーしているものが多いので、見やすいものを使うといいでしょう。もちろん、その時には「起承転結」で書かそうとしているものは除外してください。

有効な本がこれというのは一言では言えませんが、まず、最も手近な本で言うと「国語便覧(図説)」です。そこには書き方の基本が載っています。小論文は理解して、相手に伝えたり、使ったりしないといけないので、読み取り練習だと思って読んでみるのもいいでしょう。

 

小論文と言えば、「樋口裕一」さんが有名です。「小論 樋口」で検索すればたくさん本が出てきます。私も高校生の頃、樋口さんの参考書を使った記憶があります。小論文とは何かが詳しく書かれていて、例題と解答例がいくつか載っていて、添削しているといった感じの本でした。

今はその本は売っていませんが、他にいくつも書き方の本が出ているので、一読の価値があると思います。

 

他にも、小論文の書き方と合わせて、ジャンルごとの知識を集めた本も活用できます。「人文社会」や「医療・看護」などのようなジャンルごとに、テーマが集められていて、その説明が書かれています。知識を事前に仕入れることが小論文の勉強の半分を占めると言っても良いくらいです。知識なしには太刀打ちできません。

 

具体的な本を紹介することは避けましたが、いくらでも手に入ると思いますので、実際に本屋さんで手に取って中身を見てみてください。

 



小論文の書き方で気をつけたい原稿用紙の使い方

 

小論文の書き方で気になることと言えば、原稿用紙に書かないといけないときでしょう。自由記述では字数が分かりづらいので、原稿用紙の形を取っているところが多いです。

原稿用紙の使い方は小学校の時に習います。その時と違うのは、タイトルは別に書くところがあるので、本文だけを書くことです。

 

段落の書き始めは一字落とします(空けるという意味)。これは私のブログでも施しています。(すみません。確認したら冒頭から書かれているのに気づきました。)ブログの場合は一字落とす必要はないかもしれませんが、段落を意識していますので、それに従っています。

 

段落構成に縛りはありませんが、「意味段落」「形式段落」を意識して書けるといいでしょう。形式段落がいくつか集まって、意味段落を形成し、意味段落を3~4つ作り、結論に結びつけていくことができるとスッキリします。

 

他にも禁則事項があります。行の一番上に句読点(「、」「。」)を打たないというルールです。その場合、一番下の文字と合わせて表記します。これはあくまで原稿用紙の使い方です。普通の国語の解答欄で字数制限があって、□の箱がある場合は、一マスに二つ書いてはいけません。たまに、勘違いしている国語の先生もいますので気をつけてください。

 

また、段落ごとに一行空けたりしないようにしましょう。ブログの世界では、段落ごとに一行空けて見やすさを狙ったものもあります。しかし、原稿用紙の使い方としては不適切になりますので、空けないでください。この段落のように空けないようにしてくださいね。

これは原稿用紙の使い方ではありませんが、一文の長さを20~40にすることです。これはなぜかというと、文章を書き慣れていないと主語のねじれなどのミスを犯しやすくなるからです。短文であっても、主語のねじれなどのミスを犯す人が多いです。

 

(例) 今日は僕は彼女が明日会おうねと言ってた日だ。

 

ぱっと見て不自然だと思えるといいのですが、そう思わないと危ないですね。そして、こんな文書かないよと思う人でも、書き慣れていないとやってしまいがちです。本人はきちんと書けているつもりになるので、なかなかミスに気づかないのです。

この例文では、「今日はーー日だ」が大きなくくりになります。でも、その間の文はどうなっていますか?「僕はー言ってた」「彼女がー言ってた」「僕はー言ってた日だ」「彼女がー言ってた日だ」と四通りの組み合わせが考えられます。

もちろん前後の文脈から一つに絞れるかもしれませんが、こういうミスがいくつも起こってしまった場合、読み手は分からなくなってしまいます。この文の場合、いくつか変更すると一つの意味に確定できます。

 

(例‘)僕が彼女に明日会おうねと言った日は、今日だ。

 

まず、「言った人物」を特定します。主格が二つ続くと分からなくなるので、「僕」「彼女」をはっきりとさせます。この例で行けば、「僕が」「彼女に」「言った」になりますね。そして、それを「言った日は」「今日だ」の大きな主述関係がはっきりとします。

これが長い一文になると頻発します。そうならないためにも、短く端的に言いたいことをつなげていき、誤解が生じないようにしましょう。時間が充分にあって、練習をたくさん積める場合は、少し長い文に挑戦しても良いかもしれません。

 



さいごに

 

さて、いかがだったでしょうか?一度にたくさん書いてしまうといけないと思いながらも、言葉で説明すると長くなってしまいます。簡潔にまとまった情報は便覧・図説で確認できますので、こちらでは少し長くなっても、詳しい説明にしようと心がけています。

記事を書く際によくある注意点を思い出したり、ネットでの情報を確認したりしていますが、やはり一番は現物を見て指導することです。個人個人でミスをしやすいポイントが異なりますので、添削することでよく分かると思います。

 

もし、添削が必要であれば受け付けたいと思います。

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