小論文の書き方 サンプル添削 「チームワーク①」
小論文の書き方 サンプル添削 「チームワーク①」
小論文の書き方に悩んでいる人に、サンプル添削を通して、書き方の注意点を説明していきます。
今回は私が書いた文章を添削してもらいます。
目次
今回のテーマ
今回はテーマ型小論文に挑戦してもらいました。
2020年度 信州大学・教育学部の過去問のテーマです。
「集団で何かを達成していく際に必要であることが強調されるチームワークについて、考えを書く。」
字数制限は800字です。
どんなことを書くか、事前に想像しておいてもらうといいかもしれません。
今回添削する小論文
原稿用紙の状態でPDFを作っています。何も添削をしていない状態です。ここから添削を入れていきます。
小論文の添削例
添削を入れたものを紹介します。手描きの添削結果のところに、番号が振ってあります。注意ポイントを書いていきます。
①数字について
小論文が縦書きか横書きかによって、数字の書き方が異なります。今回のように縦書きであれば、基本的には「漢数字」で書きます。一マスに一つの漢数字を入れます。
横書きの場合は、「算用数字(1,2,3など)」を使います。こちらの場合は、「1マスに2文字」書きます。ちなみに「アルファベットも同じ」ように1マスに2文字書きますので、注意しましょう。字数カウントは2文字で1文字扱いです。
~参考~
②文体(「だ・である調」で書く)
小論文を書くとき、丁寧に書かないといけないと思って、「です・ます調」を使ってしまう人がいます。しかし、小論文では「だ・である調」で書くのが基本です。自己の考えや主張を伝えるために書いていますので、はっきりと言い切れる「だ・である調」で書きましょう。
~参考~
③不要な表現
なくても意味が通じる表現は不要です。まわりくどい表現となってしまい、小論文というよりもゴシップ記事の書き方に近づいてしまいます。本当にその表現が必要かを考えながら書くようにしましょう。
また、ゴシップ記事に近づいてしまう書き方として、「誇張表現」があります。こちらも確認してみましょう。
~参考~
④敬語表現は不要
こちらも丁寧に書こうと意識が働き使ってしまうことが多い表現です。尊敬、謙譲、丁寧語は不要です。そして、今回のように美化語も要りません。特に「お」は付けやすいので気をつけましょう。
~参考~
⑤堂々巡り
ここは「チームワーク」という言葉で堂々巡りをしています。「チームワークは」と始まっていますが、また最後に「チームワークが必要とされます」となっています。
「チームワークはスポーツの世界でよく使われ、何かを達成するときに必要とされている」
このように表現すれば通じますので、気をつけましょう。
(後半)
⑥投げかけない
小論文を書くと、「~だろうか」「~でしょうか」と投げかけてしまう人がいます。投げかけは、読者の興味や関心を引く効果がありますが、必ず文中でその答えを回収する必要があります。
この手法は、ある程度の分量があれば上手くいきますが、受験小論文の字数程度では失敗することが多いので使わない方が良いでしょう。
今回の場合も、終盤に投げかけを使っています。こうなると、回収できずに、読者に考えを委ねる形で終わってしまいます。
小論文は自己の考えや主張を相手に伝えるものですので、相手に考えを委ねてしまってはいけません。基本的には言い切れる形で書くようにしましょう。
~参考~
⑦「と思います」
小論文では「思う」はあまり使わない方がよいでしょう。「考える」と書くべきです。
ただし、「考える」を多用してしまうと、考えてばかりで根拠がない文章になってしまいます。必ず、設問と関係するところで「考える」を使うようにして下さい。
今回の使い方だと、最後の方で「思う」を使っていますので、自己の考えに自信がないように読み取られてしまいます。最後でビシッと言い切れる内容を書くようにしましょう。
⑧なぞの段落
最後の三行は謎の段落となっています。これから始まる話のように見えます。文字数が足りないからといって、無理に文を書いてしまうと意味が分からなくなってしまうので気をつけましょう。
⑨まとめなし
小論文の構成上、まとめの段落は必ず必要です。最後の段落で自分の考えをどのようにまとめあげるかは非常に大切です。
それと同じくらい大切なのは、書き始めです。書き始めで簡潔に言いたいことを述べておき、その後、根拠を示しながら説明します。そして、最後に自分の考えを改めてまとめなおすことが必要です。
この段落がないと、何を伝えたかったのか明確になりません。採点者によって変わってしまうことになります。伝えたいことが伝わらないことは大きな失点に繋がりますので、しっかりと書くようにしましょう。
~参考~
さいごに
今回の小論文は、基本から学び直して書き直す必要があります。書き始めの場合、陥りやすいミスでもあるので、ここから学べることは非常に多いと思われます。
これから小論文に取り組もうと思う人は、ここにあるようなミスをしてしまわないように気をつけてくださいね。